1スレ>>143

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注意 一.なんか萌えもんより目立っている人がいます 二.微エロ(?)注意 三.その場のテンションで書き上げ、誤字脱字も沢山あるかもしれません 四.色々おかしいのはご愛嬌ってことで ハナダシティ―― 水の萌えもんの使い手であるジムリーダー、カスミを擁するのどかな町である。 カントーでも有数の自転車店やデートスポットで有名なハナダの岬など名所も多い。 そんな町を、俺は再び訪れた。 目的は新たな仲間の育成……だったのだが。 「べべ、別にそんな訳じゃ……」 「強情ねぇ……。じゃあ、こうしてもいいのかしら?」 なんでこんな事になっているんだか。 --------- ふと、何の気もなしに立ち寄ったハナダジム。 非常に苦戦したカスミとの勝負を思い出していると、受付のお姉さんに捕まってしまい、カスミの前に差し出されてしまったのだ。 俺は別にいいと言ったのだが、一向に聞き入れられる事もなくズルズルと連れ去られてしまった。 確かに、ジム戦の後に色々と話もしたし、また来いとは言われたが、今日は心の準備が……。 そんな俺の言い分をよそに、俺の体は無慈悲に地獄への階段を上っていった。 「ピジョン、戦闘不能。勝者、ジムリーダーのカスミ」 カスミのもとに着いたとき、ちょうどジム戦が終わったところだった。 チャレンジャー潰しとも恐れられるカスミのスターミーは難攻不落の砲台として有名だ。 あの可愛らしい外見から放たれる、えげつないほど強力な攻撃は新人トレーナーの厚すぎる壁である。 よく勝てたな俺、なんて思っているとカスミと目が合った。 何で? と言わんばかりに硬直しているカスミに軽く手を上げて挨拶をすると、ふんっ、とソッポを向かれてしまった。 随分と嫌われたものだなぁ……。 苦笑しつつ、俺はジムリーダーの私室へと向かった。 「で、どうなの?」 「何が?」 差し出されたお茶とお茶請けの煎餅を齧りながらカスミの問いを問いで返す。 この返しにこめかみを軽くヒクヒクさせるおてんば人魚。 「旅に決まってるじゃないの」 それ以外で私が聞く事があると思ってるの? と言わんばかりにスパッと言われてしまった。 「順調だよ」 軽く答えると、お茶を含んで一息をつく。 そして、ハナダジムから後の話をし始めた。 クチバシティ、イワヤマトンネル、シオンタウン。タマムシシティからセキチク。そしてヤマブキ。 ヤマブキではナツメにこてんぱんにやられてしまった。 強力な物理攻撃を放てる仲間がいなかった為、フーディン相手に全滅してしまったのだ。 この件になると、カスミは大笑いを始めた。 曰く、 「あんたの研鑽不足よ。もっと修行することね。」 とのこと。事実だけにちょっと心が痛い。 そこから訪れたのは長い長い沈黙だった。 こっちが喋ろうにも、向こうが何かを言いたそうにうずうずしているのだ。 しばらく口をもぐもぐさせていたカスミが意を決して話し出そうとした瞬間 「随分素直じゃないのね」 モンスターボールが開き、一体の萌えもんが現れた。 出てきたのは、九つに束ねられたブロンドの髪の毛を持つ萌えもん――キュウコンである。 エリカ戦での大活躍に始まり、今や俺のパーティーには欠かせない大切な仲間である。 「『私の』ご主人様ともっと喋りたいなら素直に言えばいいのに」 私の、をえらく強調するキュウコンに、かわいそうにとカスミに同情するのはボールの中の萌えもん達。 あのタイミングも絶対狙ってたんだろうなぁ。 「ちょっと! なによ、『私の』って」 顔を真っ赤にしていきり立つカスミ。 何でそっちに怒るのかは知らんが抑えて抑えて……。 「あら、言葉どおりの意味なのだけれど」 してやったりの笑みを浮かべるキュウコンさん。 その言葉でさらに混乱するカスミはその笑みの意味するところにまったく気づかない。 挙句の果てには、 「ああ、あんた、ポ、ポケモン相手に何してんのよ」 こら、俺に矛先を向けるな。それにしてない。 さっきからクスクス笑みを絶やさぬキュウコンは、そのまま俺の背中にしだれかかってくる。 あまりの出来事にカスミは絶句。 俺は溜息。 そんな俺の肩にキュウコンの顎が乗っかって、俺はは思わず体を震わせた。 ここまで行くとカスミも黙ってはいなかった。 「いい加減に――」 「いい加減に……なにかしら?」 俺の肩越しにカスミを見つめて言葉を遮るキュウコン。 絶対狙ってるうえ、華麗に爆弾を投下してくれた。 「嫉妬でもしているのかしら?」 「――――!」 だからなんでクリティカルヒットしてるのかなぁ、もう。 顔を真っ赤にしてうろたえるカスミは、かろうじて言葉を搾り出すのに成功した。 「べべ、別にそんな訳じゃ」 アウト。 この程度じゃうちのキュウコンは止められない。 むしろ、あんな風に言葉に詰まればさらに加速してしまう。 カスミは火に見事に油を注いでいくれた。 ……被害を受けるのは俺なのになぁ。 「ふーん、じゃあ――」 そう言いつつキュウコンは俺の耳元に口を近づける。 炎タイプ独特の熱い吐息が俺の耳元を撫でていく。 「――こうしても別にかまわないわよねぇ?」 そのまま、耳たぶをかぷり。 あーっ! だとか、羨ましいだとか、代われだとかがベルトのボールから聞こえたかも知れんが、俺は何も聞いてない。聞こえてない。 舌のぬめりやちょっとしたざらざら感が俺の耳を侵食していく。 てか、こら。やめなさい。 舌の震えでわかる。こいつ絶対今笑ってる。 相変わらず人を弄ぶのが好きなやつだ。 鼻を鳴らし、吐息を漏らしながら俺の耳から離れようとしない。 いい加減くすぐったいんだけどなぁ。 しばらく、この部屋はキュウコンの吐息に支配されていた。 「な、なななななななな……」 「な?」 問い返す俺。 キュウコンも耳から口を離す。 うわ、べとべとだ。 「なにしてんのよーーー!!」 カスミが魂のシャウトを吐き出した。 あいや、ごもっともでございます。 「すまん、色々迷惑をかけた」 「気にしないでいいわ。半分はこっちの自爆だし」 ジムでのカオスな空間からようやく抜け出すことに成功。 まだキュウコンは隣で佇んでいるが、いつもの事なのでもはや気にしない。 そして、カスミの言葉に対しクスッと笑うのも、もうどうでもいい。 お二人にしか分からない話題で目と目で会話しているようだ。目が怖い。 「あんたがその気なら受けて立つわ。上等よ」 「あら、言っておくけど……。ライバルは多いわよ?」 そして勝手にしめないでいただきたい。正直俺はチンプンカンプンだ。 戸惑う俺を正面に見据え、カスミは臆することもなく言い放った。 「覚悟しなさい! あんたは私の初めてを奪ったんだからね」 ……はぁ? 混乱に陥った俺をジト目で非難するキュウコン。心なしかベルトのボールからもプレッシャーが飛んできている気がする。 いえいえいえいえ、心当たりはありませんよ? 頭が真っ白になった俺は、カスミが消えるとともに、夢遊病者のような足取りで萌えもんセンターに向かった。 ---------- 「初めて……」 カスミはそう呟くと、隣のスターミーに目をやった。 難攻不落の砲台。そう称されるほどに、このスターミーの実力は圧倒的だった。 高いスピード。豊富な攻撃技。 高度な戦略や高いセンス、あるいは萌えもんを育てる根気を見るにはまさにうってつけの萌えもんであった。 そのスターミーが本当の意味で負けたのはただの一度。それが、先ほどの少年相手のことだった。 一回目の挑戦はボロボロだった。いや、状態異常を駆使するなどのセンスはあった。 それでも押し勝った。カスミはこの時この少年に、ある予感を感じた。敗北の二文字の予感を。 そして近いうちに現実となった。 二回目の戦い。ピカチュウとフシギソウの二体にカスミのスターミーは敗れた。 他の挑戦者がスターミーがいないという幸運でブルーバッヂを掴むのに対して、その少年は正しくブルーバッヂをもぎ取ったのだ。 その後の活躍は、カスミも聞いていた。特に、ロケット団を潰した少年トレーナーの萌えもんの構成を見たときは驚いた。 あのときの名残はピカチュウ、フシギバナそれにピジョットしかなかったが、それでもあの少年だとカスミにはわかった。 日増しに自分の中で彼の存在が大きくなるのを感じながらも、カスミはその感覚が心地よかった。 でも…… 「勝てっこないわね。あれには」 不思議そうに首を傾げるスターミーを胸に抱いて、カスミはベッドに身を投げた。 ハナダの岬へ誘えなかった悔しさと、誘ったとしても自分そっちのけで修行に励むのだろうという予感から、 カスミは笑みを零した。 ---------- 「あぁ、今日はなんて日だ」 ポケモンセンターで宿を取り、ベッドで横になりながらも、少年の愚痴はやまなかった。 迂闊にハナダジムに寄ったが故に貴重な一日を浪費してしまった。 それもこれもキュウコンのせいだ。 いや、キュウコンに愚痴を言っても仕方ないか。 「ご主人様」 自分を呼ぶ声に反応して体を起こすと、キュウコンが窓際に座っていた。 折りしも今宵は満月であり、月光を反射して金色に輝く彼女の体が神々しく見え、 少年は思わず、言葉を失った。 そんな様子に気づいたキュウコンが意地の悪い笑みを浮かべた。 「見とれていたのかしら?」 否定できないだけに少年はぐうの音も出ない。 そんな少年の様子にキュウコンはクスクスと笑い少年の隣に腰掛けた。 「今日はちょっとやりすぎたわ」 「当たり前だ」 少年は即答した。 「あら、でも結構気持ちよかったんじゃない?」 妖艶な笑みを浮かべて顔を近づけるキュウコンを手で制しつつ、 くすぐったいだけだった、と答えを返す。 「でも、あんなことするなよ。今はまだ大丈夫だけど、うっかりお前達を襲ったらトレーナー失格だからな」 その言葉を最後にベッドに潜りこんだ少年に 「あなたなら……。私達は……」 言葉を紡ぎ、キュウコンもまたボールの中に戻っていった。 ――了―― 後書き カスミが異常に目立ってますがそこは気にしない方向で。いや、彼女も好きですよ。 軽くパーティを晒してますが気にしません。とりあえずキュウコンを嫁といいたいです。 本当ならキュウコンだけで話を進めたかったのですが、性格上他の人を絡めたかったので、カスミにご登場願いました。 頑張れカスミ。脈はない事もないかもしれないぞ。 分かってるとは思いますが、ウチのキュウコンはこあくまです。
注意 一.なんか萌えもんより目立っている人がいます 二.微エロ(?)注意 三.その場のテンションで書き上げ、誤字脱字も沢山あるかもしれません 四.色々おかしいのはご愛嬌ってことで ハナダシティ―― 水の萌えもんの使い手であるジムリーダー、カスミを擁するのどかな町である。 カントーでも有数の自転車店やデートスポットで有名なハナダの岬など名所も多い。 そんな町を、俺は再び訪れた。 目的は新たな仲間の育成……だったのだが。 「べべ、別にそんな訳じゃ……」 「強情ねぇ……。じゃあ、こうしてもいいのかしら?」 なんでこんな事になっているんだか。 ふと、何の気もなしに立ち寄ったハナダジム。 非常に苦戦したカスミとの勝負を思い出していると、受付のお姉さんに捕まってしまい、カスミの前に差し出されてしまったのだ。 俺は別にいいと言ったのだが、一向に聞き入れられる事もなくズルズルと連れ去られてしまった。 確かに、ジム戦の後に色々と話もしたし、また来いとは言われたが、今日は心の準備が……。 そんな俺の言い分をよそに、俺の体は無慈悲に地獄への階段を上っていった。 「ピジョン、戦闘不能。勝者、ジムリーダーのカスミ」 カスミのもとに着いたとき、ちょうどジム戦が終わったところだった。 チャレンジャー潰しとも恐れられるカスミのスターミーは難攻不落の砲台として有名だ。 あの可愛らしい外見から放たれる、えげつないほど強力な攻撃は新人トレーナーの厚すぎる壁である。 よく勝てたな俺、なんて思っているとカスミと目が合った。 何で? と言わんばかりに硬直しているカスミに軽く手を上げて挨拶をすると、ふんっ、とソッポを向かれてしまった。 随分と嫌われたものだなぁ……。 苦笑しつつ、俺はジムリーダーの私室へと向かった。 「で、どうなの?」 「何が?」 差し出されたお茶とお茶請けの煎餅を齧りながらカスミの問いを問いで返す。 この返しにこめかみを軽くヒクヒクさせるおてんば人魚。 「旅に決まってるじゃないの」 それ以外で私が聞く事があると思ってるの? と言わんばかりにスパッと言われてしまった。 「順調だよ」 軽く答えると、お茶を含んで一息をつく。 そして、ハナダジムから後の話をし始めた。 クチバシティ、イワヤマトンネル、シオンタウン。タマムシシティからセキチク。そしてヤマブキ。 ヤマブキではナツメにこてんぱんにやられてしまった。 強力な物理攻撃を放てる仲間がいなかった為、フーディン相手に全滅してしまったのだ。 この件になると、カスミは大笑いを始めた。 曰く、 「あんたの研鑽不足よ。もっと修行することね。」 とのこと。事実だけにちょっと心が痛い。 そこから訪れたのは長い長い沈黙だった。 こっちが喋ろうにも、向こうが何かを言いたそうにうずうずしているのだ。 しばらく口をもぐもぐさせていたカスミが意を決して話し出そうとした瞬間 「随分素直じゃないのね」 モンスターボールが開き、一体の萌えもんが現れた。 出てきたのは、九つに束ねられたブロンドの髪の毛を持つ萌えもん――キュウコンである。 エリカ戦での大活躍に始まり、今や俺のパーティーには欠かせない大切な仲間である。 「『私の』ご主人様ともっと喋りたいなら素直に言えばいいのに」 私の、をえらく強調するキュウコンに、かわいそうにとカスミに同情するのはボールの中の萌えもん達。 あのタイミングも絶対狙ってたんだろうなぁ。 「ちょっと! なによ、『私の』って」 顔を真っ赤にしていきり立つカスミ。 何でそっちに怒るのかは知らんが抑えて抑えて……。 「あら、言葉どおりの意味なのだけれど」 してやったりの笑みを浮かべるキュウコンさん。 その言葉でさらに混乱するカスミはその笑みの意味するところにまったく気づかない。 挙句の果てには、 「ああ、あんた、ポ、ポケモン相手に何してんのよ」 こら、俺に矛先を向けるな。それにしてない。 さっきからクスクス笑みを絶やさぬキュウコンは、そのまま俺の背中にしだれかかってくる。 あまりの出来事にカスミは絶句。 俺は溜息。 そんな俺の肩にキュウコンの顎が乗っかって、俺はは思わず体を震わせた。 ここまで行くとカスミも黙ってはいなかった。 「いい加減に――」 「いい加減に……なにかしら?」 俺の肩越しにカスミを見つめて言葉を遮るキュウコン。 絶対狙ってるうえ、華麗に爆弾を投下してくれた。 「嫉妬でもしているのかしら?」 「――――!」 だからなんでクリティカルヒットしてるのかなぁ、もう。 顔を真っ赤にしてうろたえるカスミは、かろうじて言葉を搾り出すのに成功した。 「べべ、別にそんな訳じゃ」 アウト。 この程度じゃうちのキュウコンは止められない。 むしろ、あんな風に言葉に詰まればさらに加速してしまう。 カスミは火に見事に油を注いでいくれた。 ……被害を受けるのは俺なのになぁ。 「ふーん、じゃあ――」 そう言いつつキュウコンは俺の耳元に口を近づける。 炎タイプ独特の熱い吐息が俺の耳元を撫でていく。 「――こうしても別にかまわないわよねぇ?」 そのまま、耳たぶをかぷり。 あーっ! だとか、羨ましいだとか、代われだとかがベルトのボールから聞こえたかも知れんが、俺は何も聞いてない。聞こえてない。 舌のぬめりやちょっとしたざらざら感が俺の耳を侵食していく。 てか、こら。やめなさい。 舌の震えでわかる。こいつ絶対今笑ってる。 相変わらず人を弄ぶのが好きなやつだ。 鼻を鳴らし、吐息を漏らしながら俺の耳から離れようとしない。 いい加減くすぐったいんだけどなぁ。 しばらく、この部屋はキュウコンの吐息に支配されていた。 「な、なななななななな……」 「な?」 問い返す俺。 キュウコンも耳から口を離す。 うわ、べとべとだ。 「なにしてんのよーーー!!」 カスミが魂のシャウトを吐き出した。 あいや、ごもっともでございます。 「すまん、色々迷惑をかけた」 「気にしないでいいわ。半分はこっちの自爆だし」 ジムでのカオスな空間からようやく抜け出すことに成功。 まだキュウコンは隣で佇んでいるが、いつもの事なのでもはや気にしない。 そして、カスミの言葉に対しクスッと笑うのも、もうどうでもいい。 お二人にしか分からない話題で目と目で会話しているようだ。目が怖い。 「あんたがその気なら受けて立つわ。上等よ」 「あら、言っておくけど……。ライバルは多いわよ?」 そして勝手にしめないでいただきたい。正直俺はチンプンカンプンだ。 戸惑う俺を正面に見据え、カスミは臆することもなく言い放った。 「覚悟しなさい! あんたは私の初めてを奪ったんだからね」 ……はぁ? 混乱に陥った俺をジト目で非難するキュウコン。心なしかベルトのボールからもプレッシャーが飛んできている気がする。 いえいえいえいえ、心当たりはありませんよ? 頭が真っ白になった俺は、カスミが消えるとともに、夢遊病者のような足取りで萌えもんセンターに向かった。 「初めて……」 カスミはそう呟くと、隣のスターミーに目をやった。 難攻不落の砲台。そう称されるほどに、このスターミーの実力は圧倒的だった。 高いスピード。豊富な攻撃技。 高度な戦略や高いセンス、あるいは萌えもんを育てる根気を見るにはまさにうってつけの萌えもんであった。 そのスターミーが本当の意味で負けたのはただの一度。それが、先ほどの少年相手のことだった。 一回目の挑戦はボロボロだった。いや、状態異常を駆使するなどのセンスはあった。 それでも押し勝った。カスミはこの時この少年に、ある予感を感じた。敗北の二文字の予感を。 そして近いうちに現実となった。 二回目の戦い。ピカチュウとフシギソウの二体にカスミのスターミーは敗れた。 他の挑戦者がスターミーがいないという幸運でブルーバッヂを掴むのに対して、その少年は正しくブルーバッヂをもぎ取ったのだ。 その後の活躍は、カスミも聞いていた。特に、ロケット団を潰した少年トレーナーの萌えもんの構成を見たときは驚いた。 あのときの名残はピカチュウ、フシギバナそれにピジョットしかなかったが、それでもあの少年だとカスミにはわかった。 日増しに自分の中で彼の存在が大きくなるのを感じながらも、カスミはその感覚が心地よかった。 でも…… 「勝てっこないわね。あれには」 不思議そうに首を傾げるスターミーを胸に抱いて、カスミはベッドに身を投げた。 ハナダの岬へ誘えなかった悔しさと、誘ったとしても自分そっちのけで修行に励むのだろうという予感から、 カスミは笑みを零した。 「あぁ、今日はなんて日だ」 ポケモンセンターで宿を取り、ベッドで横になりながらも、少年の愚痴はやまなかった。 迂闊にハナダジムに寄ったが故に貴重な一日を浪費してしまった。 それもこれもキュウコンのせいだ。 いや、キュウコンに愚痴を言っても仕方ないか。 「ご主人様」 自分を呼ぶ声に反応して体を起こすと、キュウコンが窓際に座っていた。 折りしも今宵は満月であり、月光を反射して金色に輝く彼女の体が神々しく見え、 少年は思わず、言葉を失った。 そんな様子に気づいたキュウコンが意地の悪い笑みを浮かべた。 「見とれていたのかしら?」 否定できないだけに少年はぐうの音も出ない。 そんな少年の様子にキュウコンはクスクスと笑い少年の隣に腰掛けた。 「今日はちょっとやりすぎたわ」 「当たり前だ」 少年は即答した。 「あら、でも結構気持ちよかったんじゃない?」 妖艶な笑みを浮かべて顔を近づけるキュウコンを手で制しつつ、 くすぐったいだけだった、と答えを返す。 「でも、あんなことするなよ。今はまだ大丈夫だけど、うっかりお前達を襲ったらトレーナー失格だからな」 その言葉を最後にベッドに潜りこんだ少年に 「あなたなら……。私達は……」 言葉を紡ぎ、キュウコンもまたボールの中に戻っていった。 ――了―― 後書き カスミが異常に目立ってますがそこは気にしない方向で。いや、彼女も好きですよ。 軽くパーティを晒してますが気にしません。とりあえずキュウコンを嫁といいたいです。 本当ならキュウコンだけで話を進めたかったのですが、性格上他の人を絡めたかったので、カスミにご登場願いました。 頑張れカスミ。脈はない事もないかもしれないぞ。 分かってるとは思いますが、ウチのキュウコンはこあくまです。

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