3スレ>>865

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・人物紹介 ケィ(フーディン) リン(ウインディ)  エナ(ヘルガー) 瞬(ハッサム) スミレ(スターミー) ルー(ピジョット) わっふる(ガーディ) 『雪合戦(バトル)しようぜ!』  糞寒い冬の昼下がり。  シロガネ山の管理人小屋近くでは、萌えもん達の壮大な雪合戦が繰り広げられていた。  何故か?  そこに雪があるからだ。  チームはリン、わっふる、エナのわんこチームと、瞬とスミレのデュアルヒーローチーム(スミレ曰く、武士と魔法少女って新しい組み合わせだとは思わないかマスター!だそうな。瞬は武士じゃないんだが)  ケィとマスター、ルーは優雅に観戦中だ。 「はぁぁぁ!」 「てや!」 「シッ!」  わっふるとリンが投げた雪玉を瞬の鋏が砕く。  瞬はちらり、と後ろを見てスミレに雪玉を投げるように促す。 「喰らえ! 氷せ……」  高らかな宣言と共に雪玉を投げようとしたスミレの顔に、エナの投げた雪玉が直撃する。 「く、人の技の叫びを遮るなんて、鬼畜外道!」 「そこまで言われる謂われは無いわよ!」  スミレとエナはコンビネーションも考えずに二人っきりで争い始める。 「以前から気に入らなかったのだ! マスターのパーティに貴様のような悪タイプがいるのを!」 「途中参加の癖に偉そうな口を!」  周囲に飛ぶ雪玉と罵声。  観客席にも届きそうな程の暴投だが、ケィの念力に守られている観客席には届かない。 「消えろ消えろ消えろ!」 「良い的よ、貴女」  周囲を気にせず段々と離れていく二人。  罵詈雑言が飛び交っているが、互いにとてもいい顔だ。  さて、残された片割れ達は、と言うと。 「ふむ、二対一か……なかなかに不利だが、逆境を覆すのも一興!」  飛んでくる雪玉を避けながら瞬は不敵に笑う。  ぞくり、とする笑みだ。 「わっふるちゃん!」 「うん! お姉ちゃん!」  ふかもふペアが瞬を墜とそうと必死に雪玉を投げる。  だが、当たらない。 「遅い、遅いぞリン殿! 家事ばかりしていて鈍ったか!?」 「ふ、太ったって言うの!?」 「お、お姉ちゃん! 挑発だよ! 乗っちゃ駄目!」 「どうしたリン殿! 神速と言われた貴女の力はこの程度か!」 「後悔させてあげるわ!」 「お、お姉ちゃん!!」  わっふるは一人取り残される。  当然だ。Lv100同士の戦いに未だLv10にも満たない彼女では入り込むことは出来ない。  だが、妨害くらいは出来る。  そう考えて、わっふるは小さな雪玉を作り期を窺い始めた。 「ははっ! 楽しいなぁリン殿」 「くっ! どうして当たらないの!」  早さを生かし数で勝負するリン。  数十の玉が瞬を襲うが、そのどれもが彼に有効打を与えることは出来ない。  瞬では彼女の早さについていけない。故に、玉を当てることは不可能。だが、攻撃を避けることは出来る。  回避できる物は回避し、どうしても無理な物だけを砕く。  ソレを繰り返すだけで有効打は無くなる。 「どうした、その程度かリン殿!」 「くぅぅぅぅ!!」  当たらない。当たらない。当たらない。  掠りは有効ではないのだ。  直撃しなければ相手を倒したことにはならない。 「ふふ、ふはははは!」  瞬の口から笑いが零れる。  と、そこにあらぬ方向から小さな雪玉の群が飛来する。 「!」  瞬の意識がそちらに向く。 「今!」 「まずっ……」  その隙にリンは雪玉を投げる。  結果は……直撃。 「や、やったよお姉ちゃん!」  先ほどの雪玉を投げた主が歓びの声を上げる。 「く……わっふる殿の存在を忘れていた私の負けか。まだまだ未熟だな……」  瞬は膝をつき、がっくりと悔しそうに肩を落とす。  なんだか白くなっている気がする。 「わっふるちゃん……すごいじゃない!」 「ううん。お姉ちゃんが頑張ってたからだよ! あの一瞬を狙えたのはお姉ちゃんのお陰だよ!」 「わっふるちゃん……」  白くなっていた瞬が立ち上がり、わっふるとリンに近づく。 「良い勝負だった。リン殿。挑発の為とは言え、あんな事を言ってすまなかった」 「気にしないで。鈍くなっていたのは本当だしね」 「すまない。それにしても奇襲とは……将来、良い戦士になるかもしれんな。わっふる殿は」 「戦士って……瞬お兄ちゃん。私、女の子だよ?」 「戦士に性別など関係ないさ」 「そうなの?」 「そうなのだよ」 「……瞬は惜しかったね」 「本当に惜しかったな。娘っこを放置せずに先に仕留めておけば、瞬の勝ちだったろうに……」 「ケィ。スミレとエナは?」 『ん~、森に入って戦ってる。罵り合いながら』 「……そっちの決着はまだまだつきそうにないね」 『適当な所で介入して終わらせる?』 「ん~、鬱憤も溜まってたみたいだし、好きなだけやらせてあげよう」 『わかった』  と、ルーが止まっていた木の枝から降りる。 「さてと、もう終わったみたいだし、俺は群に帰るよ」 「わかった。また、いつかね」 「年越したらまた会いに来るさ。今度は家族つれてな」 『……また大変なことになりそう』  以前ルーが家族を連れてきたときの事を思いだしているのか、ケィの顔色が悪い。 「大丈夫だって。今度は群全員つれてくるわけじゃない。ほんの一部だけだよ」 「まぁ、期待せずに待ってるよ」 「おう。じゃあな!」  言ってルーは飛び去る。 「さて、そろそろ家に入ろうか。寒くなってきたし」 『うん……』  結局、スミレとエナは日が沈むまで雪合戦を続けていた。 「ヒーロー願望だなんて、ダサイのよ!」 「はん。ツンデレが何を言うか! 素直にマスターに甘えればいいだろう!」 「っさい! んなの恥ずかしくて出来るわけ無いでしょ!」  以下略

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