3スレ>>715

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―――こうして、何とか話を聞いてもらえる状態にまで持ちこむことは出来たのだが 「・・・」 こう向かい合って座っていると、いかんせん話が切り出しにくい。 この場合、自己紹介をしてから互いの関係を再確認するのが良いのだろうが・・・ いざ実践となると変に緊張して黙ってしまうのは自分の悪い癖だ 「もう、あたい達に話ってなに?」 先ほどの一悶着とはうって変わり、少々不満げに首を傾げるエレキッド。 カラカラはただただこちらを見つめているだけだが、言わんとしていることはおそらく彼女と同じだろう 「―――ああ、悪かったよ。これからお前達の主になろうって奴が、最初っからこんな調子じゃ駄目だからな」 しかしまあ、何ともさり気ない伝え方をしてしまったものだ。 だが2人共ボールから出るなり急に襲いかかってきたぐらいの気性を持つ者、そう簡単に受け入れてくれるとは――― 「うんうん、でも約束は約束だもんね」 「私達の・・負けです」 少し拍子抜けした感じはあったものの、2人の快い返事に対しては素直に安心していたりする。 だが、何か彼女達の返答に引っかかる部分があるのは気のせいだろうか 「その、少し聞きたいんだが―――」 「なにー?」 「・・・?」 直感的に嫌な予感がした。 特に悪い意味ではなく、してやられたという意味で 「約束だの勝ち負けだの、お前達は捕まえられたのが嫌で俺に襲いかかったわけじゃないのか?」 「うんっそれはね」 「私達を捕まえた御方が、初めにボールから外に出した者を奇襲して気絶させる事に成功すれば・・・また外へ帰してくれると」 「ただし一発限定でね。出来なかったら、大人しくそいつを主と認めてやってくれってさ」 続く言葉を促すようにエレキッドがカラカラの肩をポンと叩けば、カラカラは凛とした表情で自分達の境遇を説明する。 どうやらお互いに顔見知りらしいが、それよりも問題は親父だ 「何が今日捕まえたばかりで人には馴れていない・・・だ」 またしても、あの靴下ベトベトンに謀られた。 よくよく考えてみれば、モンスターボールに収まった萌えもんが急に人に襲いかかること自体がおかしかったのだから 「?――どしたの、ご主人。急にorzって横文字が並んだようなカッコしちゃってさ」 「それに、お顔が優れないようですが?」 「ほっといてくれぃ・・・」 よし、こいつらの初任務は親父の顔に当人の靴下を乗せてやることから始めてみようかと。 一瞬本気で思った―――

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