2スレ>>438

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ハロー皆さん、私はスピアー。 もともとはトキワの森で育ったビードルだったんだけど、とある人間と 旅しているうちに進化しちゃったの。 今回は、あの馬鹿・・・もとい、私のマスターとの思い出というか 私から見たあの馬鹿の話をしたいと思うの。 お時間のある方だけでいいから、どうか聞いてやって下さいな。 『 普通だったら、よかったのにね 』 えーと、まず 私を捕まえたあのへタレ・・・マスターはなんというか、よく分からない奴だったわ。 女のくせに男のような格好をしているし、すぐ泣くし、すぐ落ち込むし。 私たち萌えもんを捕まえていく人間は、ちょっとおかしな所はあるけれど 大抵は生き生きとしていて、自信を持っている人間が多いのに(と私は思う)。 だけどこの人間は、自分自身を卑下するのが美徳だとでも思っているのか 放っておくとどこまでも自信喪失していくという、困った癖を持っていたわ。 こいつがやること成すことも、どこか情けなかったと思う。 野生の萌えもんと出会う度に、おっかなびっくりといった風情で戦いを挑んで。 適度に弱らせて、さあ捕まえるチャンスだ! と思ったのもつかの間。 リュックの中から慌てて萌えもんボールを引っ張り出して、その間に逃げられたり。 (最初っから用意しとけよ、っていつも思ってた) 他の萌えもんトレーナーに勝負を挑まれたら、涙目でしぶしぶと応戦していたり。 (そこはハッタリでもいいから、  いかにも自信があるように振る舞えよ! っていつもツッコんでたっけ) 最初のころは「あーあ、私の人生終わったなあ」とさえ思った。 それぐらい、アイツは情けない人間だったわ。 でもまあそんな情けない奴だったからなのか、私たちを酷使することは滅多になかったわね。 それだけは評価できると思う。 なんとなく一緒にいるうちに、私たちの一言一句にさえ ビクビクと反応を示すこいつが、段々面白くなってきて 気がついたら、このへタレをよくからかうようになっていたっけ。 顔を真っ赤にしてあうあう言いながら反論してくる姿は、 いったいどちらが命令する側で、どちらが従う側なのか 判らなくなってしまうほど幼くて なんだか、手のかかる妹を持つお姉さんになった気分だったわ。 他の萌えもんの皆も、アイツのヘタレっぷりにはほとほと呆れていたけれど 心の底から嫌っていると言うわけでは、なかったわね。 (ピカチュウなんかは、アイツをしょっちゅう殴ったりしていたけど。  でも私から言わせてもらえば、あの子なりの照れ隠しみたいなものね) みんな結構いい奴で、旅は仲間が増えていくほどにぎやかに、楽しいものへと変わっていった。 でも、前へ前へと 次の町へと進んでいくほど 戦いは段々と厳しいものに変化していった。 へタレもへタレなりに戦いを学んで、必死に知恵をしぼって私たちに指示を与えてくれたわ。 私たちも負けるのはまっぴら御免だったから、全力でその指示に従い、戦った。 でも、へタレの努力も私たちの努力も、少しずつ限界を迎えていった。 悔しいけれど、属性の優劣差っていうものは 並大抵の努力じゃあ超えられない壁だったのよ。 そしてある日、へタレが私だけをこっそりと呼び出してきた。 いわゆる、戦力外通知 ってやつかしら。 でもね私、アイツのこと恨んでないわ。 何でって? だって、ごめんね、ごめんねって言いながら ボロボロ涙を流しながら、私に謝ってくるのよ? 普通のトレーナーだったら、そんなこと・・・ メンバー交代のことなんて、いちいち本人に報告せずに こう、ぽーん と 日常動作みたいに行っていることだっていうのに。 「私がもっと賢かったら、スピアーをメンバーから外さなくて済んだのに。  ごめんね、ごめんね。  スピアーのこと、嫌いになったわけじゃ、ないんだよ?  それだけは信じて?  ほんとに、ごめんね・・・」 なんて言われて、そいつを恨む度胸なんか、私にはなかったわ。 ・・・私は、必死にあの子をなだめたわ。 「大丈夫、大丈夫。  私にちょっと長いお休みをくれる、っていうだけじゃない。  お言葉に甘えて、ゆっくり休ませてもらうとするわ。  ほら、泣かないの。ちゃんと前を向きなさい。  いかにも自信たっぷりに、笑ってなさい。  あなたは、みんなのリーダーなんでしょう?  いつまでもそんなんじゃあ、新しいメンバーの子に笑われちゃうわよ?」 この子も、普通のトレーナーだったら良かったのに。 もしそうだったのなら、メンバーの入れ替えに対して こんなに悩み苦しむことなんてなかったでしょうにね。 大事なところで情を捨てきれず、自分に不利な選択を選んでしまうあの子。 今のこのご時勢、人間の世界ではそんな奴にほど 風がキツく当たることを、私は知っているから だから心配になってしまう。 情を捨てきれないあの子の甘さが、 いつかあの子自身の命取りになりませんようにと 今はただ、預けられた先のパソコンの中で願うばかり。
「あ~気持ちい~な~マスタ~」 「そうだな、やっぱり冬場に温泉は王道だ」 「だよな~、来てよかったわやっぱ  しかもこの後の酒がまた美味いんだってなぁ?」 「島名産の地酒が用意してあるそうだ、楽しみだな」 「全くだ、旅の疲れが癒えるなぁオイ  お、見ろよマスター、あれ、野性の萌えもんじゃねえか」 「さっき張り紙があっただろ、山の方から下りて来てるんだってな  ジュゴンなんかもう打ち解けて話してるぞ」 「そうだなぁ、いや全くもって色々な意味で実に開放的だよなぁ、マスター?」 「色々な意味ってのが大体理解できるが俺はそんなにジロジロ見たりしないぞ」 「あんれま、せっかく野性の萌えもんの裸がタダで見られるっつーのに  つまんねぇ性格してんなぁ、それともあたいらに気を使ってるとかかい?」 「男女別の大風呂でいいと思ったのに、  無理やり混浴を貸切にして押し込んだのはお前らじゃないか」 「けっ、男が混浴の二文字をガン無視するたぁどうかしてるって話だぜ」 「普通はビビって入れないだろ混浴とか、常識的に考えて  ……いやしかし、この光景は、改めて見ると凄いな」 「へっ、それならちょいと声でもかけてみるかい?  あのニドリーナとかマスターをちょっと気にしてるみたいだしよ、なぁマスター?」 「……そう思うんだったらその、ちょっと離してくれないか?  声かけようにも、身動き取れないじゃないか」 「何言ってんだい、絶対やーだね、離してやらねぇよ  この風呂の中のどの萌えもんよりあたいが勝ってることを  マスターに文字通り体で、証明してやるんだからなっ、マスター?」 「全然ゆっくりできない……」           「そういえばこの温泉乳白色だからバレることはないぞ、マスター」 「なにが大丈夫なのか知らないフリしてやるからちょっと黙れお前」

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