5スレ>>895

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 ブースター。  別名、唯一王。  高い攻撃を持つのに強力なタイプ一致の物理技を覚えない。  鈍足である。  防御も低い。  同タイプでウィンディという強力な壁がいる等々等々。  そのバランスの悪い種族値とちぐはぐな技構成を皮肉ってかブースターという種族そのものに付けられた呼び名が「唯一王」である。  そんなトレーナー達の愛しさから付けられた不名誉な愛称を振り払わんと健闘するブースターが一匹居た。  鈍足なら一発耐えきればいいじゃない、と言わんばかりに相手萌えもんの特殊攻撃に耐え、  タイプ一致物理技が無いなら他のタイプの物理技を使えばいいじゃない、と言わんばかりに放つのは格闘タイプの物理技「馬鹿力」。  それでも耐えきった相手萌えもんに、ブースターは疾風の如く駆け抜けて「電光石火」で止めを刺す。   「次っ!」  勝利で得た意気込みは、次の瞬間に溜め息に変わった。  相手トレーナーが次に出してきた萌えもんはブースターという種族にとって大きな壁の一つである種族ウィンディ。  例え万全の状態であっても恐らくブースターでは勝つ事が出来ないであろう天敵である。  ブースターは自分のトレーナーである少年と視線を合わせた。  ブースターではウィンディに勝てないが、戦闘中に交代すれば後続の萌えもんはウィンディに一撃貰ってしまうことになる。  ならばどうするか、少年はブースターを捨て石に死に出しでシャワーズを出す事に決めた。  ブースターはそれを理解し、不満を言わず、せめて少しでもと「電光石火」でウィンディに特攻を仕掛ける。  それは僅かなダメージをウィンディに与えるも反撃の「インファイト」で叩き伏せられ、ブースターは倒された。  その後、ブースターが聞いた話では少年はこの後シャワーズを出し「波乗り」でウィンディを撃破。  このウィンディが相手トレーナーの最後の手持ち萌えもんであったので、少年の勝ちが決まったらしい。  場所を変わり、萌えもんセンターのロビー。  備え付けの回復装置でブースターとその他の萌えもんの治療を終え、少年はブースターをボールから出した。  元気になったブースターは何かを期待するような眼差しで少年を見つめ、少年はその視線に答えるようにブースターの頭を撫でる。   「頑張ったね、ブースター。」  既に何度も同じ言葉をブースターに掛けているが、ブースターはそれが嬉しいのが尻尾を振りながら少年に撫でられている。  まるで褒められた犬のようであるが、実際にブースターは犬のように主人に付き従っている。  主人に褒められたい。  主人の役に立ちたい。  主人の傍にずっと居たい。  その為ならば喜んで捨て石にもなる。  主人に捨てられるということを考えていない。  そんなブースターは、おずおずと、少年にある頼みをした。 「ねぇ、マスター。」 「ん?なんだい、ブースター。」 「お腹も撫でて欲しいな。」 「…あー。」  このブースターは少年に無防備な腹部を撫でられることも大好きだった。  しかしここは萌えもんセンターのロビーであり、周囲には少年の他にもトレーナーとその手持ち萌えもんが沢山居る。  流石に大衆の目がある前で萌えもんとはいえ女の子の腹を撫でるのは少年には恥ずかしかった。  付け加えて、ブースターばかり褒めるのは萌えもんトレーナーとして宜しくない。  ウィンディを倒したシャワーズの他、少年の手持ち萌えもん達も少年を勝たせる為にと頑張って戦った事には間違いないのだから。  だから少年はブースターにある約束事を取り付ける。 「宿泊施設に戻ったらお腹を撫でてあげるから、今は我慢して。」 「戻ったらお腹を撫でてくれるの?」 「うん、約束する。そろそろボールに戻ってくれるかな?」 「約束だからね!」  ブースターは張り切って、萌えもん自体の意気込みは全く関係無いのだが、ボールの中に戻る。   「~♪」  ボールの中でブースターは少年に腹部を撫でられるその時を想像し、機嫌良く鼻歌を歌う。  少年はブースターが中に居るボールを眺め、薄く笑った。  バランスの悪い種族値とちぐはぐな技構成等々の不遇の為に付けられたブースターに対する呼び名、唯一王。  少年はその呼び名とブースターという種族が持つ種族値のバランスの悪さを知っていた。  しかし、犬のように忠実なブースターを、少年は愛おしく思っており、ブースターを手放すつもりは僅かにも無かった。
 ブースター。  別名、唯一王。  高い攻撃を持つのに強力なタイプ一致の物理技を覚えない。  鈍足である。  防御も低い。  同タイプでウィンディという強力な壁がいる等々等々。  そのバランスの悪い種族値とちぐはぐな技構成を皮肉ってかブースターという種族そのものに付けられた呼び名が「唯一王」である。  そんなトレーナー達の愛しさから付けられた不名誉な愛称を振り払わんと健闘するブースターが一匹居た。  鈍足なら一発耐えきればいいじゃない、と言わんばかりに相手萌えもんの特殊攻撃に耐え、  タイプ一致物理技が無いなら他のタイプの物理技を使えばいいじゃない、と言わんばかりに放つのは格闘タイプの物理技「馬鹿力」。  それでも耐えきった相手萌えもんに、ブースターは疾風の如く駆け抜けて「電光石火」で止めを刺す。   「次っ!」  勝利で得た意気込みは、次の瞬間に溜め息に変わった。  相手トレーナーが次に出してきた萌えもんはブースターという種族にとって大きな壁の一つである種族ウィンディ。  例え万全の状態であっても恐らくブースターでは勝つ事が出来ないであろう天敵である。  ブースターは自分のトレーナーである少年と視線を合わせた。  ブースターではウィンディに勝てないが、戦闘中に交代すれば後続の萌えもんはウィンディに一撃貰ってしまうことになる。  ならばどうするか、少年はブースターを捨て石に死に出しでシャワーズを出す事に決めた。  ブースターはそれを理解し、不満を言わず、せめて少しでもと「電光石火」でウィンディに特攻を仕掛ける。  それは僅かなダメージをウィンディに与えるも反撃の「インファイト」で叩き伏せられ、ブースターは倒された。  その後、ブースターが聞いた話では少年はこの後シャワーズを出し「波乗り」でウィンディを撃破。  このウィンディが相手トレーナーの最後の手持ち萌えもんであったので、少年の勝ちが決まったらしい。  場所を変わり、萌えもんセンターのロビー。  備え付けの回復装置でブースターとその他の萌えもんの治療を終え、少年はブースターをボールから出した。  元気になったブースターは何かを期待するような眼差しで少年を見つめ、少年はその視線に答えるようにブースターの頭を撫でる。   「頑張ったね、ブースター。」  既に何度も同じ言葉をブースターに掛けているが、ブースターはそれが嬉しいのが尻尾を振りながら少年に撫でられている。  まるで褒められた犬のようであるが、実際にブースターは犬のように主人に付き従っている。  主人に褒められたい。  主人の役に立ちたい。  主人の傍にずっと居たい。  その為ならば喜んで捨て石にもなる。  主人に捨てられるということを考えていない。  そんなブースターは、おずおずと、少年にある頼みをした。 「ねぇ、マスター。」 「ん?なんだい、ブースター。」 「お腹も撫でて欲しいな。」 「…あー。」  このブースターは少年に無防備な腹部を撫でられることも大好きだった。  しかしここは萌えもんセンターのロビーであり、周囲には少年の他にもトレーナーとその手持ち萌えもんが沢山居る。  流石に大衆の目がある前で萌えもんとはいえ女の子の腹を撫でるのは少年には恥ずかしかった。  付け加えて、ブースターばかり褒めるのは萌えもんトレーナーとして宜しくない。  ウィンディを倒したシャワーズの他、少年の手持ち萌えもん達も少年を勝たせる為にと頑張って戦った事には間違いないのだから。  だから少年はブースターにある約束事を取り付ける。 「宿泊施設に戻ったらお腹を撫でてあげるから、今は我慢して。」 「戻ったらお腹を撫でてくれるの?」 「うん、約束する。そろそろボールに戻ってくれるかな?」 「約束だからね!」  ブースターは張り切って、萌えもん自体の意気込みは全く関係無いのだが、ボールの中に戻る。   「~♪」  ボールの中でブースターは少年に腹部を撫でられるその時を想像し、機嫌良く鼻歌を歌う。  少年はブースターが中に居るボールを眺め、薄く笑った。  バランスの悪い種族値とちぐはぐな技構成等々の不遇の為に付けられたブースターに対する呼び名、唯一王。  少年はブースターという種族が持つ悪名を知っている。  しかし、犬のように忠実なブースターを、少年は愛おしく思っており、ブースターを手放すつもりは僅かにも無かった。

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