3スレ>>87

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カタカタカタカタカタ… 「…ん?なんだ?」 腰につけていたボールがいきなり震え始めた。 俺はそれを取り出し、投げる。 出てきたのは、イーブイ。 「どうしたんだ?腹でも減ったか?」 「………(ふるふるふるふる)」 この子は無口なのかどうか知らんが、なぜかしゃべらない。 まぁそれでコミュニケーションの問題が今まであったかと思えば、それはない。 「じゃぁなんだ?次の街まではまだ結構な距離だぞ?」 「………。」 ぴょーん ぽふっ イーブイがいきなり飛びついてきたかと思いきや、俺の肩の上に乗っかってきた。 「~♪」 「おいおい何だよ、甘えたかっただけか。」 「……(こくり)」 時々こういうことがあるが、俺はそれで一向に構わない。 「ほんと、あまえんぼうと言うかなんと言うか…かわいいやつだな。」 「あひゃっ♪」 腰の辺りを軽くつついてやると、くすぐったそうに腰を捻らせ逃げる。 だが俺の手はその無邪気な腰を追尾する。 「…むーむー!」 負けじとイーブイは、俺の頬を引っ張ってくる。痛くはないが心地よい。 俺はマサキのコレクションを見てからと言うもの、あまりのインパクトに今も心を奪われ、脳は痺れている。 イーブイ… 七種の萌えもんに進化すると言われているが、そんなことはどうでもいい。 彼女の姿が、あまりにも衝撃的過ぎた。 残念ながら俺の図鑑はもう完成しない――申し訳ないな、博士。 「…ふぅ、そろそろ行くか。」 「……(こくり)」 予定外の小休止ではあったが、有意義な時間であった…… ガタガタガタガタ!! 「うおっ!…なんだなんだ!?」 一斉に腰につけたボールが震え始めた。残り五つのボール… 気づいたときには、5匹のイーブイがボールから現れ、一斉に飛び掛ってきた。 「ずるいのですよご主人たま♪わたしもしてほしいのです。」 「ちょっとー、ぬけがけすんなぁ!アタシが先よぉ!」 「はいはいうるさいですよ。ご主人様は私と遊びたいのよ?」 「ねぇねぇ、ぼ、ボクと遊んでくれるかな?」 「もういいんじゃない?いっそのことまとめてとりゃーだっ!!」 …俺は今、6匹のイーブイと旅をしている途中だった。 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 ぼふっ!! 遂には5匹のイーブイに押し倒され、地面に転がった。 「あははー♪楽しぃー♪」 「お、おい、こら!そんなところに乗るな!って!ちょ、お前顔の上にも、もがもが……」 「………(おろおろ)」 体は一つしかない。そんなまとめて相手するのは… ああ、でもまんざらでもないと思った俺はもう末期だな…

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