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「3スレ>>803」(2008/03/10 (月) 18:59:18) の最新版変更点
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双子島、グレン島へと続く海に面し、カントー最大のサファリパークを保有する町、セキチク。
チャンピオンリーグを目指す俺と萌えもん達は、6つ目(順序では5つ目になるらしいが)のバッジ、ピンクバッジを手に入れるためにここにやってきた。
サイクリングロードからずっと乗ってきた自転車から降りて、自然の多い街並みを眺める。
「なんか、自然の多い町だな…」
『萌えもんもいっぱいいるね、マスター』
『うみのかぜが、きもちいいです』
ベルトの左側についているボールから、ピカチュウとロコンの声が聞こえる。
というか、ロコン。ボールの中は気候は関係しないはずなんだが。
「だな。サファリパークや海もあるし、図鑑も集められそうだ」
「ヤマブキでは、ほとんどデータも集まらなかったもんね!」
「まぁ、あの辺りは萌えもんが住めそうなところなんて無いからな…それとフシギソウ、いい加減ボールに戻ってくれ。運転しにくいんだぞ」
「やだ、まだ戻らないー!」
自転車の前籠に座り込んでいるフシギソウは、先ほどまでサイクリングロードでひたすらはしゃいでいたくせに、
全く疲れているという様子には見えない。実際疲れていないだけかもしれないが。
「いいから戻れ、他のみんなは大人しくボールにいるのにお前だけ…う」
…っと、何だ?今一瞬、目の前が暗く…
『ふむ、疲れがたまっているようだ。…まぁ、無理もない。ヤマブキでは格闘道場、シルフカンパニー、ジムと連戦だった訳だからな』
「だから休んでいこうって言ったのに。マスター、みんなが何言っても上の空で、
暴走族にぶつかるし、気にぶつかるし、ドードーにぶつかるし、挙句の果てに池に落ちるし」
「う…平気だよ、これくらい。それに、あそこにいつまでも留まってると、ロケット団の報復が来る可能性があるだろ」
俺の健康状態を的確に指摘してくるフーディン。確かに、格闘道場での修業、ヤマブキジムでのナツメとの戦い、
そして何より、ヤマブキシティを占領していたロケット団の撃退。今までにない戦闘の連続で、俺の肉体と精神は完全に消耗しきっている。
出来る事ならしばらくヤマブキに留まって休息したい所だったが、ヤマブキやその周辺の都市には、ロケット団が根城としていた場所が多い。
シルフカンパニーでの出来事を受け、もし俺たちに追手がかかってきたら――
そのことを考えて、俺はタマムシで手持ちの萌えもんの回復と物資の補充だけを大急ぎで済ませて、サイクリングロードを降りてきた訳だ。
『でも、ここなら追手も無いでしょうし…ジム戦やサファリの前に、しばらく休まれてはどうですか?』
「…そうだな、そうしよう。ありがとう、シャワーズ」
いえ、とボールの中のシャワーズが頬を染めてうつむく。その可愛らしさにまた軽い眩暈を覚えてしまう。
『全く、見せつけてくれるものだね』
『マスターとシャワちゃん、ラブラブー』
『らぶらぶ、ですね…』
「あー、うるさい!とりあえずセンター行くよ、もう日が暮れる!」
ボールの中からの冷やかしを受けながら、俺は自転車を押してポケモンセンターへ向かった。
――思えばこれが、始まりだったのかもしれない。
* * *
1日目 - ロコン -
昨日までの疲れのせいか、俺は夕食を食べると猛烈な眠気に襲われた。
仕方ないので、センターの部屋に戻ってさっさと風呂に入って寝ることにする。
後の事はまぁフーディンとシャワーズに任せよう。俺がいない時はこの二匹がパーティを纏めてくれるから、俺が眠った後も安心だ。
…何が安心なのかは知らないがな。
脱衣場でさっさと服を脱いで、シャワーを浴びる。湯船につかる前に体を洗え…って、誰の教えだっけな。
「母さんじゃないのは確かなんだけど」
と、ちょうどシャワーを止めたところで、脱衣場のドアが開く音が聞こえた。
「ま、ますたー…」
「ロコン?どうかしたのか?」
「え、っと、あの…」
「…どうした?フシギソウがふざけてつるのムチで叩いてくるのか?フーディンが知らないヤツと念で交信してるとか、
シャワーズがテレビ見て泣きだしたとか、ひょっとして、ピカチュウがまた冷蔵庫壊したのか!?」
「ち、ちがいます…」
…ええ、全部過去に実際にありました。まぁ、もし何かあった時はたいていフーディンが念で直接意識を飛ばしてくるんだけど。
ロコンは5匹の中でも一番慎重…というか、臆病な性格で、マサキのところから預かった時も、
ピカチュウやフシギソウ(当時はフシギダネ)、俺に対してもかなりおびえていた印象がある。
いつもビクビクしているように見えるが、これでも相当マシになった方だ。
「あの、ますたー」
「ん、何?」
「いっしょに、おふろはいってもいいですか…?」
…ナンデスト?
一応言っておくと、俺の手持ち萌えもんはすべて♀だ。タマゴを産んで育てるとはいえ、体のつくりはヒトとそこまで変わらない。
つまり、あんな所やそんな所も人間と一緒なわけだ。
今までも、風呂は萌えもんだけで入っていた。(ピカチュウとロコンとフシギソウ・フーディンとシャワーズの二組で)
「…えーと、ロコン?なんで、そんなこと言うのかなー?」
「ピカチュウもフシギソウさんも、うみにあそびにいっちゃったです…シャワーズお姉ちゃんは、『あの二人だと危ないですから』ってついていって…
フーディンお姉ちゃんは『夜の散歩に出てくる』ってでていきました…」
「みんなが帰ってくるまで待てない?」
「はい…なんだかすごく、さむい、です…」
…どうしよう、どうする、どうするよ俺!?つづ…いや、このまま続くけど!
てか、何でこのタイミングでみんな出ていくんだよ!シャワーズ、頼むから止めてやってくれよ!
あとフーディンも空気読んで残るなりなんなりしてくれよ!何でコイツらみんな常識から微妙にズレてんだよ!?
…いや、それよりも今の問題をどうするかだ。
ロコンは寒がりだ。(炎タイプなのに…いや、炎タイプだからこそ?)しかも、部屋には誰もいない。
孤独な時の寒さと言うのは増大する。臆病なロコンならなおさらだ。
「ますたー…おねがいです…」
「わかった、入っていいよ。タオルはちゃんと巻いてな」
「はい…!」
嬉しそうに答えたロコンが、大急ぎで服を脱ぐ音が聞こえてくる。
…落ち着け、落ち着くんだ俺…KOOLだ、KOOLになれ、俺…!!
それほど間をおかずに、風呂場の扉が開いた。
「しつれいします…」
「ど、どうぞ」
ロコンはちゃんと常識を分かってくれていた。ちゃんと大きなタオルを体に巻きつけて、体を隠している。
…けど、あどけない顔に浮かぶ恥じらいと、細くてすべすべした足を見ているだけでちょっと、なんというか、キツイ…
タオルの奥のの体つきは、年相応の控え目な…
「ますたー?」
「いや、何でもない。とりあえずお湯かけるから、そこ座って」
「は、はい」
落ち着け、落ち着くんだ俺…K(ry
「ほれ、目ぇつぶってー」
「ん…」
椅子に座ったロコンの後ろに座って、風呂桶にとったお湯をかけてやる。
いつもはふわふわとカールしている髪が、濡れてストレートになるのはなかなか珍しい光景だ。
しかし、艶のある髪を見ていると、思わず別な欲望が湧き上がってきた。
「よし、ロコン。頭洗ってやろうか?」
「え?」
「遠慮するなよ、せっかくだ。滅多にないだろ、こういうの」
「は、はい…おねがいします…」
「ああ、任せてくれ」
シャンプーを手に取り、まずは髪を洗う。あまり痛くないように気を遣いながら、毛先までしっかりと。
ロコンに一言声をかけて泡を流し、後はトリートメントを塗りこんでいく。
「でもロコン、きれいな髪してるよな」
「え、そう…ですか?」
「ああ、お前と初めて会った時も言ったけど…」
髪の質って生まれつきなんだよな。才能…とはちょっと違うけど、
萌えもんでも髪とか肌の個体差ってあるのかな。今度博士に聞いてみるか。
「よし、終わり。あがる前に忘れずに流せよ?」
「あ…ありがとう、ございます…」
「どういたしまして」
「じゃあ、つ、つぎはわたしがますたーのあたまをあらいます」
「ウェ!?」
い、いや、落ち着け、落ち着くんだ(ry
ロコンにとっては当然の事なんだ、いつもフシギソウやピカチュウと洗いっこしてるらしいし…
け、けど今の俺にとってはこれはヤバい!彼女には悪いが、ここは心を鬼にして…
「ロコン、悪いけど…」
「ますたーは、わたしにあらってもらうのいやですか…?」
「い、いや、全然そんなことはないよ?それじゃあ、お願いしようか」
「はい!」
断れるわけなかった。だって、しょうがないだろ?
あんな可愛い娘に泣きそうな顔であんなこと言われて断れるやつなんているか!?いないよな!?
俺は悪くない、俺は悪くないんだ…
* * *
「ど、どうです、か?きもちいい、ですか?」
「ああ、最高だよ、ロコン」
…これ、会話だけ抜き出したらすっげぇ危ないよな?
けど、ホントに気持ちいい。ロコンの細い指が髪を丁寧に洗ってくれている、その感覚が。
誰かに頭を洗ってもらうのって、すっげぇ久しぶりな気がする。
けど、気持ちいいだけに俺の理性も危険な訳で。
もう後は引き金を引いたら暴発しかねないほどにまで精神が高ぶっているのが分かる。
…暴発したら…とりあえず海に身を投げよう。
「ますたー、おゆ、ながします」
「あ、ああ」
どうやら終わりらしい。泡を洗い流し、ロコンが後ろから声をかけてくる。
「ますたー、きもちよかったですか?」
「気持ち良かったよ。ありがとな、ロコン」
「えへへ…」
くっ、どこまで俺の理性を削りたいんだお前はっ!
「ま、ますたー」
「な、何だ?」
「つぎはからだをあらってあげますね」
「あ、悪いなロコン。俺もう体は洗ったんだ。先にあがるから、ちゃんと体洗ってお湯につかれよ?
肩までつからないと風邪ひくからな。ちゃんと50数えるんだぞ?」
「は、はい…」
「じゃあお先に!ありがとうな、ロコン!」
…死ぬ。俺の理性とか誇りとかその他いろいろなものが殺される。
二の句を継がせず風呂場から飛び出し、服を着がえてベッドへ入る。…髪が濡れているが、そんなの関係ねえ。
あの場にあれ以上いたら、ロコンが俺の毒牙にかかることになってしまう。
俺はなんとか眠ろうと努めたが、瞼を閉じるとどうしてもロコンの潤んだ瞳とすべすべした肌と髪が思い出されて、結局なかなか眠りにつけなかった。
キャラ紹介
・マスター ♂
チャンピオンリーグを目指す主人公。個性的なパーティに四苦八苦しながらも、うまくまとめている。
ヤマブキシティでロケット団と全面対決した際、何か思う事があったようだ。
・ロコン ♀
パーティの末っ子ポジション。幼い性格と見た目に反して、実力は高い。マサキから入手。
会話がすべてひらがななのは、幼さの強調のため。見づらくてすみません。
・ピカチュウ ♀
ロコンと同じくらい幼いが、こちらは活発。やはり実力は高い。ちなみに、マスターは技をある程度覚えたら石を使う予定らしい。
今回は空気。フシギソウと気があうらしい。トキワの森で入手。
・フシギソウ ♀
パーティ最古参。実力も5人中トップ。生意気でマスターをよく困らせるが、信頼はされている。
今回はやっぱり空気。もちろん、最初の一匹である。
・フーディン ♀
パーティでは最も新参ながら、頭脳明晰なこともありまとめ役を務める。マスターや仲間の状態にいつも気を配っている。
なぜか喋り方がえらそう。ナツメの所にいたが、マスターになついてパーティに加わる。
・シャワーズ ♀
マスターの事が大好きな水タイプ。得意技はとける。タマムシで入手。
今回は空気。そうは見えないかもしれないが、彼女はこの話のヒロインです。
「ただいま、ロコン」
「おかえりなさい、フーディンおねえちゃん」
「マスターはどうだったかな?」
「あたまをあらってくれました…わたしもあらってあげました…
けど、とちゅうであがっちゃいました」
「ふむ、やはり幼女に手を出すほどではないか(ボソ)
ところで、他のみんなはどうしたんだい?」
「まだ、です…」
「あいつら…目的を忘れて遊んでるな?仕方のない奴らだ。
ロコン、留守番を頼む。私はみんなを迎えにいく」
「はい。いってらっしゃい、おねえちゃん」
「ああ、行ってくるよ」
双子島、グレン島へと続く海に面し、カントー最大のサファリパークを保有する町、セキチク。
チャンピオンリーグを目指す俺と萌えもん達は、6つ目(順序では5つ目になるらしいが)のバッジ、ピンクバッジを手に入れるためにここにやってきた。
サイクリングロードからずっと乗ってきた自転車から降りて、自然の多い街並みを眺める。
「なんか、自然の多い町だな…」
『萌えもんもいっぱいいるね、マスター』
『うみのかぜが、きもちいいです』
ベルトの左側についているボールから、ピカチュウとロコンの声が聞こえる。
というか、ロコン。ボールの中は気候は関係しないはずなんだが。
「だな。サファリパークや海もあるし、図鑑も集められそうだ」
「ヤマブキでは、ほとんどデータも集まらなかったもんね!」
「まぁ、あの辺りは萌えもんが住めそうなところなんて無いからな…それとフシギソウ、いい加減ボールに戻ってくれ。運転しにくいんだぞ」
「やだ、まだ戻らないー!」
自転車の前籠に座り込んでいるフシギソウは、先ほどまでサイクリングロードでひたすらはしゃいでいたくせに、
全く疲れているという様子には見えない。実際疲れていないだけかもしれないが。
「いいから戻れ、他のみんなは大人しくボールにいるのにお前だけ…う」
…っと、何だ?今一瞬、目の前が暗く…
『ふむ、疲れがたまっているようだ。…まぁ、無理もない。ヤマブキでは格闘道場、シルフカンパニー、ジムと連戦だった訳だからな』
「だから休んでいこうって言ったのに。マスター、みんなが何言っても上の空で、
暴走族にぶつかるし、木にぶつかるし、ドードーにぶつかるし、挙句の果てに池に落ちるし」
「う…平気だよ、これくらい。それに、あそこにいつまでも留まってると、ロケット団の報復が来る可能性があるだろ」
俺の健康状態を的確に指摘してくるフーディン。確かに、格闘道場での修業、ヤマブキジムでのナツメとの戦い、
そして何より、ヤマブキシティを占領していたロケット団の撃退。今までにない戦闘の連続で、俺の肉体と精神は完全に消耗しきっている。
出来る事ならしばらくヤマブキに留まって休息したい所だったが、ヤマブキやその周辺の都市には、ロケット団が根城としていた場所が多い。
シルフカンパニーでの出来事を受け、もし俺たちに追手がかかってきたら――
そのことを考えて、俺はタマムシで手持ちの萌えもんの回復と物資の補充だけを大急ぎで済ませて、サイクリングロードを降りてきた訳だ。
『でも、ここなら追手も無いでしょうし…ジム戦やサファリの前に、しばらく休まれてはどうですか?』
「…そうだな、そうしよう。ありがとう、シャワーズ」
いえ、とボールの中のシャワーズが頬を染めてうつむく。その可愛らしさにまた軽い眩暈を覚えてしまう。
『全く、見せつけてくれるものだね』
『マスターとシャワちゃん、ラブラブー』
『らぶらぶ、ですね…』
「あー、うるさい!とりあえずセンター行くよ、もう日が暮れる!」
ボールの中からの冷やかしを受けながら、俺は自転車を押してポケモンセンターへ向かった。
――思えばこれが、始まりだったのかもしれない。
* * *
1日目 - ロコン -
昨日までの疲れのせいか、俺は夕食を食べると猛烈な眠気に襲われた。
仕方ないので、センターの部屋に戻ってさっさと風呂に入って寝ることにする。
後の事はまぁフーディンとシャワーズに任せよう。俺がいない時はこの二匹がパーティを纏めてくれるから、俺が眠った後も安心だ。
…何が安心なのかは知らないがな。
脱衣場でさっさと服を脱いで、シャワーを浴びる。湯船につかる前に体を洗え…って、誰の教えだっけな。
「母さんじゃないのは確かなんだけど」
と、ちょうどシャワーを止めたところで、脱衣場のドアが開く音が聞こえた。
「ま、ますたー…」
「ロコン?どうかしたのか?」
「え、っと、あの…」
「…どうした?フシギソウがふざけてつるのムチで叩いてくるのか?フーディンが知らないヤツと念で交信してるとか、
シャワーズがテレビ見て泣きだしたとか、ひょっとして、ピカチュウがまた冷蔵庫壊したのか!?」
「ち、ちがいます…」
…ええ、全部過去に実際にありました。まぁ、もし何かあった時はたいていフーディンが念で直接意識を飛ばしてくるんだけど。
ロコンは5匹の中でも一番慎重…というか、臆病な性格で、マサキのところから預かった時も、
ピカチュウやフシギソウ(当時はフシギダネ)、俺に対してもかなりおびえていた印象がある。
いつもビクビクしているように見えるが、これでも相当マシになった方だ。
「あの、ますたー」
「ん、何?」
「いっしょに、おふろはいってもいいですか…?」
…ナンデスト?
一応言っておくと、俺の手持ち萌えもんはすべて♀だ。タマゴを産んで育てるとはいえ、体のつくりはヒトとそこまで変わらない。
つまり、あんな所やそんな所も人間と一緒なわけだ。
今までも、風呂は萌えもんだけで入っていた。(ピカチュウとロコンとフシギソウ・フーディンとシャワーズの二組で)
「…えーと、ロコン?なんで、そんなこと言うのかなー?」
「ピカチュウもフシギソウさんも、うみにあそびにいっちゃったです…シャワーズお姉ちゃんは、『あの二人だと危ないですから』ってついていって…
フーディンお姉ちゃんは『夜の散歩に出てくる』ってでていきました…」
「みんなが帰ってくるまで待てない?」
「はい…なんだかすごく、さむい、です…」
…どうしよう、どうする、どうするよ俺!?つづ…いや、このまま続くけど!
てか、何でこのタイミングでみんな出ていくんだよ!シャワーズ、頼むから止めてやってくれよ!
あとフーディンも空気読んで残るなりなんなりしてくれよ!何でコイツらみんな常識から微妙にズレてんだよ!?
…いや、それよりも今の問題をどうするかだ。
ロコンは寒がりだ。(炎タイプなのに…いや、炎タイプだからこそ?)しかも、部屋には誰もいない。
孤独な時の寒さと言うのは増大する。臆病なロコンならなおさらだ。
「ますたー…おねがいです…」
「わかった、入っていいよ。タオルはちゃんと巻いてな」
「はい…!」
嬉しそうに答えたロコンが、大急ぎで服を脱ぐ音が聞こえてくる。
…落ち着け、落ち着くんだ俺…KOOLだ、KOOLになれ、俺…!!
それほど間をおかずに、風呂場の扉が開いた。
「しつれいします…」
「ど、どうぞ」
ロコンはちゃんと常識を分かってくれていた。ちゃんと大きなタオルを体に巻きつけて、体を隠している。
…けど、あどけない顔に浮かぶ恥じらいと、細くてすべすべした足を見ているだけでちょっと、なんというか、キツイ…
タオルの奥のの体つきは、年相応の控え目な…
「ますたー?」
「いや、何でもない。とりあえずお湯かけるから、そこ座って」
「は、はい」
落ち着け、落ち着くんだ俺…K(ry
「ほれ、目ぇつぶってー」
「ん…」
椅子に座ったロコンの後ろに座って、風呂桶にとったお湯をかけてやる。
いつもはふわふわとカールしている髪が、濡れてストレートになるのはなかなか珍しい光景だ。
しかし、艶のある髪を見ていると、思わず別な欲望が湧き上がってきた。
「よし、ロコン。頭洗ってやろうか?」
「え?」
「遠慮するなよ、せっかくだ。滅多にないだろ、こういうの」
「は、はい…おねがいします…」
「ああ、任せてくれ」
シャンプーを手に取り、まずは髪を洗う。あまり痛くないように気を遣いながら、毛先までしっかりと。
ロコンに一言声をかけて泡を流し、後はトリートメントを塗りこんでいく。
「でもロコン、きれいな髪してるよな」
「え、そう…ですか?」
「ああ、お前と初めて会った時も言ったけど…」
髪の質って生まれつきなんだよな。才能…とはちょっと違うけど、
萌えもんでも髪とか肌の個体差ってあるのかな。今度博士に聞いてみるか。
「よし、終わり。あがる前に忘れずに流せよ?」
「あ…ありがとう、ございます…」
「どういたしまして」
「じゃあ、つ、つぎはわたしがますたーのあたまをあらいます」
「ウェ!?」
い、いや、落ち着け、落ち着くんだ(ry
ロコンにとっては当然の事なんだ、いつもフシギソウやピカチュウと洗いっこしてるらしいし…
け、けど今の俺にとってはこれはヤバい!彼女には悪いが、ここは心を鬼にして…
「ロコン、悪いけど…」
「ますたーは、わたしにあらってもらうのいやですか…?」
「い、いや、全然そんなことはないよ?それじゃあ、お願いしようか」
「はい!」
断れるわけなかった。だって、しょうがないだろ?
あんな可愛い娘に泣きそうな顔であんなこと言われて断れるやつなんているか!?いないよな!?
俺は悪くない、俺は悪くないんだ…
* * *
「ど、どうです、か?きもちいい、ですか?」
「ああ、最高だよ、ロコン」
…これ、会話だけ抜き出したらすっげぇ危ないよな?
けど、ホントに気持ちいい。ロコンの細い指が髪を丁寧に洗ってくれている、その感覚が。
誰かに頭を洗ってもらうのって、すっげぇ久しぶりな気がする。
けど、気持ちいいだけに俺の理性も危険な訳で。
もう後は引き金を引いたら暴発しかねないほどにまで精神が高ぶっているのが分かる。
…暴発したら…とりあえず海に身を投げよう。
「ますたー、おゆ、ながします」
「あ、ああ」
どうやら終わりらしい。泡を洗い流し、ロコンが後ろから声をかけてくる。
「ますたー、きもちよかったですか?」
「気持ち良かったよ。ありがとな、ロコン」
「えへへ…」
くっ、どこまで俺の理性を削りたいんだお前はっ!
「ま、ますたー」
「な、何だ?」
「つぎはからだをあらってあげますね」
「あ、悪いなロコン。俺もう体は洗ったんだ。先にあがるから、ちゃんと体洗ってお湯につかれよ?
肩までつからないと風邪ひくからな。ちゃんと50数えるんだぞ?」
「は、はい…」
「じゃあお先に!ありがとうな、ロコン!」
…死ぬ。俺の理性とか誇りとかその他いろいろなものが殺される。
二の句を継がせず風呂場から飛び出し、服を着がえてベッドへ入る。…髪が濡れているが、そんなの関係ねえ。
あの場にあれ以上いたら、ロコンが俺の毒牙にかかることになってしまう。
俺はなんとか眠ろうと努めたが、瞼を閉じるとどうしてもロコンの潤んだ瞳とすべすべした肌と髪が思い出されて、結局なかなか眠りにつけなかった。
キャラ紹介
・マスター ♂
チャンピオンリーグを目指す主人公。個性的なパーティに四苦八苦しながらも、うまくまとめている。
ヤマブキシティでロケット団と全面対決した際、何か思う事があったようだ。
・ロコン ♀
パーティの末っ子ポジション。幼い性格と見た目に反して、実力は高い。マサキから入手。
会話がすべてひらがななのは、幼さの強調のため。見づらくてすみません。
・ピカチュウ ♀
ロコンと同じくらい幼いが、こちらは活発。やはり実力は高い。ちなみに、マスターは技をある程度覚えたら石を使う予定らしい。
今回は空気。フシギソウと気があうらしい。トキワの森で入手。
・フシギソウ ♀
パーティ最古参。実力も5人中トップ。生意気でマスターをよく困らせるが、信頼はされている。
今回はやっぱり空気。もちろん、最初の一匹である。
・フーディン ♀
パーティでは最も新参ながら、頭脳明晰なこともありまとめ役を務める。マスターや仲間の状態にいつも気を配っている。
なぜか喋り方がえらそう。ナツメの所にいたが、マスターになついてパーティに加わる。
・シャワーズ ♀
マスターの事が大好きな水タイプ。得意技はとける。タマムシで入手。
今回は空気。そうは見えないかもしれないが、彼女はこの話のヒロインです。
「ただいま、ロコン」
「おかえりなさい、フーディンおねえちゃん」
「マスターはどうだったかな?」
「あたまをあらってくれました…わたしもあらってあげました…
けど、とちゅうであがっちゃいました」
「ふむ、やはり幼女に手を出すほどではないか(ボソ)
ところで、他のみんなはどうしたんだい?」
「まだ、です…」
「あいつら…目的を忘れて遊んでるな?仕方のない奴らだ。
ロコン、留守番を頼む。私はみんなを迎えにいく」
「はい。いってらっしゃい、おねえちゃん」
「ああ、行ってくるよ」