3スレ>>206

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「おーい、トウマ。ちょっと」  ばんごはんを食べてテレビをみていると、とうさんがぼくのなまえをよんだ。  テレビにむちゅうになっているミニリュウをそのままにしてとうさんのところへいくと、 「トウマ、もう決めたのか?」 「きめるってなにを?」 「そりゃもちろん―――」 ―――    さいきんとうまのようすがおかしい。  どうやらなにかをいっしょうけんめいかんがえているらしい。  ほんをみながらうんうんいっていたり、ノートになにかをメモしたりしている。  べつにそれはおかしいことじゃない。  とうまはけっこうこだわるひとだから、なにかをいっしょうけんめいかんがえるのはよくあること。  ただ、なにをかんがえているのかをおしえてくれない。  いちどノートをみようとしたけれど、あわててかくされてしまった。  きになる。    とうまのおとうさんとおかあさんにはみせて、そうだんしてるみたいなのに、  わたしにだけみせてくれない。  わたしだけなかまはずれにされてるみたい。  とうまのかぞくだけのひみつだから、かぞくじゃないわたしにはおしえてくれないのかな?  そうかんがえると、なんだかすごくさみしくなった。 ―――    こまった。なかなかうまくいかない。  とうさんがなにかしらべるときによんでいるほんをよもうとしたけれど、むずかしくてよめなかった。  とうさんは「ゆっくり考えればいいよ」っていってくれたけど、  こういうのははやいほうがいいにきまっている。    それとさいきんミニリュウがぼくがなにをかんがえているかをしりたがっている。  おしえてあげたいけれど、ちゃんとしたのができるまではおしえるわけにはいかない。  だって、これは―― ―――   「ねぇ、ちょっとまって」  ばんごはんをたべて、いつものようにテレビをみようとたちあがるととうまがわたしをよんだ。  そのことばに、とうまのおとうさんとおかあさんがすこしうれしそうなかおをする。 「なに?」 「はなしがあるんだけど……」 「うん、いいよ。なに?」  なんだかしんけんなはなしみたいだったので、いすにすわりなおして××のほうをみる。  とうまはすこしはずかしそうにしていたけど、すぐにかおをあげてはなしはじめた 「なまえを、あげようとおもうんだ」  あげようっていういいかたがすこしきになったけど、わたしはとりあえずうなずいた。 「うん。でもなにに?」 「きみにだよ」 「……え?」  わたしはおもわずぽかんとしてしまった。  そうしているあいだにとうまのはなしはつづいていく。 「ミニリュウっていうのはきみたちのしゅるいのなまえでしょ?  ぼくたちせっかくかぞくになったんだから、きみだけのなまえがひつようだとおもうんだ」  もしかして、とわたしはおもう。 「ねぇ、ずっとそれをかんがえてたの? わたしにだけおしえてくれなかったのも、そのせい?」 「うん。いじわるしてごめんね。  びっくりさせてあげたかったから―――わわっ」  とうまのことばがおわるまえに、わたしはとうまにだきついていた。  わたしになまえをくれることがうれしかったから。  わたしのことをかぞくだといってくれたことがうれしかったから。  そしてなにより、とうまととうまのおとうさん、おかあさんのきもちがうれしかったから。  かんじていたさみしさは、いつのまにかどこかにいっていた。 「それで、きみのなまえなんだけど」  わたしのからだをどうにかうけとめたとうまがこえをあげる。 「ミルトってなまえはどうかな?」  そのひから、わたしになまえとあたらしいかぞくができた。
「おーい、トウマ。ちょっと」  ばんごはんを食べてテレビをみていると、とうさんがぼくのなまえをよんだ。  テレビにむちゅうになっているミニリュウをそのままにしてとうさんのところへいくと、 「トウマ、もう決めたのか?」 「きめるってなにを?」 「そりゃもちろん―――」 ―――    さいきんとうまのようすがおかしい。  どうやらなにかをいっしょうけんめいかんがえているらしい。  ほんをみながらうんうんいっていたり、ノートになにかをメモしたりしている。  べつにそれはおかしいことじゃない。  とうまはけっこうこだわるひとだから、なにかをいっしょうけんめいかんがえるのはよくあること。  ただ、なにをかんがえているのかをおしえてくれない。  いちどノートをみようとしたけれど、あわててかくされてしまった。  きになる。    とうまのおとうさんとおかあさんにはみせて、そうだんしてるみたいなのに、  わたしにだけみせてくれない。  わたしだけなかまはずれにされてるみたい。  とうまのかぞくだけのひみつだから、かぞくじゃないわたしにはおしえてくれないのかな?  そうかんがえると、なんだかすごくさみしくなった。 ―――    こまった。なかなかうまくいかない。  とうさんがなにかしらべるときによんでいるほんをよもうとしたけれど、むずかしくてよめなかった。  とうさんは「ゆっくり考えればいいよ」っていってくれたけど、  こういうのははやいほうがいいにきまっている。    それとさいきんミニリュウがぼくがなにをかんがえているかをしりたがっている。  おしえてあげたいけれど、ちゃんとしたのができるまではおしえるわけにはいかない。  だって、これは―― ―――   「ねぇ、ちょっとまって」  ばんごはんをたべて、いつものようにテレビをみようとたちあがるととうまがわたしをよんだ。  そのことばに、とうまのおとうさんとおかあさんがすこしうれしそうなかおをする。 「なに?」 「はなしがあるんだけど……」 「うん、いいよ。なに?」  なんだかしんけんなはなしみたいだったので、いすにすわりなおしてとうまのほうをみる。  とうまはすこしはずかしそうにしていたけど、すぐにかおをあげてはなしはじめた 「なまえを、あげようとおもうんだ」  あげようっていういいかたがすこしきになったけど、わたしはとりあえずうなずいた。 「うん。でもなにに?」 「きみにだよ」 「……え?」  わたしはおもわずぽかんとしてしまった。  そうしているあいだにとうまのはなしはつづいていく。 「ミニリュウっていうのはきみたちのしゅるいのなまえでしょ?  ぼくたちせっかくかぞくになったんだから、きみだけのなまえがひつようだとおもうんだ」  もしかして、とわたしはおもう。 「ねぇ、ずっとそれをかんがえてたの? わたしにだけおしえてくれなかったのも、そのせい?」 「うん。いじわるしてごめんね。  びっくりさせてあげたかったから―――わわっ」  とうまのことばがおわるまえに、わたしはとうまにだきついていた。  わたしになまえをくれることがうれしかったから。  わたしのことをかぞくだといってくれたことがうれしかったから。  そしてなにより、とうまととうまのおとうさん、おかあさんのきもちがうれしかったから。  かんじていたさみしさは、いつのまにかどこかにいっていた。 「それで、きみのなまえなんだけど」  わたしのからだをどうにかうけとめたとうまがこえをあげる。 「ミルトってなまえはどうかな?」  そのひから、わたしになまえとあたらしいかぞくができた。

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