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「5スレ>>827-2」(2010/01/15 (金) 18:04:48) の最新版変更点
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(以下 名前と種族。
『グレイシア=アイ(ア) エーフィ=サラ(サ)
主人公=岸秋(主) 男=リュウジ(リ) 』
リ「邪魔するぞ」
背の高いマントを羽織った男がドアを開けて入ってくる。
アイは見覚えの無い人が入ってきた事が不満のようだった。
ア「人の家に勝手に入るなんて無粋じゃなりません?」
リ「勝手に入って良いといつも言われてるのでな、その……新顔君。
サラ、岸秋はどこだ?」
特に悪びれる事も無く私にあの人の居場所を聞く。
まぁ、知らないのはアイちゃんとリーちゃん位だけだから別にいいわ。
サ「あの人ならお風呂よ。ブイちゃん達に海に落とされたから」
そうか、と返事をし適当なソファに腰をかけた。
リ「アイツも苦労してるな。
ふむ……家具が随分新しくなっているな。リフォームでもする気だったのか?
随分部屋の様子も変わってるみたいだしな」
男――リュウジは部屋を見回しながら言う。
それに私は苦笑しながら答えた。
サ「ライちゃんとブイちゃんとホムちゃんが壊しまくってたからね」
リ「……もう少しあいつを労ってやったらどうだ?仕舞いにはアイツ泣くぞ」
真顔でそう言われた。それは私に言わないで欲しいと思う。
ここでずっと待たせるのもなんだし――アイちゃんが怖い目つきだったし――さっさとあの人を呼ぶ事にした。
と言っても私が風呂場に突撃したらアイちゃんが本気でぶち切れかねないので、仕方なしに念話で呼ぶ事にした。
サ「(あなた、リュウジさんがお見えよ)」
主「(誘義<<イザナギ>> 竜司<<りゅうじ>>か?)」
サ「(ええ。大方一年前の事でしょ?ほら、トキワの)」
主「(あぁ……そういえば、詳細は話してなかったな)」
そんな事を話して向こうからブツリと切られてしまった。
普通そんな事出来ないんだけどなー等と思いつつ思考をこちらに戻す。
サ「もうすぐ来るわ。やっぱりトキワの件かしら?」
リ「ああ。 詳しい事を聞いてなかったからな。セキエイリーグの代表としてやはり聞いておかないと」
主「本当に面倒な機関だな、セキエイリーグは」
頭をタオルで拭きながら彼が現れた。
リ「一年と七ヶ月ぶりか?お前と会うのは」
主「そうだな。 ……もうそんなに経つのか、時間が経つのは本当に早いな」
リュウジの好みのブラックコーヒーを淹れ、二人で飲みながら話していた。
リ「お前がマスターランクのチャンピオンになってから、もう六年。未だに打ち破る者は出てこないな」
主「まず仕様がノーマルランクとは全く違うからな」
セキエイリーグ。そこはポケモンマスターの称号を手に入れる場所だと噂されている場所。
実際はそんなものではなく、例外を除いては強者達が集まる玄関に過ぎない。
年に数回行われるトーナメントを勝ち抜きそのチャンピオンとなった者、或いは挑む資格があると認められた者だけが挑める最後の場所だ。
リ「マスターランクは参加者自体居ないからな……」
主「"本物"のバトルだからな。ジムにすら勝てないんだろうよ」
俺らが今行っているポケモンバトルはランクによって四天王までの戦闘仕様が異なる。
ビギナーズランクは道具も交換も自由。交代、道具使用時は一旦試合停止までされる。
また、ジム戦ではジムリーダーは次に出すポケモンを宣言しトレーナーが交換するかどうかを聞く。
ノーマルランクはビギナーズとほぼ同じだが、交代、道具使用時に止まる事はない。
ジムに関しても、ジムリーダーが道具を使うこと(回復系のみ)以外は全て同じだ。
スーパーランクは道具に関して制限が付く。能力強化、状態回復、体力回復の三つに区分され それぞれ三つまでしか使えなくなる。
またジムリーダーは能力強化の道具の使用が解禁される。それ以外はノーマル、ビギナーと同じ……
主「一般的にはハイパーランクが四天王に挑んでくるやつ等だな」
リ「相手にならんが」
主「手厳しい一言だなぁ」
四天王への挑戦許可は一応スーパーランクからだ。それ未満の者では一人も突破できないどころか、トーナメントに勝てないからだ。
たまにスーパーランクの者も挑むこともあるが、大抵二人目までで終わる。
主「ハイパーランクは "全ての"道具が三つまで。ジムリーダーの宣言無し……所謂勝ち抜き法だったか。それで戦う奴らだったか」
リ「そうだ。だが、戦闘で道具を使わせるほど我々は馬鹿じゃない」
主「そりゃそうだが……それでもお前に届く奴は居るんだろう?」
リ「馬鹿を言うな。合間合間に道具を使ってだぞ、奴らは。マスターランクの貴様では雰囲気が違う」
――マスターランク。一切の道具の使用禁止。交代の禁止。ジムリーダーの宣言無し。そして、ジムにより使用可能なポケモンの数が違う。
そして四天王戦、チャンピオン戦でも唯一の例外のランクでもある。
本来は、一人ずつ戦い四人を突破。その後にチャンピオンに挑むという方式で合間に道具を自由に使えた。
だが、マスターランクは違う。連続で全員と戦うのだ。
文字通り"総力戦"で。
主「リアルタイム戦闘である上に、複数の戦闘が有りだからな……本気の四天王が見れるのはこれだけだからな」
つまり、他とは一切違い連続で攻撃を仕掛けようが何体かで同時に攻撃を仕掛けても良いというわけだ。
一例を挙げるなら――
ブースターの生み出す熱で上昇気流、シャワーズの生み出す冷気で下降気流を生み出し 発生した雷雲でサンダースが"かみなり"を放つなどだ。
本来なら一体一体やらなければならないが、これを同時に行えるという利点がある。
同時に危険にさらすわけだが。
リ「そしてそれを勝ち抜いたお前は、誰もが認める最強のチャンピオンになったというわけだ」
主「……チャンピオンというのは止めてくれ。俺は辞退したといったはずだ」
リ「お前こそ。チャンピオンは辞退出来る物ではないと何度言えば分かるのだ。
たった13歳の少年が本気の四天王に挑んで勝ち、チャンピオンとなった……これに感化されてトレーナーとなる者は多いんだぞ。
お前は、全てのトレーナーの目標だと言っても良い! それを放棄するのはリーグとしても認められんのだ」
テーブルを思い切り叩きながら俺をまっすぐ見つめて言う。
その目は、戻ってきて欲しいと言わんばかりの目だった。
主「……俺はリーグには戻らん。俺は真実が知りたかっただけだからな」
リ「16以下は研究員にはなれんという決まりの事か?」
主「ああ。そして研究員となった俺に、今チャンピオンの称号は不要なのさ」
リ「チャンピオン権限が不要になったからか……なるほどな」
研究、事件等全てに関わる事が許されその情報を知る事が出来、そしてより良き事をしていく。
チャンピオンの権限であり義務である。
主「……そうだな。俺をチャンピオンと呼ぶのは良しとしよう」
リ「何?」
主「だが、もうそれは過去だ。お前を超える奴が居たらそいつが新しいチャンピオンでいい。
ただ、問題があるような奴だったら俺が立ちふさがってやる。町で事件や不安事項があるなら新任が出来るまで俺が勤めよう。
それでいいだろう?」
リ「……まぁいいだろう」
とりあえず、この件に関してはもう悩む必要は無いだろう。
リーグとも問題になる事もない。
主「すっかり忘れてたが……」
リ「ん?」
主「トキワの件は?」
リ「……忘れてたな」
主「おいおい……」
2ndに続く!