3スレ>>478

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「……なんだって?」 「はい、チャンピオンたってのご希望だそうです」 「まぁ……それならそれで有難い話か」 ――――― ――― ― 「やれやれ、四天王対策の二人が意味なしってことかい」 「……被害が最小限に留められたのなら問題はない」 「まぁそうだがそれなら始めから組み方を変えるところだったのに」 「あら、じゃあ私とラプラスは戦闘不参加ってわけ?」 「4人で戦うように組んできたからな、まぁそれももっともダブルバトルに持ち込めればだが……」 爺に勝ってこいと言われた以上負けて帰るわけにはいかない。 こういう組み方は好きじゃないが"あいつ"を想定しそれに特化したPTを組んだ。 あいつのところに給仕係としてハピナスが入ったということを聞いた瞬間にこの戦術を思いついた。 あのキュウコンははっきり言ってまともにやりあえる相手じゃない。 だがハピナスなら話は別だ。おそらくそれ以上の手持ちがないならハピナスをつぶせば2対1。 いかにあいつらが強くても、いかにあいつらが賢くても。 五感を奪い精神的に追い込めば勝機は見える。智略をもって落とす。 まぁ今回の勝負は俺とあいつの前哨戦ですべてが決まるようなもんだ。 基本チャンピオンのホームで戦う中こちらの有利なルールに持ち込む。 やれやれ……腹の探り合いからスタートってのも気分が悪いね、こっちの実力不足が原因だが。 「っと、いくぞ。話し合いで負けてシングルになったら出番はあるからその時は頼んだ」 「負け戦に出るのは気分が悪いわね……」 「そういうな、万が一。ってが世の中にはあるもんだ」 扉を開く。外の空気がトンネルに流れ込む。 ―二つの殺気と共に 「よぉ、久方ぶりだな。まさか顔パスとは思ってなかったが……過大評価じゃないかい?」 「……御託はいらん」 相変わらずの無愛想、前回と違い目はこちらを捉えているものの目的はバトル。 …こんな話し合いは嫌いってわけですか?悪いね、でももう少し続けさせてもらうよ。 「ところでだ。前回はそのハピナスがいなかったからシングルで勝負したわけだ。 だが今回はそちらも2人はいる。そこで形式をダブルバトルにしても― 「好きにしろ……」 ……よっぽど、俺じゃなくて「俺との勝負」に興味があるようだな。 「俺」はどうでもいいわけかい……? 「まぁそう言うな、決勝戦だぜ? こっちの言い分を受け入れてくれるのはいいが話に相手してくれても― 「ルールなんて要らないわよねぇ?戦えればそれでいいのよ」 「そうかい……戦えればそれでいいのかいこの戦闘狂がよぉ! じゃあダブルバトルにさせてもらうぜ!いいな!」 「……狐、ハピナス」 「キングドラ、ブラッキー……潰してこい」 今回こちらが多少卑怯な手段をとるとはいえ、こいつら相手なら楽しめると思った。 俺が間違いだったみたいだな、興ざめだよ。一気に潰させてもらうぜ…… 『公式リーグチャンピオンマッチ、開始』 主導権は与えない、最初から飛ばしてたたみかける! 「キングドラ雨乞い!ブラッキー距離を保持するんだ!」 「……ハピナス、狐の補助」 リフレクターが展開される。完全に補助に回ってキュウコンへの被害を留めようとしてる。 ここまでは手筈通り。なら…… 「キングドラ!」 一喝と同時にキングドラが前に詰め寄る。 「…………ッ! 耐えろ! 狐廻り込め!」 しめた、やはりダブルバトルに慣れてない。 そちらが二人ならこちらも二人。 トレーナーは"常に"相手二人に意識を払わなきゃ付け込まれるんだ…… このままこちらの手中に嵌ってもらうよ。 「キングドラ、引き剥がせ!」 水の波動でフィールド上の水を噴き上げる。 少なくとも水の中に飛び込む暴挙には出ないだろう。それならば確実に隔離完了。 だが相手はこちらと同格ではない、圧倒的に強いなら次の手は…… 「狐、吹き散らせ!」 「……軽く言ってくれるわね!」 雨ごと飛ばしにかかるキュウコン、あいつがこの雨がキュウコンへの攻撃と判断したのだろう。 キュウコンをつぶせなきゃこちらは勝てない。だからと言ってこちらがキュウコンから潰すと思うのか? まずは……一人! 「キングドラ!ハピナスを潰せ!」 「はぁぁぁぁ!!」 多量の水でこちらからはあちらの状況は見えない。が…… 「やって……くれます……!」 あちらのハピナスの声が通りにくい、攻撃は決まったのだろう。 「キングドラ、落とせ」 轟音と供にハピナス戦闘不能のアナウンスが流れる。 もうここはあんたたちのフィールドじゃない、あがいてもらうぞ……っ!

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