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「先に帰っててくれ」
マスターにそう言われた。
「お前は寒いのは苦手だろ?家で暖まっているといい」
「でもマスターは……?」
「俺はこの仕事を終わらせないとな」
このそう言って仕事場に行ってしまった。
マスターは仕事のときは仕事場には入れてくれない。
モンスターボールとか色んなものを作る場所だけあって危険なものもあるから。
一度私がここで怪我したときなんか人目も気にせず私の怪我を気遣ったりしたほどだ。
「どうしよう……?」
私は寒いのが苦手だった。
それはハクリューで弱点だからとかでなくて、普通に寒いのが苦手だった。
それは"大"が付くほど。家に帰るといっつも炬燵で暖まってるほどだから。
空を見ると綺麗に晴れ渡っていた。それなのにとっても寒い……理不尽。
晩御飯を作るにしても今は一時ちょっと前だから作るにしても早すぎる。
家に帰っても誰も居ないので結局炬燵で包まってる他無い。
でもそうなるとそのまま眠ってしまうかもしれない。
前はそのまま寝てしまって起きるまでマスターに頬を突かれていた。
その後とても恥ずかしくて暫くマスターの顔を見れなかった。
不貞腐れたマスターを慰めるのに時間かかったけど。
「少しだけ待とう……きっとすぐ戻ってくるよね」
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「すっかり遅くなっちまったな……怒るかな、アイツ」
「……別に、怒りませんよ」
「は?」
マスターは驚いた顔で私のほうを向く。
「お、お前何してんだ!?」
「……待ってたんです、マスターを」
「はい!?馬鹿かお前は!俺は帰ってろと……!あぁほらこんなに体が冷えて!」
震える私の手を取ってマスターは怒る。
というよりは、呆れてるような気もするけど。
「だって……帰ったって寒いじゃないですか」
「炬燵だってあるだろ!?暖房だって……!」
「寂しいんです……一人は。とっても寒くなるんです……!」
自分でも何を言ってるのかよく分からなかった。
ただ言わなきゃいけないような気がして。
今まで溜め込んでた物全部吐き出したくて。
「一人は……! 嫌なんですよ、マスター」
「……!ハクリュー……」
震える両手を包み込むようにマスターは手を握ったと思ったら――
――いきなり私を抱きしめた。
「寂しがりだなぁ……お前は」
「マスターこそ」
「そうだな。お前が居ないと不安になるよ」
マスターの体はとても温かくて、心地がよかった。
でもマスターはゆっくりと私を離してしまった。
もう少しだけ抱きしめてて欲しかったな……
「帰ろうか、家へ」
「はい」
そう言ってマスターは家へと歩き始める。
いつもの事なんだけど……私はいつも通りじゃなかった。
「マスター!」
「ん?おわ!?どうしたいきなり」
「まだ寒いんです」
「その割には妙に嬉しそうだな」
「そうです?良いじゃないですかそんなこと。それに――」
――こうして、手を繋いで帰りたかったんですから。
後書き
単発ネタでした。
図鑑見てたら書きたくなってしまったので書きました。
反省も後悔もしてません(ぁ
ハクリュー可愛いよハクリュー。