3スレ>>634(1)

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>>587を見てムシャクシャして書いた。  反省はしていない! 関係的には、主人公の目が覚める前のifみたいな感じ? まぁ、長々と説明してもしょうがないんで、本編どぞん ************************************************** その時、観客席から、黒い塊のようなものが、タッツーに群がる人間達に向かって放たれた。 黒い塊は、恐ろしいスピードで人間達の目前に接近する。 その刹那、黒い塊は、まるで炸裂弾のように爆散した。 「ぎゃあっ!」 「ひいぃっ!」 直撃を受けたのは、人間のみ。 タッツーには怪我一つ無い。 それどころか、弾けた弾はまるで狙ったかのように彼女の枷を破壊し、彼女を自由にする。 「あっ……」 タッツーは自由になった肢体を必死に動かして、人の居ない場所へ逃げ込もうとする。 「逃がさんっ!」 それを見たカイリキーが、タッツーを捕まえようとする、が、 「ぎゃあああーー!!」 カイリキーの目の前に、先ほどより巨大になった黒い塊が現れ、襲い掛かった。 黒い塊の直撃を受けたカイリキーは、どう、と地面に倒れ付した。 先ほどまで熱気に沸いていた会場が、一気に静まり返った。 「……くだらん茶番だ、貴様らはこのような見世物でしか、自らを満たすことが出来ないのか?」 「なっ…」 人ごみの中から、重い、重い、人間とは思えないような、重厚な声が響き渡る。 そして、観客席の中から、一つの黒い影が飛び出す。 白く長い髪、漆黒の外套、顔を覆い隠すほどの、長く厚い真紅のマフラーをはためかせ、 声の主は舞台の上に降り立った。 「随分と悪趣味なことをしてくれるな……まぁ、先月潰した研究所よりはマシだが」 「あ、貴方は一体……」 震える声でライチュウが問う。 だが、ライチュウは今すぐにでも、ここを逃げ出したい衝動に駆られていた。 彼女の本能が告げる、 コイツは危険だ、早く逃げなければ…… 「我の素性など、どうでも良い。 それよりも……だ」 人物はライチュウの方を見ようともせず、右手を高々と掲げながら続ける。 「今宵、この場は悪夢となるぞ」 その一声と共に、人物の右手から暗黒が放たれた。 放出された暗黒は、一瞬にして会場全体に広がり、会場は暗黒の空間となる。 そして、 「うわあああぁぁぁぁ!! か、体が……」 「ひ、引きずり込まれ……助けてくれぇー!!」 次々と人間達が、暗黒に引きずり込まれていく。 しかし、その暗黒は萌えもん達を取り込もうとはしない。 萌えもん達は、それに気付くと、我先にと、この悪夢の場から逃げ出そうと駆け出していた。 いや、一匹だけは例外であった。 「い、いやぁ! なんで、なんで私まで!? 貴方の狙いは人間じゃないの!?」 会場の司会役となっていた萌えもん、ライチュウも暗黒の中に取り込まれようとしていた。 「何やら勘違いしているようだな……我の標的には悪しき心を持つ人間の他に、 仲間の萌えもん達を食い物にするような奴も含まれているのだ…… 貴様は、今まで多くの同胞達を生贄に、私腹を肥やしていたそうではないか」 「だ、だって……私のマスターが、そうしなければ私を捨てるって……!」 ライチュウの体が、首から下まで暗黒に飲み込まれる。 「そうか……だがな、我は別に直接手を下している訳ではない、 今、お前を暗黒に引きずり込んでいるのは、貴様自身の業なのだぞ?」 「え……?」 ライチュウが首だけを回して暗黒を見る、そこには 身代わりにした友が居た 見捨てた仲間が居た 売り払った家族が居た そして……遥か昔に捨て去った、昔の自分が居た。 それらは、ただ虚ろな眼でライチュウを見つめ、その体に群がっていた。 「いっ いやああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」 ライチュウの頭が暗黒に飲み込まれた。 「いやー、お見事お見事、大成功だねぇ♪」 舞台の中心に立つ人物に、捕らえられていた萌えもんの中の一匹、スリープが話しかけた。 「……これで、粗方の施設は潰したわけだな」 「そそ、今頃ロケット団の連中てんてこ舞いだね」 そう、この施設は、ロケット団の経営するオークション会場。 この人物は、ロケット団の収入源を断ち切るために、この施設を襲撃したのだった。 そして、このスリープはもともと、この人物の手引きをするために、捕らえられた萌えもん達の中に紛れ込んでいたのだ。 「でもさぁ……いつも使ってるエネルギーの3倍くらい放出したっしょ? こいつら一ヶ月は眼を覚まさないんじゃない?」 彼らの周りに転がる人間達。 その殆どは、苦悶の表情で眠っている。 そう、この人物が使った技は 『ダークホール』 生物を強制的に、悪夢の中に引きずり込む技だった。 「それでよい、特に素行が悪い者達は、1年は目を覚まさないようにしておいた」 「うわ、えげつなっ 1年間も悪夢見続けるわけ? 起きる頃には精神的に死んじゃってるんじゃないの?」 大袈裟に驚くスリープ、しかし、その表情には一片の憐れみも浮かんでいなかった。 「しかし まぁ、人気が無くて売られるなら、まだマシだよねぇ…… イーブイみたいに、希少で特殊な萌えもんは研究用に回されてさぁ………… そっちのほうが、よっぽど残酷だよねぇ? ……ねぇ!」 スリープが近く居た男の頭を蹴り飛ばす。 男は小さくうめき声を上げるが、眼を覚ますことは無かった。 「……スリープ、過ぎたことはもう修正することは出来無いのだぞ、 例えその元凶であった者を殺したとて、死んだ者は生き返らないのだ……」 「判ってるよ、そんなこと」 スリープはただ、血が滲むほど唇を噛み締めていた… 「そう言えばさ、こんな所に子供がいたんだけど、どうする?」 スリープが観客の中の一人を指差す、確かにその人間はまだ子供だった。 「欲望に満ちた大人の世界に、こんな少年が居るとは……世も末だな」 「う~ん……ドククラゲぇ……パルシェン……モルフォン……やめろぉ……死ぬぅ……」 「なんか、いやに楽しそーな悪夢見てるみたいだねぇ……コレ、どうする?」 「……ドブにでも捨てておけ」 その後、何故かタマムシのドブで眠りこけている少年が発見されたとか、されなかったとか……

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