2スレ>>402

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※注意(ぱんぽーん)    この作品以降シリアス・ダーク路線固定になります。  ギャクコメのほうがいいとか奇特な人がいたら叫んでくださいませ。  私達は遠い南の地で新種のポケモンを捕獲、研究の為に連れ帰った。 このポケモンを‘ミュウ’と名づけ、この部屋に閉じ込めた。 白い部屋に一人ぼっち、窓も明かりもないのに白く明るい狭い部屋。 研究のためとは言え、良心も痛む。 ただ一つ、音を立てるのは部屋の真ん中にあるメトロノーム。 こんな狭い部屋、この子には苦しみを与えるだけだろう……。 カチ、カチ、カチ、カチ…… 規則正しく鳴り続けてる。 ずっとその音だけが鳴り続けるこの部屋に……。 ―――  昔、この世界にはポケモンという生物種にあふれていたんだって。 でも今は萌えもん。 たった一人のポケモンが、人の遺伝子を組み込まれてかかった病気のせい。 そのポケモンも力がとても強いポケモンだったの。 ―――  私が産んだ、この部屋から出たいという強い想い、強い願い。 また静かな故郷で、仲間達と静かに過ごしたい想い、静かな願い。 その二つの破壊と静寂を望む願いがあふれ、私の中で破壊の意思が零れ落ちた。 溢れて零れた破壊の意思は、もう一人の私を生み出して。 新しい私は、生れ落ちたその刹那から‘私達’を閉じ込めた人を憎んで……。 怒りと憎しみに荒れ狂う力は壁を砕き、天井を突き破り……。 青く高い空を、またその目に焼き付けるのに十分過ぎる力を振るった。 ―――  その病気は強い宿主の力のせいか、強い感染力があったんだ。 他のポケモンに人の遺伝子を宿させ、姿を変異させる病。 かかったポケモンはみんな少しずつ萌えもんになってった。 そのうちみんな、ポケモンは萌えもんに変わってしまったよ。 ―――  私を捕えたニンゲンは私を‘ミュウツー’と呼んだ。 私の体をいじくりまわして、それを研究と呼んでいたよう。 毎日される‘チュウシャ’とかいうものが嫌い、される度に私が変わっていくから。 早く、早く私を解放しろ、人間の研究になど興味はない。 ただ私は‘ナカマ’と遊んでいたいだけだ。 幾日も過ぎて、私は力が抑えられなくなった。 人間が私に投与した薬のせいらしい。 愚かなものだと、逃げ惑う研究者を見下しながら思う。 一度自分達もやった事を、やり返されているだけだというのに。 私の怒りは黒い力となって、今も人を飲み込んでいる。 飲み込まれた人間は、黒い力になって、次の人間を飲み込んでいく。 静寂の意思は部屋から出てこない。 解放したはずだ、何故出てこない。 また人間が飲み込まれ……。 『親が死んだのを感知して暴れ始めたのか……!』 飲み込まれた人間の思念が流れ込んできた。 ―――  私は死ねない。 人が何をしても。 ‘抜け殻’が転がる壊れた部屋を見回し、破壊の意思をなだめる方法だけを思案する。 人間が私を呼ぶ時にいくつか名前があった。 今回のように‘ミュウ’またある時は‘セレビィ’もっと昔には‘ジラーチ’などとも呼ばれた。 姿を変え、幾度となく生まれ変わる私や仲間を人間は幻のポケモンとか言うらしい。 ―――  私が静寂に導かれて身を落ち着けたこの場所。 最初は自分の姿が変異するのが判った。 人の遺伝子が活性化していたのは、抑えきれなくなった日に判っていたが。 どうやらこの場所にいるもの全てに感染しているのか。 憎むべき人と同じ姿を水面に写し眺める。 この姿をあの場所の人間が見たらどう思うか。 もし研究者共が、コレを狙ってやったのなら賞賛に値するのだろう。 だが、された方が迷惑だとは考えなかったのか、……考えないだろうな。 人の遺伝子のせいだろうか、一人思いをめぐらせるのに表情が出てしまう。 私の世話をしてくれる回りの者達も、変異してから少し騒がしくなったか。 ……嫌な騒がしさではない、仲間と共に暮らすのはあの時からの願いだ。  それから数年、この憎むべき姿にも慣れたある日。 また見張りのゴルバットが騒がしい。 人間がこの場所に来るという。 数人、その人間に仕えているらしい変異した私達の仲間を連れて。 何も初めての事ではない。 萌えもんトレーナーなどと名乗るそいつ等を排除した事など幾度でもある。 人を憎む私を、静寂を望む私を、その手中に収める事が目的なのだと言うが。 闘争は、私の望むべき所ではない。 しかし、破壊の意思は争いを望む。 溢れ出した抑えきれぬ力を感じ、私は思う。 やはり人間などいらないのではないかと。 争いを好む人間などに捕獲される訳にはいかない。 思考を中断し、我等とは毛色の違う無機質な足音に向き直る。 人間をマスター・ご主人様など呼びながらこちらを見ている従者。 何故、人間に仕えその様に幸せそうな顔をする? あの日の静寂の意思の残した言葉が脳裏を掠める……。 ―――  静寂の意思が伝えた最後の言葉を思い出し、一人自嘲する。 『人間にもいい人はいる、私達を幸せにしてくれる人もいるよ。』 最後の言葉がそんな事でいいのかと、傷ついた我が身を癒しながら呟く。 人間を見る目が変わったのは確かだ。 あのトレーナーという人間達がここに来る度に人への認識を改めさせられる。 それでもまだ、信じる訳にはいかない。 私は人間を知らないのだから。 知りたいと好奇心はあるが……。 あれだけ憎しみに満ちた感情も、闘争を渇望する意思も。 長い月日を憎しみ続けるには、足りなかったのだろう。 生れ落ちてこれまでずっと憎しみと怒りに身をゆだねていたのだから……。 ―――  また監視が騒がしい懲りずにさっきの人間が来たとの事。 飽きない人間だ、これで5回目。 1ヶ月に1度必ず来る。 こんな事は初めてだった。 大抵のトレーナーという人種は恐怖により2度と来る事はなかったから。 何度でも排除してくれる、という想いと、何度でも来るといい、二つの感情を見つけた。 信じるに値する人間を見つけたら、好奇心に身をゆだねるのも悪くない。 憎しみと怒りだけを生きるのは……もう疲れた。 終
※注意(ぱんぽーん)    この作品以降シリアス・ダーク路線固定になります。  ギャクコメのほうがいいとか奇特な人がいたら叫んでくださいませ。  私達は遠い南の地で新種のポケモンを捕獲、研究の為に連れ帰った。 このポケモンを‘ミュウ’と名づけ、この部屋に閉じ込めた。 白い部屋に一人ぼっち、窓も明かりもないのに白く明るい狭い部屋。 研究のためとは言え、良心も痛む。 ただ一つ、音を立てるのは部屋の真ん中にあるメトロノーム。 こんな狭い部屋、この子には苦しみを与えるだけだろう……。 カチ、カチ、カチ、カチ…… 規則正しく鳴り続けてる。 ずっとその音だけが鳴り続けるこの部屋に……。 ―――  昔、この世界にはポケモンという生物種にあふれていたんだって。 でも今は萌えもん。 たった一人のポケモンが、人の遺伝子を組み込まれてかかった病気のせい。 そのポケモンも力がとても強いポケモンだったの。 ―――  私が産んだ、この部屋から出たいという強い想い、強い願い。 また静かな故郷で、仲間達と静かに過ごしたい想い、静かな願い。 その二つの破壊と静寂を望む願いがあふれ、私の中で破壊の意思が零れ落ちた。 溢れて零れた破壊の意思は、もう一人の私を生み出して。 新しい私は、生れ落ちたその刹那から‘私達’を閉じ込めた人を憎んで……。 怒りと憎しみに荒れ狂う力は壁を砕き、天井を突き破り……。 青く高い空を、またその目に焼き付けるのに十分過ぎる力を振るった。 ―――  その病気は強い宿主の力のせいか、強い感染力があったんだ。 他のポケモンに人の遺伝子を宿させ、姿を変異させる病。 かかったポケモンはみんな少しずつ萌えもんになってった。 そのうちみんな、ポケモンは萌えもんに変わってしまったよ。 ―――  私を捕えたニンゲンは私を‘ミュウツー’と呼んだ。 私の体をいじくりまわして、それを研究と呼んでいたよう。 毎日される‘チュウシャ’とかいうものが嫌い、される度に私が変わっていくから。 早く、早く私を解放しろ、人間の研究になど興味はない。 ただ私は‘ナカマ’と遊んでいたいだけだ。 幾日も過ぎて、私は力が抑えられなくなった。 人間が私に投与した薬のせいらしい。 愚かなものだと、逃げ惑う研究者を見下しながら思う。 一度自分達もやった事を、やり返されているだけだというのに。 私の怒りは黒い力となって、今も人を飲み込んでいる。 飲み込まれた人間は、黒い力になって、次の人間を飲み込んでいく。 静寂の意思は部屋から出てこない。 解放したはずだ、何故出てこない。 また人間が飲み込まれ……。 『親が死んだのを感知して暴れ始めたのか……!』 飲み込まれた人間の思念が流れ込んできた。 ―――  私は死ねない。 人が何をしても。 ‘抜け殻’が転がる壊れた部屋を見回し、破壊の意思をなだめる方法だけを思案する。 人間が私を呼ぶ時にいくつか名前があった。 今回のように‘ミュウ’またある時は‘セレビィ’もっと昔には‘ジラーチ’などとも呼ばれた。 姿を変え、幾度となく生まれ変わる私や仲間を人間は幻のポケモンとか言うらしい。 ―――  私が静寂に導かれて身を落ち着けたこの場所。 最初は自分の姿が変異するのが判った。 人の遺伝子が活性化していたのは、抑えきれなくなった日に判っていたが。 どうやらこの場所にいるもの全てに感染しているのか。 憎むべき人と同じ姿を水面に写し眺める。 この姿をあの場所の人間が見たらどう思うか。 もし研究者共が、コレを狙ってやったのなら賞賛に値するのだろう。 だが、された方が迷惑だとは考えなかったのか、……考えないだろうな。 人の遺伝子のせいだろうか、一人思いをめぐらせるのに表情が出てしまう。 私の世話をしてくれる回りの者達も、変異してから少し騒がしくなったか。 ……嫌な騒がしさではない、仲間と共に暮らすのはあの時からの願いだ。  それから数年、この憎むべき姿にも慣れたある日。 また見張りのゴルバットが騒がしい。 人間がこの場所に来るという。 数人、その人間に仕えているらしい変異した私達の仲間を連れて。 何も初めての事ではない。 萌えもんトレーナーなどと名乗るそいつ等を排除した事など幾度でもある。 人を憎む私を、静寂を望む私を、その手中に収める事が目的なのだと言うが。 闘争は、私の望むべき所ではない。 しかし、破壊の意思は争いを望む。 溢れ出した抑えきれぬ力を感じ、私は思う。 やはり人間などいらないのではないかと。 争いを好む人間などに捕獲される訳にはいかない。 思考を中断し、我等とは毛色の違う無機質な足音に向き直る。 人間をマスター・ご主人様など呼びながらこちらを見ている従者。 何故、人間に仕えその様に幸せそうな顔をする? あの日の静寂の意思の残した言葉が脳裏を掠める……。 ―――  静寂の意思が伝えた最後の言葉を思い出し、一人自嘲する。 『人間にもいい人はいる、私達を幸せにしてくれる人もいるよ。』 最後の言葉がそんな事でいいのかと、傷ついた我が身を癒しながら呟く。 人間を見る目が変わったのは確かだ。 あのトレーナーという人間達がここに来る度に人への認識を改めさせられる。 それでもまだ、信じる訳にはいかない。 私は人間を知らないのだから。 知りたいと好奇心はあるが……。 あれだけ憎しみに満ちた感情も、闘争を渇望する意思も。 長い月日を憎しみ続けるには、足りなかったのだろう。 生れ落ちてこれまでずっと憎しみと怒りに身をゆだねていたのだから……。 ―――  また監視が騒がしい懲りずにさっきの人間が来たとの事。 飽きない人間だ、これで5回目。 1ヶ月に1度必ず来る。 こんな事は初めてだった。 大抵のトレーナーという人種は恐怖により2度と来る事はなかったから。 何度でも排除してくれる、という想いと、何度でも来るといい、二つの感情を見つけた。 信じるに値する人間を見つけたら、好奇心に身をゆだねるのも悪くない。 憎しみと怒りだけを生きるのは……もう疲れた。 終 ――― 言い訳というか解説っていうか。 夢でこんなの見ちゃって寝起きで書き上げたんす。 寝起きの以上カオスってる文面なのでその辺は……orz ではまた……CAPRI

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