1スレ>>214

「1スレ>>214」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

1スレ>>214」(2007/12/07 (金) 23:33:12) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

そこは大きな発電所でした。 そこにはたくさんのコイルと、たくさんのビリリダマと、たくさんのピカチュウと、少しのエレブーとマルマインが住んでいました。 ですが、そのコイルは1人きりでした。 仲間のはずのたくさんのコイルたちは、いつも大勢で楽しそうでした。 発電所の鉄塔をぺたぺた叩いて回ったり、近くの山の上から一斉に飛び降りてみたり、寝ているピカチュウに静電気を浴びせてからかったり。 けれど、そのコイルは1人きりでした。 ――も一緒に遊びたいよと、そのコイルは仲間のはずの、同じ姿をした小さな子たちに近寄っていきます。 ですが、そのコイルが近づいていくと、仲間の姿はさっと散ってしまうのです。 ――は1人でいるよ、と、一緒にまとまる3人目を探している、コンビのコイルに近寄っていきます。 ですが、そのコイルが近づいていくと、コンビのはずの2人は、連結を解除して逃げてしまうのです。 だからいつも、いつまでもそのコイルは1人きりでした。 どうしてなのか分からないままに、そのコイルは長い間ひとりで発電所の隅のほうで、小さくなっていました。 大勢でいるコイルは平気ですが、ひとりのコイルはとても弱いのです。 いじめっこのマルマインや、からかい好きのエレブーに見付かると、いつも何かと絡まれてしまうのです。 ですからそのコイルは、隅のほうで小さくなっていたのです。 ある日、発電所に珍しい姿があらわれました。 帽子を被った、人間の男の子の姿でした。 腰にはいくつかの萌えもんボールを結わえ付け、手にはタウンマップを広げていました。 そのコイルには分かりました。あの男の子は萌えもん使いだと分かりました。 ときどきやってきて、自分の仲間を捕まえては、どこかへ連れて行ってしまうにんげんたちの、そのひとりだとすぐに分かりました。 ですが、どうしてでしょう。 いままで見てきた、捕まえられた仲間たちは、みんなみんな悲しそうで悔しそうにしていたのに、どうしてなのでしょう。 あの男の子の周りにいる萌えもんたちは、みんなとても楽しそうに見えたのでした。 大きなハクリューがいました。背中にはめがねときのこのパラセクトを乗せていました。 小さなダグトリオもいました。おだんごあたまが地面からひょこっと出ていました。 羽を広げたバタフリーが、少し上空を旋回していました。羽を閉じたモルフォンが、少し休憩と岩の上に座っていました。 そして、そのコイルと同じ姿をした子たちもいました。 3人トリオでした。くっついたり離れたり、ふわふわと舞うように、踊るように浮遊しながら、男の子の周りを回っていました。 男の子はその様子を楽しそうに見つめながら、手持ちの道具を確認していました。 その姿は、とても優しそうで、とても輝いて見えて、そのコイルは、思わずその前に飛び出していきました。 とたん、散らばっていた男の子のコイルが、3人組みに戻りました。 ぱちぱちと、花火の散る音がしました。コイルがレアコイルになり、電気を強く強く発している音でした。 他の5人も、そのコイルを警戒するように、男の子を中心に集まりました。 そのコイルは、ですが怖くありませんでした。真ん中に立っている男の子が、とても優しそうな目で自分を見てくれていたからでした。 男の子はいいました。 君はコイルかい? と、思っていた通りの綺麗な声で、そのコイルにいいました。 そのコイルはそうです、と頷きました。それに応じて男の子は、図鑑を開いて何かボタンを押しました。 少し待ち、小さく頷いて、違うよ、と男の子はそのコイルにいいました。 きみはメタモンだ。メタモンが元に戻る方法を忘れているんだよ。と、男の子はいいました。 その言葉の意味は、そのコイルには良く分かりませんでした。 ですが、とても大事なことを言われているのだということは分かりました。 ぼくに付いて来るかい? そう問いかけられました。ぼくについてきたら、元に戻す方法を知っている人のところに、連れて行ってあげるけれど。 元に戻るという言葉の意味は分かりませんでした。 ですが、そのコイルに迷いはありませんでした。 はい、と、そのメタモンは頷きました。 それに応えて、男の子も頷きました。 レアコイルがコイルに戻り、そのメタモンを抱えるようにして宙に浮かびました。 その姿は、まるでカルテットになったコイルのようでした。 おわり。 ---- 絵本風味で。挿絵とかついたら嬉しいなw

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。