5スレ>>841

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 …早朝、リュウマの家。  オニドリルがソファーに座り、ボケッとテレビを眺めている。  そこに起きてきたばかりのポニータがやって来た。 「あ、おはよーポニ」 「おはようドリちゃん。今日は早いね」 「なんだか目が覚めてね。二度寝してもしょうがないから、もう起きる事にしたよ」 「そうなんだ?」  一通り挨拶を終えるとポニータもオニドリルの横に座り、テレビを眺める。  テレビ画面の左上には2月14日と表示されていた。 「…ねぇドリちゃん、今日何の日だか覚えてるっ?」 「え? えーっと……何の日だったっけ? 忘れちゃったよ。アハハ……」 「バレンタインデーだったよねー?」  ポニータの問い掛けにオニドリルが悩んでいた時、丁度ラプラスが起きてきた。  ラプラスの手にはどこから取り出したのか、チョコレートが握られている。 「あぁラプ、おはよー。そっか、バレンタインだったね……」 「それで、今年はどうするのっ?」 「そうだねぇ。じゃ、暇だし今年も一丁やりますか!」 「賛成賛成ー」  course of life -with you-  番外編その2~ハッピーバレンタイン!?~ 「ハイっ、コガネ到着っと」 「おうっ。サンキュな、オニドリル」  コガネシティに到着し、オニドリルに労いの声をかけてやる。  今日ここに来たのは、ポニータに頼まれた生活用品の買い出しのため。  それと、あまり街に慣れていないハクリューに慣れてもらうという目的も兼ねている。  …しかし最近オニドリルを使いすぎてるような気もするが、大丈夫だろうか? 「お駄賃は千円になりまーす!」  …どうやら心配した俺がバカだったらしい。心配して損した。  これだけ元気なら特に問題ないだろう。 「んー、駄賃は考えとく」 「えっ!? 冗談なのに!? …明日はきっと雪だね、こりゃ」 「なんだよそれ」  どうしてこう素直じゃないんだろうか、コイツは。  せっかく人が駄賃をやると言っているのに。 「ま、いいや。じゃああたしはこの後やりたい事があるから先に帰ってるよー」 「え? ちょっと待て、帰りは……」 「んじゃまたねー」 「おいこら待てっ!」  …行ってしまった。まぁどうせ止めても聞かないのは分かっているが。  仕方ない。帰る時に連絡入れて迎えに来てもらおう。 「んじゃハクリュー、出て……」 「もう出てますよ?」 「うおっ! いつの間に!?」 「さっきから既に出てましたけど……?」 「そ、そうなのか……」  …やはり勝手にボールから出て来てもらうのは心臓に悪いな。  心臓麻痺で死なないためにも是非控えて欲しいものだ。 「…じゃ、買い出し行こうか」 「はい!」 「ただいまー」 「あ、お帰りドリちゃん。うまくいった?」 「なんか言われる前に帰って来たから多分大丈夫っ!」 「結構強引だね……」  リュウ兄はドリちゃんがコガネシティに置いて来ちゃったみたいです。  チョコ作ってるのがバレたら面倒だってドリちゃん言ってたし。  でもついでに生活用品も買って来て欲しかったから、一石二鳥かなっ? 「…で、ポニの方は?」 「こっちはもう準備万端だよっ?」 「んじゃあ早速作業に取り掛かろっか!」 「うんっ!」  …………。 「よーし、じゃあチョコ作り開始!」 「「おー!」」  今回作るお菓子は生チョコになりました。  理由は短時間で簡単に作れるから、だそうです。  私はもう少し凝った物が作りたかったけど、時間もあまりないので諦めました。 「じゃあポニはボールで生クリーム温めといて!」 「はーいっ!」 「私はどうするのー?」 「ラプは……取りあえず待機! いつでも出動できるように!」 「はーい」 「で、チョコ刻みはあたしに任せろ! いくよ! 二刀流!」 「やめてドリちゃんっ! それ後片付けが大変だから!」 「ちぇーっ」  去年ドリちゃんにこれをやられて、後片付けが本当に大変でした。  だってドリちゃん、チョコを刻みながら辺り一面に撒き散らすんです。  チョコはもったいないし、後片付けも大変だし、あまりお勧めはできません。  …………。 「生クリーム温まったよっ?」 「こっちも今チョコ刻み終わったとこ。じゃあチョコ溶かしてこっか」 「うんっ!」  温まった生クリームの中に刻んだチョコを少しずつ入れ、ゆっくり溶かしていきます。  甘いチョコの香りがキッチン中に広がり、自然と頬が緩んで……  …って、ダメダメ。ここで気を抜くと絶対失敗するんだからっ。  ここは気合いを入れていかないとっ。  …でもリュウ兄、喜んでくれるかなぁ……? 「ちょ、ちょっとポニ!?」 「ふぇ? なにドリちゃん?」 「それ溶かしすぎ! もうチョコレートドリンクになってるじゃん!」 「あぁっ! ごめんっ!」  どうも私が色々考えていた間に、チョコがドリンク状になってしまったようです。  おかしいなぁ。自分で火力は調整してたはずなのに…… 「マズいよ早く冷やさないと……そうだ! ラプ、出番!」 「待ってましたー。それっ」  ラプちゃんが掛け声をかけたのとチョコが凍り付いたのは同時。  …ついでにキッチンの空気も凍り付いてしまいました。 「…ラプ?」 「なにー?」 「これは やりすぎ」 「瞬間冷凍は風味や旨味を損なわずに冷凍できるんだよー?」 「そういう問題じゃなくって……」  床に膝をついてうなだれるドリちゃん。相当ショックだったようです。  私のせいでこんな事になっちゃったんですけどね……  ここは私がなんとかフォローしないとっ! 「も…もう一回作り直そうよっ! まだ時間あるんだし、ねっ?」 「…チョコは?」 「まだ残ってるから大丈夫っ!」 「よし! もう一回作り直すぞー!」 「「おー!」」  立ち直るのが早いのがドリちゃんの良いところ。  あれ? 開き直るのが早い、だったかな?  …取りあえずドリちゃんの機嫌が直って良かったです。  一方、こちらはリュウマとハクリュー。 「ふぅ。今日の買い出しはこんなところか」 「そうですね」  ポニータに頼まれた生活用品を全て買い、現在萌えもんセンターで休憩中。  目的の品を探すのに結構時間を使ってしまったので、時刻は既に1時を回っている。 「…そういえば昼食取ってなかったな。コガネデパートの屋上へ何か食べに行こうか」 「え? 屋上にですか?」 「あぁ。あそこには露店が出てて、軽く昼食取るには丁度いいからな」 「そうなんですか。…ふふっ。なんだかデートみたいで面白いですね」 「そうか?」  …言われてみれば、確かに傍から見ればデートに見えるかもしれない。  別に俺は全くそんな気はないのだが。 「…それより、どうだ? 街には慣れたか?」 「えぇ。おかげさまでだいぶ慣れました」 「そっか。まぁハクリューなら大丈夫だとは思ってたけどな」 「…どういう事ですか?」 「いや、ポニータ達と初めてコガネに来た時は酷かったからさ……」 「あぁ、そういう事でしたか」  …ホント、あの時はかなり酷かった。  コガネに着けば走り回るわ、デパートに入ればはしゃぎ回るわで、もう大変。  あんな事はもう二度と御免だ…… 「…で、昼食取った後はどうする?」 「え? もう帰るんじゃないんですか?」 「いや、な。さっきオニドリルに連絡したら、まだ迎えに行けないって言ってたからさ」 「そうですか……」  それにオニドリルに電話を入れた時、何か後ろが騒がしかった。  面倒事に巻き込まれるのは嫌だし、今はまだ帰るべきじゃないだろう。 「んじゃ、たまにしかこんな所来れないし、この際遊んでから帰るとするか」 「いいんですか? そんなことして?」 「俺達を置いて行ったアイツが悪い。今日ぐらい遊んだって別に構わないだろ」 「それならいいんですけど……」 「で、欲しい物とかあったら買ってあげるけど? 今回限りで」 「……」 「いつも苦労してる分、今日くらい羽目外したって問題ない」 「そうですか。それでは……」  一方こちらはリュウマの家。 「出来た……」 「出来たね……」 「出来上がりー……」  二度目の挑戦の末、無事に生チョコが完成しました。  ちょっと形が崩れてるところもあるけど、味は問題ないから大丈夫っ!  …たぶん。 「さて、チョコも完成したことだし、そろそろリュウのお迎えに行きますか」 「うん。行ってらっしゃいっ」 「気をつけてねー」 「はいな。じゃあちょっくら行って来るよ」  そう言ってドリちゃんはリュウ兄を迎えに行きました。  リュウ兄の喜ぶ顔、早く見たいなぁ……  …………。 「さて、コガネまで飛ぶ前に、リュウに連絡しとかないと」  首に下げている通信機のボタンを押し、リュウに電話をかける。  しばらく流れる電子音の後、相手が応答した。 『もしもし、オニドリルか?』 「あ、リュウ? 今から迎えに行くから帰る準備しといてよ?」 『おう。了解した』 『リュウマさん! これ、お願い……できますか?』 『あ、ちょっと待っててくれハクリュー。それじゃ、また後でなー』 「…え? あ、うん……」 『ブツン……ツー、ツー』  返事をした後、一方的に電話を切られてしまった。  …それにしてもさっきのリュウとハクの会話は一体何だったんだろう。  まさか、あたし達のいない隙に二人でキャッキャウフフと…… 「…リュウ……! 首を洗って待ってなさいよー!」  一方こちらはリュウマとハクリュー。 「ふぅ……ご馳走さまでした」 「これくらいならお安い御用。また機会があったら連れて行ってやるよ」 「本当ですか!? 是非お願いします!」 「おうよっ」  …ハクリューの欲しい物。それは意外にも、カフェでケーキを食べることだった。  まぁ元は田舎っ子だし、カフェとか入った事なかったんだろう。  まぁ喜んでもらえるならまた来てもいいかな、とか思ってたりする。 「…で、そろそろオニドリルが迎えに……」 「…ュウマ……」 「ん? 今誰かに呼ばれたような……」  しかも何か声が徐々に近付いてくる。  えーっと、これってもしかして、オニドリ…… 「かーくーごーしーろー!!」 「んぃ!? なんで――」 「はっ!? ここは一体……って、俺の家か。イテテテ……」  気が付いたら俺は自室のベッドに横たわっていた。  そしてなぜか知らないが、全身が痛い。  …えーっと、さっき何があったんだっけ?  確かコガネまで買い出しに行って、昼食取って、カフェに行って…… 「あ、リュウ兄! 起きたんだ。大丈夫?」 「あぁ、ポニータか。一応大丈夫だが、一体何があったんだ?」 「あ、うん。それについてはドリちゃんから……」  ポニータの後ろにはオニドリルがくっつくようについて来ていた。  …あ、思い出した。確か最後はコイツに…… 「…そう言えばお前に猛スピードで突っ込まれたんだっけな」 「あ…う……ゴメン! ホントにゴメン! あたしが早とちりしたばっかりに……」 「いいよ。もう気にしてないから」 「でも……」 「それ以上気にしたら本気で怒るぞ? いいな?」 「…分かった分かった。もう気にしない」  それに、しおらしいオニドリルなんて気持ち悪くて見てられないし。  …なんてことは決して口には出さないが。てか言えない。口が裂けても言えない。 「…それにしても相変わらずタフだね、アンタ」 「ま、それが俺の取り柄だからな。喜ばしい事じゃないとは思うが」 「なにそれ? 最早取り柄じゃないじゃん」 「…ねぇドリちゃん、そろそろ……」 「あ、そうだったね」  ポニータに言われ、忘れていた何かを思い出すオニドリル。  そして二人はそそくさと俺の部屋を出て行ってしまった。  が、しばらくした後、今度は手持ちの四人が揃って俺の部屋に入った来た。 「みんな揃ってどうしたんだ?」 「リュウ兄、今日は何の日か覚えてる?」 「今日? …えーっと、今日って何日だっけ、ポニータ?」 「もぅ……。今日は2月14日だよっ」 「ニブ……」 「ん? なんか言ったかオニドリル?」 「いや? 別にぃ?」  何か侮辱されたような気がするが、ここは黙っておく事にしよう。  変に突っ込むと後が面倒だし。  …んー、しかし2月14日か。特に思い当たる節はないんだが…… 「今日はバレンタインデーですよー? リュウマさーん」 「ん? あぁ、そう言えば」  …ラプラスに言われ、ようやく気付いた。  あまり俺に馴染みのない行事であるせいか、すっかり忘れていた……  何か騒がしいと思ったら、そういう事だったのな。今更ながら納得。 「そんなわけで、私達からチョコのプレゼントです。受け取って下さい」  そう言われ、ハクリューからきれいに包装された箱が渡された。 「いいのか? もらっても?」 「えぇ。みんなからのプレゼントです。是非もらって下さい」 「あぁ。ありがとな、みんな。後でいただくとするよ」 「お返し、期待してるからねー」 「私も期待してるねっ?」 「私もですー」 「わ…私も!」 「お前らなぁ……」  …どうやら今年のホワイトデーは、いつも以上に忙しくなりそうだ。  覚悟しておかないとな……  …翌日の早朝。 「おはようドリちゃん」 「あ、おはようポニ……」 「どうかしたのっ?」 「いや、実は昨日の製菓用チョコの袋捨てようとしてたら、賞味期限の日にちが……」 「賞味期限……って、まさかっ!?」 「うん。一年半過ぎてるんだよね、これが……」 「えぇっ!?」 「ま…まぁ、リュウの事だから大丈夫だよね! ほら! リュウ、タフだしさ!」 「…そっか。そうだよね」 ~あとがき~ こんにちは。ポエルです。 今回はバレンタインデーという事で、バレンタインネタを書かせていただきました。 毎度毎度締まりが悪くてごめんなさいっ! でもリュウマは簡単には死なないのでご安心を。そういう問題ではありませんが。 さて、今回ですが、ポニータ達がお菓子を作る描写が入っています。 が、実はあれ、実際にした私の失敗を元に書いてたりします。 チョコ刻み二刀流でキッチン汚したり…… チョコの溶かしすぎでドリンク状になったり…… 賞味期限が一年半過ぎてたり…… どれも良い思い出です(笑) それを萌えもん達で表現したらどうなるかな、という事で今回のこのSSが出来ました。 しかしラプラスの瞬間冷凍、実際に使えたらどれだけ便利なんでしょうかね…… …っとと、これ以上書くと止まらなくなりそうなので、この辺で止めておきますね。 では、いつもこんなSSを見ていただき、誠に有り難うございます。 これからも頑張りますので、よろしくお願いしますっ!

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