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「……キャタピーやビードルを見ても思ったんだけど、この子も見た目完全に赤ちゃんだよね」
「そうですね」
「こんな子たちを戦わせるなんて、私には無理」
「マスターには無理でしょうね」
「でも、見た目に騙されると私みたいな目にあうわ」
「まあ、マスターだけだと思いますよ?」
ゴマゾウの遊び相手をしていた鼻血マスターが、お腹を押さえて、地面に倒れている。
それをフシギバナは、呆れながら見ている。
軽い気持ちで「ころがる」を使わせた少女が、ゴマゾウに体当たりをくらったのだ。
転がるゴマゾウが可愛いくて、自分のもとへくるように言った少女の自業自得だ。
「いいパンチ持ってるわ、あの子。将来が楽しみ」
「パンチじゃないでしょうに。今後こんなことないように、説教したいんですが?」
「まだ、無理。もうちょっと待って」
いいかんじに体当たりを喰らった少女が立ち直れるのは、三十分後のことだった。