5スレ>>889-3

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sweet hideout 1-2b メロウ(ゴル姉)ルート ------------------------------------------------------------------ 【???】 「ま、待ってくれ! 君が俺に攻撃してくる理由が分からない!」   何とか宥めようと両手を上げて、 無抵抗を少女に示す。   【女の子】 「お、諦めて降参した? あたしとしては失神してたほうが助かるから……好都合よ!!」   【???】 「うあぁっ!? あちっ!! あちぃっ!!」   石をぶつけられたような衝撃と 油がはねて肌を焦がしたときのような痛みが 襲い掛かってきた。   必死の説得も空しく俺は地面に伏して呻き、 少女はしてやったりと思うように 不適な笑いを浮かべ、近づいてくる。   【???】 「…………」   ……どうしておれはこんな目にあってるんだ?   そしてこの娘はどうしてさも当たり前のように こんなことをしてくるんだ?   訳もわからないようなことが起きて、 困っているときに追い討ちを掛けるように やってきた少女に、何かが沸々と湧き上がってくる。   ゆら……   【女の子】 「む、まだ立つ元気が……」   【???】 「……にすんだこのチビイィィィィィ!!」   【女の子】 「ひっ……ひいぃっ……!?」   完全に頭にきた俺は、 少女に怒りの形相と怒号を浴びせた。   少女は意表をつかれたのか、びくぅっと 肩を震わせて、か細い悲鳴を上げる。   俺はそんなことお構いなしに、 少女の目の前まで、ゆっくりと、 けれど威圧感を携えて近づいた。   【???】 「人が嫌がることを平然とするな!! 森の中で火遊びをするな!! 火事にでもなったらどうする気だ!?」   【女の子】 「うぅ……うぅぅっ……!!」   【???】 「だいたい……俺はアンタからこんな仕打ち受ける筋合いないし、 なんだってこんなこと……!! ……って、あ……」   【???】 (や、やばい……ついカッとなって怒鳴り散らしちまった……)   正気に戻って少女を見ると、大粒の涙を溜めて 今にも泣き出しそう……というより泣く寸前だ。   【女の子】 「ふぇ……ふえぇっ……!」   【???】 「ちょ……ちょっとまって!落ちつ……」   【女の子】 「びえぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」   泣きながら森の奥へと逃げていく少女。   【???】 「うわぁ~……やっちまった~……」   いくら悪戯されて痛い思いしたからって あんな頭ごなしに怒ったら泣き出すことなんて 目に見えてたじゃないか……   俺は申し訳なさと、折角会えた人を 無下に引き離してしまったことに後悔した。   【???】 「うっ……痛うぅっ……!」   火の粉の当たったところが痛む。   ……仕方ない。ここにいても何も始まらないだろうから 水の音が聞こえた方に行くか……   -------------------------------------------------------------- 【???】 「せはぁっ、ぜはぁっ! や……やっと着いた……」   息を切らしながら辿り着いた水音の場所は、 透き通るような綺麗さを持つ渓流だった。   【???】 「けど……なんでこんなに遠いんだ……? 道らしい道もなかったし……」   ここに来るまで、 小さな山を山頂に登るくらいの道のりと険しい獣道を通ってきた。   最初にいた場所は大分遠くにあるのに どうしてそんな所から水音が聞こえたのだろうか。   【???】 「うぅ……喉渇いた……火傷も痛いし…… か、考えるのは後にして、喉を潤そう……!」   矢も盾もたまらず顔を揺れ動く水面に突っ込む。   ひんやりとした水の感触に身体を少し震わせながら 口の中へ水を押し込んでいく。   【???】 「っあぁ~! 生き返ったぁ~!! ……こんなにも水が美味いなんて、初めて感じた……!!」   【声】 「せやろ? ここの水はよう澄んどるから何杯でもいけるんや。 果実酒を造るときにも使われるんやで」   【???】 「へぇ~美味そうだなぁ、まだ酒飲める年じゃない……け……ど………」   【???】 「……………………」   ん? あれ? 何かおかしいぞ。   【声】 「ん? なんや急に黙りこくって……」   なんだかさっきから聞き慣れない声が背後から聞こえる。 まさか幻聴?   【声】 「もしもーし! ウチの声が聞こえてるかー!! レディーを無視なんて失礼やろが!!」   なんだか凄く馴れ馴れしいというか、 大雑把っぽい口調の声だ。 しかもそれでレディーだって主張してるし……   【???】 「……色々突っ込みたいことはあるけど、とりあえずは……」   【声】 「はぁ? 何ブツブツ言っとるんや?」   【???】 「人だー!!」   【青髪の女性】 「おわっ!? な、なんやねん、イキナリ!?」   人恋しさから大声を上げて喜ぶ、 相手の女性は俺のテンションに驚いているようだ。   がしぃっ!   不安が溜まっていたせいか、温もりを求めていたのか、 俺は出会いがしろのこの女性の手を握り、文字通り安心を手にする。   【青髪の女性】 「なっ?!」   【???】 「良かった! やっと(まともそうな)人に会えた!! なぁ、ここ何処なんだ!? キャンプ場に戻れる道知ってるか!?」   【青髪の女性】 「ちょ、もう……落ち着かんかい、自分!」   【???】 「うごっ!?」   困惑していた女性は俺の態度に呆れ、 握られていた手を解き俊足の速さで俺の頭をひっぱたく。   なんだか、彼女の口調からして、 ひっぱたかれたというよりツッコミを受けた感じもしたけど……   【青髪の女性】 「全く……何なんや、一人で興奮してからに…… それにキャンプ場ってなんや?」   【???】 「わ、悪い……嬉しくて舞い上がってて……はは…… ってキャンプ場を知らな……い………?」   同じ旅行客かと思って聞いてみたけど、 女性からは予想しなかった返事が来る。   まさか彼女も迷子なのかとも思ったけど、 それよりも彼女を見ていて違和感を感じる。   【???】 「さっきから気になってたんだけど、 アンタ、凄い色に髪を染めてるな…… 額にも石の飾りををくっつけてるみたいだし、何かのファッション?」   【青髪の女性】 「へ? これ自前やけど……染めてへんし、 この額のも飾りやのうて、ウチの体の一部やで?」   【???】 「え? 体の一部? ……いやまさか、冗談だろ? そんなのゲームのキャラでしか見たこと無いけど……」   【青髪の女性】 「なんやそのゲームっちゅうのは……? ウチはゴルダック種やから青髪と額の発光体は付いて当たり前や。 なんやさっきから変なことばっか言いよる奴っちゃな……」   怪訝な顔で俺を見てくる女性、 ……というよりこの人途中になんか変な単語言ってなかったか!?   【???】 「な、何だそのゴルダックって言うのは……? に、人間には確かに白人黒人とかがあるけど、 種族なんて無かった筈……」   【青髪の女性】 「ニンゲン……? ……まさ……か………」   【???】 「……?」   俺の言葉に対し、急に深く考え込みだした女性。   何か思うことがあるのか、目を細めて黙している。 けれどその表情はまた一変して、   【青髪の女性】 「知らんなぁ、ニンゲンとかいう種族なんて…… 代わりに、ウチの目の前にいるオスらしきアンタが、 グラエナ種っちゅう萌えもんなのはよう知っとるけどな」   【???】 「な……!? グ、グラエナ……もえもん………!? 俺はそんな知りもしない種族なんかじゃ……」   【青髪の女性】 「じゃあ、落ち着いて水面に顔をもってくんや、 水鏡でその顔が良く見える筈やで?」   【???】 「………」   俺は言われるままに岩場へ屈み込み、 透き通る水に自分の顔を寄せる。   【???】 「………犬の……耳……?」   長く伸びきった髪、 それはさっき目を覚ましたときに確認はできた。   しかし、俺自身が呟いた〝耳〟とは、 通常の位置にはなく前髪の後ろからぴょこんと二つ生えていた。   そう、人間の耳ではなく犬そのものの耳が……   【???】 (どうして……こんなもの……こんなことが……? ただ森で迷って……気を失って……それで……!?)   このような異質な体の変化を受け入ることができず、 必死に原因を探るために、出来事を順を追って思い出す、 そして行き着いたのは……   【???】 「あの声……!!」   そう……全ての出来事を知っているかのように聞こえてきた 少女の声、あれこそがこの不可解な事の発端だと考える。   【青髪の女性】 「…………」   【???】 「悪い。なんか俺、 急いで探さなきゃいけないものができちまった。 少しだけど、話に付き合ってくれてありがとな。それじゃ……」   俺は無言でいる女性に軽く会釈をして 意識を無くした時に聞こえてきた声の主を探そうと、 覚醒した場所へと戻るために足を……   【青髪の女性】 「ちょっと待ちぃや」   【???】 「ぶっ!? うぐぐぐぐ…!?」   いきなり首に強い圧迫がかかって 前に出そうとした足が息苦しさで一歩、 また一歩と後退していく。   【青髪の女性】 「まだウチの話が終わってへんのに 何処かに行こうとするとはアンタ、結構無粋なんやな」   【???】 「げほっ! ごほっ!! だ、だからって首掴んで止めること無いだろ!? 殺す気か!?」   【青髪の女性】 「なはは……悪い悪い。 でもなぁ、なんかワケありに見えて放っておけなかったんや。 アンタ、自分の顔見るなり驚いた顔と険しい顔してたからな」   【???】 「え……?」   確かにそんな顔をしていたとは思う。   けど大抵の人は そんな顔を見たら放っておくと思う、 なぜこの女性は引き止めたんだろう?   【青髪の女性】 「あんもう……鈍い奴っちゃなぁ…… ウチにも話してくれるかって言うとるんや。 なんか手伝えるかも知れへんやろ?」   【???】 「手伝う……? いや、でも……」   正直、自分ひとりで解決したいことだった。   夢みたいな場所での出来事だったから、 そのまま話しても夢だと片付けられるだろうし…… けど、この女性と話していると偽り無く話せそうな……   【青髪の女性】 「あーもう! まどろっこしいのは大嫌いや! ウチはアンタを手伝う、確定で決定や!! 連れも待たしとることやし、さっさと行くで!!」   【???】 「お、俺の意思は……? ……まぁ、いいか」   実際、ここまできた道のりから考えて、この森は相当広い。   さっきの場所に戻れるとは限らないし、 あの娘に鉢合わせになるのは正直ゴメンだ。   無理に自分の異変を詮索するより、 先ずは人気のある場所まで行くのがいいだろう……   ぴたっ   手を高らかに上げて歩き出していた女性の足が止まる。   【???】 「……? どうしたんだ?」   【青髪の女性】 「いやーウチな、実はここに水浴びに来てたんや。 仕事後やからさっぱりしたくてな…… そしたらアンタを見かけたからつい忘れてたんや」   【???】 「あぁ……そっか、そういや俺も火傷してるから ちょっと冷やしておきたかったんだよな……」   【???】 「アンタの後にでも入るから先に浴びててくれ。 その間少し離れた場所にいるからさ……」   強調するつもりはないけど覗くつもりはないという意思を 彼女に伝えようとする。   これから少し世話になるのに いさかいは起こしたくなかった。   【青髪の女性】 「えぇ~? そんなん時間もったいないわ。 一緒に浴びたらえぇやんか」   【???】 「え……えぇ!? ちょ、アンタ……何言い出すんだよ!? 俺は男で、アンタは女だぞ!? そんなことできる訳……」   必死に断ろうとする俺、けどこの女性はにっこりとしたまま、   【青髪の女性】 「なんや、照れてるんか? えぇやん減るもんでもなし…… ほれさっさと脱いで……」   【???】 「ちょ、よせ! やめろ! 俺の服に手を掛けるな!! き、聞いてんのかよ!?」   がさがさ……   【女の子】 「ゴル姉~、いつまで水浴びしてるの? 私、もう必要なだけの木の実見つけ……た………?」   【???】 「あ……」   【青髪の女性】 「あれ? アルやないか、なんやもう仕事終えたんか? まぁちょうどえぇか、ほれ、アンタも浴びて行きぃや」   ぷちっ   【女の子】 「何をやってるの!? アンタたちはぁぁぁ!!」   【???】 「ひぎいぃぃぃぃぃぃっ!!」   ---------------------------------------------------------------------- TO BE CONTINUED

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