3スレ>>675

「3スレ>>675」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

3スレ>>675」(2007/12/22 (土) 23:13:12) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

・ルナトーンの日記 ○月×日 不覚にもトレーナーに捕獲される。 今までずっと捕まらずに逃げてきたのに、悔しい。 唯一の救いは、私を捕まえたトレーナーが比較的寛容だった事だろうか。 お陰で、こうして普段はボールの外で自由に行動出来る。 日記を書きたいと言ったら、トレーナーは快くペンとノートを貸してくれた。 …でも、絶対に心なんて許す物か。 今まで散々私の仲間達を連れ去っていった奴の仲間なんかに。 ○月△日 …今日は兎に角疲れた。 何を血迷ったのか、あのトレーナーは私をバトルで使うつもりらしい。 冗談じゃない、何で私が…まあ、弱い相手を選んでくれた事には感謝するけれど。 ああ、もうダメだ、文が浮かばない。 ○月□日 今日も一日色んな場所を歩いた。 今までずっとともしび山から出た事が無かった私には、色々と新鮮だった。 …バトルで引きずり回されなければもっと良かったのだろうけど。 そういえば、私が相手の子に勝つとトレーナー…彼が私の頭を撫でてきた。 …馴れ馴れしい。 ○月▽日 今日は大きな船に乗った。 今まで私が居た、ともしび山のある島から遠く離れた場所に行くらしい。 …だが、それよりも驚いたのは、私が住んでいた島の大きさだった。 まさか、たった2日で歩き回れてしまう程度のモノだったなんて。 彼の話によると、これから行く場所はもっと大きな島だという。 私といえば、好奇心半分、恐怖心半分と言った所だろうか。 何がともあれ、明日が少し楽しみではある。 ○月∵日 明け方、港に着いた。 周囲を見ても陸地ばかりなのがとても新鮮だ。 彼曰く、此処は「クチバ」という場所らしい。 これから何処へ向かうのか尋ねると、セキエイ高原という場所へ向かうのだそうだ。 そう言えば、彼の連れている他の子達と今日初めて会話した。 彼女達はどうやら彼をとても信頼しているらしく、会話の中で沢山彼の事が出てきた。 まあ、確かに想像していたトレーナーと比較すれば彼は「お人よし」の部類に入るのかもしれない。 ○月■日 目的地へ向かう途中、バトルに参加していた子が進化していた。 青い髪のポニーテールの…同性の私から見ても綺麗な女の子。 彼女は、その姿から似ても似つかない…可愛らしく、しかし巨体な女の子になっていた。 心なしか、喋り方までおっとりしていたような気すらする。 …私は進化するのだろうか?と、彼に聞いてみると、苦笑しながら大丈夫だよ、と頭を撫でてきた。 子供扱いするなと言いたい。 彼はお人好しだが、頭を直ぐに撫でる癖は良くないと思う。 ☆月○日 目的地手前に差し掛かると、其処には何やら物々しい建造物があった。 所々に警備員が立っており、彼に「バッヂは?」と何度も尋ねていたが…一体此処は何なのだろうか。 周りの子達は何だか見慣れているのか堂々としていたけれど。 しばらく歩き、川を渡り、また歩くと今度は洞窟が見えてきた。 他には大きな岩壁があるだけ。 此処が目的地?と尋ねると、他の子は首を振って上を指差していた。 …どうやら、洞窟に入って登るらしい。 勘弁してほしいものだ。肉体労働は苦手なのに。 予想通り、洞窟の中は複雑に入り組んでいた。 妙な仕掛け、比較的強いトレーナー達。 …まあ、私と他の子達にとっては大した事は無かったのだけど。 数時間歩き、登りを繰り返していると、漸く洞窟を抜けた。 目の前には、立派な建物が。 どうやらリーグ、という場所らしい。 彼の目的地は此処だったようだ。 だが、今日は此処まで。私も疲れたし、彼も何やら準備があるようだから。 ☆月Э日 朝起きると、何時もはまだ眠っている筈の他の子が既に起きていた。 表情も何処か緊張したものに変わっていて、多少不安になる。 彼も準備を終えていたのか私達に歩み寄ると、今日やるべき事について説明してくれた。 どうやら彼はこのリーグのチャンピオンに挑むらしい。 此処はトレーナー達の頂点を目指す者が来るのだそうだ。 ただ、チャンピオンに戦いを挑むにはその前に4人のトレーナーを倒さねばならないらしく、今までのようにはいかないと彼は言っていた。 彼は、数週間前に此処に挑んだのだそうだ。 その時は4人のトレーナーを倒す所までは行ったらしいが、チャンピオンに手も足も出ずに叩きのめされたらしい。 …正直、チャンピオンは卑怯だと思う。 こちらは6人なのに、相手は実質30人なんて不利にも程があるじゃないか。 そりゃあ彼だって負けると言うものだ。 だが、そう言う私を彼は笑いながら、優しく撫でて。 「でも俺達は強いんだから、それ位のハンデは無いとな?」と、楽しそうに言っていた。 何故だか、撫でられていたのに嫌では無かった。 その後は…4人のトレーナーを問題なく撃破。 それぞれ使ってくる子に特徴があった物の、それに合わせてコチラが有利なように彼はバトルを導いていた。 こうしてみると、改めて彼の腕を実感する。 そして、問題のチャンピオンだが… …残念ながら、辛くも敗北してしまった。 私の油断に一因はあったのだと思う。 今まで敗北した事が無かったから、甘く見てしまっていた。 まさか、一撃で昏倒してしまうなんて。 目を覚ましたときには既に全てが終わった後。 何時もは元気な他の子達が項垂れ、彼の姿は無かった。 暫くして戻ってきた彼は笑っていたが…目元が真っ赤になっていた。 心配させまいとしていたのだろうが、あれでは逆効果だ。 …次は、絶対に負けないようにしよう。 流石に何度も泣かせるのはこちらも気分が悪い。 ああ…何時の間にか…私も、他の子達と似たようになって来てしまってるのかも知れない。 前の私なら、彼が泣いても何とも思わなかったはずなのに。 「…へぇ、こんなの書いてたんだ」 パタン、と日記を閉じる。 セキエイ高原から帰る為に、部屋の整理をしていたら出てきたこの日記だが…恐らくルナ(ルナトーン)の物だろう。 そっか、口数が少ない子だったけど…結構、信頼してくれたんだな。 それに心配までしてくれるなんて、正直ちょっと嬉しい。 「おい、入るぞ―――何を、読んでるんだ?」 「ん? 日記だけど。ホラ」 「…な…っ!! き、き、貴様…っ、わ、わわ、私の…私、の…っ!!! わっ、忘れろっ!!全て忘れてしまえぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」 …何時にもなく赤いルナの顔を見た瞬間、俺の意識はブラックアウトした。 後に残ったのは、ノートだった燃えカスと、廃墟と化した部屋、そしてボロ雑巾のようになった俺。 記憶に無いが、音を聞いて駆けつけたカイリ(カイリュー)達が二次災害を引き起こしたらしいが、それは別のお話。 教訓。人の日記は勝手に読まない事。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。