3スレ>>15

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「外食ですー、ご主人様、楽しみですね」  俺とベトベターは手早く昼食を済ませる為にファストフード店に入った。  ……しかし、外食にするだけでこうも喜ばれると。  嬉しい反面悲しい。  ……俺の飯、不味いのかなぁ。 「あんまりはしゃぐなよ、まわりに人が居るのを忘れるな」 「はいご主人様。でも、楽しみで楽しみで」  やはりコイツの笑顔には弱い。  ファストフードなんて初めてどころじゃないのに俺も楽しみになってきてしまった。  ……癒し系?  おっと、ブザーが鳴ったぞ。 「んじゃ、ちょいとそこで待ってろ。持ってくるから」 「はい。いってらっしゃいですご主人様」  ほんの数メートルもないっつーのに、大げさだなぁ。  ……だめだ、俺今すっげぇニヤついてる。  一週間の内にべっとべとにされてしまったと言うことか。  ……字面で見ると汚いな。  商品を受け取り、ベトベターの元へと戻る。 「ほら、これがお前の分だ」  ベトベターにバーガー、ポテト、ドリンクを渡した。  目の前に置かれた初めての食べ物を見てベトベターの目が輝く。 「ご主人様! ご主人様ぁ!!」  はやくはやく、とまるで犬か何かのようにベトベターは俺を急かす。  慌てるな、なくなったりはしない、と落ち着かせつつ、自分の分も整える。  食事の合図を今か今かと待つベトベターを見ていると、ただでさえニヤけた顔が……。 「それじゃあ手を合わせて」 <バチンッ!!>  ベトベターは勢いよく手を合わせた――というより叩いた。 「――いただきます」 「い、いたらきまっ!!」  言えてない。言えてないぞベトベター。  ともあれ食事開始。が、 「ちょっと待ったー!!」  ベトベターが包みごとバーガーを食べようとしていたので全力でとめた。 「なんですかご主人様? あ、これはわたしのご飯ですよ?」 「いや、そうじゃなくて。それは、こうやって食べるんだ」  実演してみせる。  そして、一口。 「こんな感じだ(もぐもぐ」 「なるほど、この子は食べられない場所なんですねご主人様」  ベトベターの言う『食べられない場所』についてはそのうち話をしよう。 「こうして……こう! できました! ご主人様、できました!」 「よし、冷めないうちに食べろ(もぐもぐ」  ファストフードは冷めると食えたもんじゃないからな。  特に、出来立ての味をウリとする店なんかはね。  ベトベターは包みから姿を現したバーガーを見つめ…… <カプッ>  可愛らしい擬音と共にかぶりついた。 「……ごひゅじんひゃまぁ、ひゅごきゅおいひいでひゅ」  ちょっぴり涙目。感動しているようだ。  実は俺、この子の報告癖が実は気に入ってたり。  でもそこは男。天邪鬼な対応をとってしまう。 「いちいち報告しなくていいぞ。それに、行儀が悪い(もぐもぐ」 「はい、分かりましたご主人様(もぐもぐ」  素直結構。 「本当においしいです。今度から毎日来ましょうご主人様!」 「い や だ(経済的な意味で」  ベトベターと化学調味料、結構相性はいいのかもしれない。

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