3スレ>>597

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「マスター、一つ聞きたいことが」 『何?』  相変わらず応答はノートかフラッグのマスター。  その背に負っているのは旅の必需品、食料、そして…… 「自転車、使わないのにどうして持ってるんですか?」  ただでさえマスターは丈夫な体とはいえないのに。  マスターは首をかしげて、?のフラッグを振った。 『使ってるよ? ニーナの特訓の時とか』 「確かに、ランニングの時追いかけてもらってますが、移動用にどうしてつかわないのかな、と」  カントー地方だけでも相当に広いのだから。  私が疑問をぶつけるとマスターは慌て始めた。 『ほ、ほら、自転車一台だし、ニーナがいるから』  字がクネクネとおどっているので動揺が分かりやすい。 「……」  あわあわ、という擬音が当てはまりそうな様子のマスターをじっと睨みつける。  そうするだけでマスターの落ち着きがなくなる。  弁解するように両手をバタバタさせたり、何かをノートに書いては塗りつぶす。  ふふ……。  あんまり遊びすぎるとマスターが可哀相なので、 「でもマスター、私ならボールに入れてくれればいいじゃないですか」  瞬間、マスターの動作が凍りついた。  慌てて面白かった顔にも一瞬にして冷静の二文字が戻ってくる。 『……とにかく、自転車は使わない』  マスターは自分の表情に気づいたのか、無理矢理笑みを浮かべた。  その顔を見ているだけで、私には黙って頷くという以外の選択肢は消え去ってしまっていた。  そして訪れる重い空気。  マスター、と一声かけようとするも、沈黙を破るだけの勇気が私にはなかった。  だが、世の中には、そんな沈黙を容易くぶち破る人間が居る。 「あら? そこの旅の方、トレーナーで御座いますの?」  私達の目の前に現れたのはお嬢様。  この辺りに屋敷はないはずだからちょっとした旅行なのだろう。 『そうだけど……?』  マスターがノート文字で返答。 「……」  予想通りにお嬢様は唖然とした表情を見せた。  マスターの攻撃は終わらない。  お嬢様の表情に疑問を抱いたマスターが第二の口、フラッグを振り始める。  その旗に描かれるのは?マーク。 「……まぁいいですわ。トレーナーならばわたくしと勝負なさい」 『……だって。どうする? ニーナ』  先ほどの沈黙は跡形もなく吹き飛んで、いつもの調子が戻ってくる。 「私達はやせいの萌えもんと戦わないのですし、受けるべきでしょう」 『わかった』  マスターはお嬢様の方へ向き直って、いつの間に書いたのか、すぐさまノートを見せた。 『その勝負受けて立ちます!』  お嬢様はノートを見て満足そうに笑みを浮かべた。 「少し準備がありますので、しばらくお待ちになってくださいな」  そして右手を上げた。 「は、何で御座いましょうお嬢様」  現れたのは、私の知らない萌えもんだった。 「ま、マスター……私、あの萌えもん見たことがありません。指示を下さい」 『いや、あれは萌えもんじゃなくて執事だよ』 「世の中って不思議ですね。ところで、執事とはどんな方なのですか?」 『彼らは……んーと……主の身の回りとかの面倒を見る人かな』 「成程……。で、ではマスター私もマスターの執事にしてください!」 『い、イキナリ何を言い出すの? 頭でも打った? ニーナ』 「何を言うんですかマスターこそ! 自分の萌えもんに」 『ニーナ、執事、っていうのは……』  あちらの二人の様子を窺うと、楽しそうに話をしているようだ。 「あの方達とバトルしますから、準備をして頂けますか?」 「了解しました」  執事はわたくしに一礼をするとすぐさま準備に取り掛かる。  ……これで準備は整いましたわ。  わたくしのデビュー戦。  お父様の言いつけで全国中継されることになっている。 「お嬢様、準備が完了いたしました」 「ご苦労。下がっていてくださいな」  は、と一言返し、執事は後ろに控えた。 「貴方達、準備の方は整いましたわ。お互い萌えもんは一人、道具は三つまででどうかしら?」 『……ちょっと待って』  ノート文字で返事をされた。  どうやら萌えもんのほうと相談をしているらしい。  仲の良いことだ。 『その条件で大丈夫!』  再びノート文字。あの方についてる口は飾りなのかしら。 「では行きますわよ! フーディン!」  もんすたぁボールを投げて萌えもんを出現させる。 「……どうした? 勝負か?」 「えぇ、デビュー戦ですわ。全力で行きなさい!」 「ふ、ようやく実践か。腕が鳴るな……」  フーディンが私を守るようにして前に立つ。  アチラ方が出してきたのはニドリーナのようだ。 「お嬢、相手はアイツでいいのかい?」 「えぇ、そのようですわね」 「だが毒タイプだぞ? 間違いではないのか?」 「聞いてみたらどうです?」 「いや、相手が毒タイプを出したことにしようか。お嬢の初戦を飾る為に」  そして試合は開始された。 長くなりそうなので一応前編です。 最初の二人の対話と、しりとりがやりたかっただけ。 後編は全部バトルです。

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