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「1スレ>>878」(2007/12/11 (火) 22:15:13) の最新版変更点
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萌えもんにはさまざまな種族が存在する。
彼女たちは概ね、人類へと至る地球生物の進化、その道筋に沿って産まれてきたと考えてよい。
哺乳類、爬虫類、鳥類、魚類、菌類、軟体生物、その他様々な、かつて存在し、今は絶滅した旧世代の生物群。
それらの進化の果てが、現在地球生物の大半を占める萌えもん属の生物群であるというのが、生物学会の大方の見解だ。
知能に優れ、人語を解し、二足で、四足で、あるいは飛行し、浮遊し、水中を自在に泳ぎ回る彼ら彼女らは、
確かにその大半は、既存の進化樹の、様々な群・属・目のそれぞれにおいて、頂点に立つべくして生まれてきた存在なのだろう。
だがそれが、400種を越えるほどに分派している萌えもんのルーツ全てではないと、私は考える。
例えばオツキミやまに群生するピッピ・ピクシー族がその代表例と言えよう。
彼女たちは、70年ほど前のオツキミやま隕石落下事件後に、突然存在が確認され、今も繁栄している種族であるが、
隕石落下以前においては、数100年に及ぶオツキミやま観測史において、その姿はそれまで1度たりとも確認されていなかった。
そこが人跡未踏の山々であるならまだしも、遥か古代から人が行き来し、生活の糧を得てきた豊かな森山で、そんなことがありえるだろうか?
あるいは、一種族であると遺伝子的にも確認されているにもかかわらず、ひとつとして同じ姿形を取るものの無い、
未だに多くの謎に包まれたままの存在、アンノーンも例外に数えられるだろう。
そして、今私の目の前では、また別の例外的種族がある行動に励んでいる。
主に発電所、変電所等、電力が豊富な場所に好んで生育するコイル属。
彼女たちは――いや、この言い方はふさわしくあるまい。そもそもコイルに我々の性別は通用しないのだ。
コイルは周期的に、3体で寄り集まるという習性がある。
2体でもなく、4体でもなく、常に3体である。この定数の意味がお分かりいただけるだろうか。
ただ集まるというだけならばなんの不思議も無い。萌えもん、人類、動物に関わり無くどの種族も行う行動だ。
現にコイルも、例えば強大な敵に襲われた場合、3体どころではなく10体も30体も集合してこれに対抗することがままある。
だが、コイルが手を繋ぐ、肌を接触させるという行為は、間違いなく、確実に、3体が集まるそのときにしか行われない。
それ以上の、あるいはそれ以下の数のコイルは、ひとところに集めたとしても、そして仲良くおしゃべりをしていたとしても、皮膚接触を行うことは絶対にないのだ。
それは、その行動が、コイルにとって特別な意味を持つからであると、私は断言する。
私の目の前――強化ガラスを二重にした防壁の向こう側で、今レアコイルが、3人のコイルがベッドの上で、その銀色の服を脱ぎ捨て、全裸で睦み合っている。
全萌えもんの中でも特に幼げな容姿の彼女たちが、互いの体をさぐりあい、肌と肌を合わせて、繁殖行為に耽っているのだ。
そうなのだ。我々人類や多くの萌えもんと異なり、彼女たちは3名で生殖行為を行うのだ。
3性生殖、という言葉を聞いたことはお有りだろうか。
人類をはじめ多くの地球生物は、雄雌の2性で生殖し、繁殖する。これは動物のみならず、植物にも共通する、地球生命体の進化の系譜、その根底近くに位置する、基本的事項だ。
例外は無性生殖――すなわち分裂で増殖する原始的生命体だ。萌えもん界においてはメタモンがこれに相当する。
だが、地球の生物史、そのいずこにおいても、3つの性を持ち、親3体の遺伝情報を3分割して結合させ、子に受け継がせる生命体などという畸形は存在していない。
仮に存在していたとしてもその種族は、化石にすら残ることなく絶滅し、証拠も残さず消滅するほどの数でしかなかったのだ。
では今ここにいる、互いに愛し合い、子をもうけるため互いを擦り合わせている3人の姿は、いったいどう説明すべきなのか。
どういう説明を試みるとしても、地球の進化史とは遠くかけ離れた存在を想定せざるを得まい。
そうなのだ。
コイルはおそらく、地球外で進化し、ここへやってきた種族なのだ。
そうでなければ、この、淫卑で、可憐で、目を奪われるほどに美麗な姿を、説明できるはずがないのだ。
これほどの美しさ、2性しか持たぬ我々には、万年経とうとも到達できぬ境地であろうからだ。
さぁ!
アウトかセーフかどっちだ!w
アウトだったらすぐさま消してやるぜ!w