2スレ>>572

「2スレ>>572」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

2スレ>>572」(2007/12/20 (木) 23:49:57) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

[星のお礼] 「せっかく楽しみにしてたのになぁ」  もえもんセンターの一室、雨が降る外を見ながらナゾノクサが、残念そうに言った。 「来年の楽しみにすればいいじゃないか」  寝る準備をしながら、トレーナーが言う。 「う~でもぉ」  雨を降らせる雲を恨めしそうに、ナゾノクサは見ている。 「さあ、寝るぞ」  ベッドに入ったトレーナーがぽんぽんと、隣を叩く。  いつもならば、嬉しそうにやってくるナゾノクサは、名残惜しそうに窓から離れない。  もう一度、トレーナーが呼ぶと、しぶしぶ窓から離れ、ベッドに入る。 「見たかったなぁ天の川」 「明日、晴れたら見れると思うけどな?」 「でも七夕は今日だけだもん!   それに、織姫と彦星も年に一回しか会えないのに、くもってたら会えないよ。可愛そうだよ」  ナゾノクサは、一生懸命腕をぶんぶんと振り、主張する。  それを見たトレーナは、小さく苦笑。 「(雲の上はいつも晴れだから、会えてるんじゃないかなって思うのは、俺も成長した証なのかな)」  小さい頃は、ナゾノクサと同じことを言ってた、と思い出す。  でも、どうにもできなくて、ふてくされて寝たことも。 「(こりゃ、明日機嫌とるの大変そうだ)」  できることの少なかったトレーナーと違うのは、ナゾノクサには、現状をどうにかできる力があること。  何かを思いついた様子のナゾノクサが、ベッドから飛び出る。  そして、そのまま雨の降る外へと出て行った。  それを追ってトレーナーも外へ。傘を持って出たトレーナーの目に飛び込んできたものは、月。 「え? 雨は?」 「ますたー、ほらほら! 天の川!」  少し雨に濡れたナゾノクサが、空を指差し、嬉しそうに笑う。  空には、星が散りばめられ、幾千幾万それ以上の星が集まった川、天の川が。  トレーナーは、ようやく気づく。雲にぽっかりと、穴が広く開いていることを。 「なんで、切り取ったみたいに、穴が開いてんだ?」 「にほんばれを使ったの~」  嬉しそうに空を見上げながら、ナゾノクサは答えた。 「あ! 間違えて覚えさせた奴か!」  今日の昼、草タイプの技の効果が、上がると思って、ナゾノクサに覚えさせたことを思い出した。 「こんな使い方もできたのかぁ」  上機嫌に笑うナゾノクサを見ながら、子供の発想力の柔軟さに感心するトレーナー。 「これで、織姫と彦星も会えたよね?」 「ああ、きっと会えたよ」  仲間にも、見せようとモンスターボールを取り出そうとした時、 「あっ流れ星!」  ナゾノクサが、空を指差し、トレーナーに教える。  見上げた空には、たしかにいくつかの流れ星。  それは偶然か、それとも、想い人と会わせてくれた織姫と彦星からのお礼か。  わかることは、ナゾノクサが喜んでいることだけ。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。