3スレ>>878

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ヤマブキシティからトキワ方面へと抜ける道― そこを黒ずくめの集団が抜けていく 彼らは『ロケット団』と名乗っている萌えもんマフィア… だが、現在は会社を乗っ取り、拠点としていたシルフカンパニーを追われ、拠点の一つであるトキワシティへと撤退をしていた 彼らはとあるトレーナーに敗れ、その後起こった社員の大攻勢を受け鋒鋩の体で叩き出されてしまった 一つ目の誤算…それは完全封鎖していたヤマブキに侵入者など現れた事 そしてもう一つの誤算…要請していた応援部隊が到着しなかった事だ ナナシマで拠点を築いていた部隊…彼らが到着していれば… その結果に、リーダーであるサカキは毒づく 思えばおつきみやまの作戦失敗がケチのつき始めだった それから瞬く間にシオンタウンでの作戦失敗、タマムシシティでのアジト壊滅、そしてヤマブキシティでの敗北… 気がつけばかなりの力を失ってしまった 「くそっ…何故だっ…」 「情けないですね…ロケット団首領・サカキともあろう人がおめおめと負け帰るなんて…」 ふいに、一団の前に降り立つ人影―よく見ればそれはドンカラスだ 「レオーネ!なぜお前が!?」 サカキはそのドンカラス―レオーネの姿に戸惑う レオーネはその端整な顔に笑みを貼り付けながら 「いえ…ただ、貴方にお別れを言いにきたのです」 「何…?」 突然の言葉に状況を理解できないサカキ そんな彼を尻目にレオーネは言葉を続ける 「まぁ、簡単に言ってしまえば 貴方がたの力を借りる必要が無くなったんです  最大の懸念事項も回避出来ましたし、拠点を2箇所も落とされ、もう以前のような活動も難しいでしょう?」 「…っく まだだ…まだ私にはシルフカンパニーの株が…」 サカキはシルフカンパニーを株の25%以上を保有している大株主であり、現在重役でもある それを使えばまだ勢力を巻き返すことも出来る だが、レオーネはそんな望みを振り払う 「残念ながら、本日付で貴方はシルフカンパニー重役を解任させてもらいます」 「何だと!? お前にそんな権限が…」 「あります シルフカンパニーは、今回新株の発行を決定しました  その際にわが企業は予約券を20%分取得、以前からの持ち株を含め30%前後を保有しました  対する貴方は新株発行によって持ち株数は10%程度になっています」 望みの綱すらも断たれてしまった…恐らく次の株主総会で他の株主も含めサカキの解任を要求するだろう… 「まさか…貴様…これをわかって…」 「何のことでしょうか?」 飄々と憎しみを込められた視線を受け流すレオーネ そんな態度に1人の団員が激昂する 「貴様ァァァァァァ!」 腰のボールに手をかけ― ―パァン!― それより早く撃たれ、倒れた レオーネの手には煙を昇らせる拳銃 「なっ!?」 「その程度の動きで僕を出し抜こうなんて甘いんですよ…」 「何故…」 「敵意を向けたからですよ…もう用事はありません さっさと消えてください」 「くっ…」 ―ギリッ― 歯を音がするほどに強くかみ締め、サカキは再起と復讐を誓いながら撤退を再開した ロケット団が去った後、その場にはレオーネと倒れ付した団員のみが居た そして次の瞬間、撃たれたはずの団員が起き上がる 「ご苦労様」 「ふぅ…防弾チョッキを着ているとはいえ、撃たれると言うのはキツいですね…」 「ありがとう、キミのお陰で作戦は遂行出来た」 そう、先ほど撃たれたロケット団員はレオーネの放った工作員だったのだ 彼の任務はロケット団の調査と作戦行動の報告・妨害だった 「シオンタウンではやってくるトレーナーの封鎖にわざと穴を開けたり  タマムシのゲームコーナでは間抜けな団員のフリをして、アジトの場所を知るトレーナーにわざとアジトの場所を教え  ヤマブキでは関所の職員のフリをしてトレーナーを通し、見張りの団員に眠り薬を飲ませ居眠りをさせ…」 「本当に頑張ってくれた…しばらくは休んでいてくれて構わないよ 大変な任務を終えたんだ、ゆっくりしてくるといい」 立ち去る工作員を見送った後、レオーネの前に何かが現れる 「イスティーノ…貴女もご苦労様でした わざわざお手を煩わせて…」 「構いません…あなたにはお世話になっていますから」 現れたムウマージ―イスティーノに礼を言うレオーネ 彼女は彼と同じ研究所で生まれた萌えもんであり、脱出者のグループではNO.2の地位の実力者でもある そんな彼女にわざわざ頼んだ任務とは、ロケット団のナナシマでの拠点の殲滅 ナナシマからの増援を絶つために相当な実力を持つイスティーノに協力を仰いだのだ 「頼まれた通り、ナナシマの拠点は再建不能になるまで破壊しました…  もうナナシマで活動は出来ないでしょう」 「ありがとうございます…こちらも今回の件でシルフカンパニーもロケット団に危機感を持ちました  こちらからの新株発行要請も聞き入れてもらえましたよ」 「よかったですね…」 冷静を装いながらも喜びを隠し切れないレオーネと、それを見てうっすら笑みを浮かべるイスティーノ 「あぁ、そういえば先日、アヤメと会いました 元気にしていましたよ」 「そうですか…懐かしいですね…  あの子の行く道に幸多からん事を…」 「幸ねぇ…まぁ、彼女は彼女で幸せにやってるみたいです… さて、帰りましょうか」 「えぇ…」 二人の姿は、光の玉のようなものに飲み込まれ、消えた え~~~~~~ 主にレオーネ氏サイドのお話 560氏と3939氏のヘタレと追っかけのSSに一部設定が準拠しています…

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