5スレ>>811-2

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「まったく、あいつにも困ったものだ……」 「あはは。ほんとにね、ヒスイさん」  台所で即席ラーメンをすする影2つ。  ジュプトルとピカチュウだ。 「なんでカップめんたべてるの、2人とも」 「いや、人数分作れなくてな。コガネには悪いと思ったが、こいつの性格はお前の方が知ってるだろう」  そこにもう1人、イーブイが現れた。 「そうだね。バカだもん、コガネ」 「うぐ、ひどいなサラ。せめてお人好しと言ってよ」  この抗議に対し、ヒスイとサラは。 「おなじだよね」 「おなじだな」  こう返して、コガネの顔を見事に膨らませた。  ~るぎゃーとほーおー・てーるおぶからー……のうらで~ 「アイツ、ほんとに女誑しだよな」 「ハハハ……」  彼らのマスターが伝説の萌えもん2人に翻弄される様をみて、彼はそう言った。  ヒスイの言葉に、貴方がいいますかと言いたくなったのがコガネ。  何も言わずに体育座りしているのがサラだ。 「全く、あいつは女心ってのがわからないらしいな」  その姿勢からわかるように、ふだんはおとなしいサラなのだが、  これにはなぜか突っ込んできた。 「ヒスイにはわかるの?」 「すこしはな。あの状況じゃ、そうだな……『比べられないよ』くらい言ってもらいたいもんだろう」  挙句サラリと返すものだから、深々とため息をつく。  ヒスイはなぜそんなものが出るのか、とでも言わんばかりの顔になる。 「(サクラがかわいそう……)」 「(だよね……)」  それは、この場にはいない、ある人物を慮ってのものだった。 「なんだ、言いたいことがあるならはっきり言え」 「「なんでもないよ」」  声を揃えてごまかすあたり、この2人は非常に相性がいい。  そして、それになぜか腹を立てるヒスイ。 「……いくぞ、サラ」 「?」  立ち上がり、やたらと細い腕をとって歩こうとする。  が、次の瞬間。 「きゃー、ようじょゆうかーい」  などという言葉が飛び出るものだから、誰もが驚く。 「な!? お、俺はそんなつもりなど!」 「いやヒスイさん、それむしろ肯定してるよ!」  大慌てで否定するも口ごもる。それは確かにコガネの言うとおり、図星であると言っているようなものだった。 「へー、ヒスイってやっぱりロリコンで、しかもわたしをらちかんきんするつもりだったんだー」  重ねての言葉にさらに大慌て。コガネも焦った。  実はロリコンという言葉は、この一行の男性全てが言われてもおかしくない言葉だったりする。 「……やだ、そんな、コガネもロリコンだったの……?」  ひどく傷ついた様な声に、さらに焦った彼は。 「や、ちが! 僕は、その、サラの外見で好きになったわけじゃなくて、  なんといか、眼、かな。サラの目を見たときに、惚れたんだよ。  一目ぼれ、ってうまいこと、いったよ……ね…………」  一種のノロケだろうか。とりあえず、恥ずかしい台詞を言い放っていた。  自分でも何を言っているのか気づいたようで、最後はしりすぼみになっていた。 「……俺だって、サラがロリだから好きになったわけじゃない!」  気まずい沈黙、それを破ったのはヒスイの叫び。 「ロリコン、というのも認めるつもりはないが、そのあたりは語るだけ無駄だろうから割愛する。  だがな……俺だって、外見だけでここまでこいつに惚れやしねぇよ」  格好いい、けれどなにかが違っている主張。おもに前半が。  なにもいい返せずに黙っていると、続きがくる。 「俺はな、サラのことはよく知ってる。サラの方は俺のことを知らなくてもな。  こいつのいいところも、悪いところも全部知ってる。笑った顔も、怒った顔も、泣いた顔も」  1つ1つを思い出すように、目を閉じたまま語ったヒスイ。  その目を開いて、こう言った。 「──その、全部に惹かれたんだ」  見つめられるサラ。2人分の視線を受けながら、彼女は。 「その、今後ともよろしく」  ・・・・・・・・・・・・。 「「(どうしてあれで友情の方のLikeだと勘違いできるんだこの子はーーー!?)」」  どこぞの誰かと同じく、あっさりフラグを叩き折っていた。

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