1スレ>>193

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森の中、木々が開け小さい広場のような場所に彼女は居た。 彼女は、自分の身体を抱くようにして俯いている。 「私は、女になど生まれてこぬほうが良かったのだ・・」 ポツリと、震えた声で漏れた言葉。 彼女の顔は、今にも泣きそうなほど歪んでいた。 ―――――――――― 世界には数多くの萌もんが存在する。 その中でも、特に戦闘に特化したもの。 それが、彼女―ストライクと呼ばれる種族―であった。 ストライクには、力こそ全て、と考える独特な思考を持っている。 サファリパークの中で育った彼女にも、その思考はしっかりと根付いていた。 いくら人に管理されている環境であろうとも、争いは起こる。 食料なども早い者勝ちであったし、そのような状況にあれば、 そうした思考になるのは、仕方のないことかもしれないのだが。 ともかく、そうした思考を持った彼女は、筋力や速度で劣る女の体に不満を抱いた。 また、日々大きくなっていく胸の膨らみも邪魔以外の何者でもなかった。 さらしを巻いて押さえつけてはいるが、締め付けられる感覚には慣れることはないし、戦闘後にさらしがずれたりと、面倒事も多い。 そんな溜まり続ける不満の末、彼女はついに、先ほどのような言葉を漏らしてしまった。 ――――――――――― ストライクは、身体を抱いたまま俯き、立ち尽くしていた。 その肩はかすかに震え、溢れ出しそうになる涙を必死に堪えているのが分かる。 だからだろう、 「ストライク」 俺が目の前まで近寄っても気付かなかったのは。 「主、殿」 「悪いな、聞くつもりはなかったんだが・・」 顔を勢いよく上げ、驚愕を露にするストライクに、謝罪を述べる。 事実、休憩からいつまでも戻ってこないストライクを探していたら、偶然聞こえてしまったのである。 実を言うと、彼女の悩み自体は、結構前から察してはいた。 しかし、ここまで深刻になっているとは・・・ 俺は頭を掻きつつ、彼女の横へと腰を下ろす。 そして、広大な森を何と無しに見ながら彼女に声をかけた。 「なぁ、ストライク?」 「・・・なんでしょうか、主殿」 返ってくる声は、出来る限り感情を排した硬い声。 が、気にせずに続ける。 「俺が旅をしてる理由、分かるか?」 「・・・」 思案しているのか、彼女からは何の反応も返ってこない。 そのまま、しばらく待っていると、彼女はポツリと漏らす。 「リーグ制覇、あるいは、図鑑の完成のためですか?」 「うん、残念ながら不正解。リーグ制覇はあくまで通過点だし、  図鑑はオーキド博士に頼まれたから、旅ついでにって感じだよ。」 「ならば何故?」 「えーとな、友達になりたかったんだ。この世界にいる萌もん全部と。」 「・・・は?」 上を見上げれば、きょとんとしたストライクの顔が目に入る。 まぁ、我ながら馬鹿な理由だと思う。 実際、旅に出て全ての萌もんと友達になるなんて、不可能であると気付いたし。 それでも、 「全部なんて無理だってすぐ分かったよ。その代わりにな、  俺と一緒にいてくれるやつだけでも、いつも笑ってられるようにしてやるっ  て決めたんだ。」 それだけは、心に深く刻み込んで今までやってきた。 だから、泣きそうになりながら自分自身を否定する彼女を俺は許さない。 押し付けだと、余計なお世話だと言われるかもしれない、それでも、彼女が自分自身を好きになれるよう、無理やりにでも俺は変えてやる。 「覚悟しとけよ、ストライク、二度とあんなこと言おうと思わないようにしてやるからな」 自分勝手?知ったことか、これが俺のやり方なんだから。 後日?談 「というわけで、自分を好きになるために、何が必要か考えてみた。」 「何がというわけなのか、さっぱり分からぬのですが。」 「いいか、昔の人はいいことを言った。気 に し た ら 負 け 。  で、本題に行くわけだが・・・」 「主殿、何故私の胸を凝視なされているのだ。」 「うん、やっぱりさ、そうやって押さえつけるのがいけないと思うんだよ。  こう、もっと開放的になるべきだと思うんだ。心も身体も」 「つまり、さらしを取れと?」 「うむ。」 「満面の笑みで、そのような妄言を垂れ流されるのはやめられたほうが・・」 「理解が得られたようなので、さっそく、剥きましょう」 「む、剥くとか言うでない!というか、こっちに来るな、わきわき手を動かすな!」 「やっぱり、昔の人はいいこと言うよね?」 「・・・え?」 「 問 答 無 用 」 10分後、ぼろくずになったマスターが森の中で発見されました。by ロコン

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