1スレ>>377

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注意:少々本来のポケモンのストーリーと辻褄が合わないところがあります。 気にしないで読んでくれると嬉しいです 01 そいつに出会ったのは晴れた日のことだった。 シオンからヤマブキへの道に行く時だった。 トレーナーをちぎっては投げちぎっては投げ こいつらもなかなかいい具合に育ってきたな・・・・ そう思いながらヤマブキへのゲートを通ろうとしたとき、 「そいつ」はいた。 毛並みは野生の性か、すこし悪い。 泥やら汚れも目立つ。が・・・ 赤を基調とした体。 赤みがかかりながらも白くてフワッとした毛、 ぱたぱたとはためかせる大きな尻尾。 こちらをじっと見つめてくるつぶらな瞳。 ガーディ。だったかな、図鑑にはそう載ってる。 ほのおタイプか・・・まだほのおタイプは捕まえてなかったな。 ――やるか―― そう思いバックの中のモンスターボールを確に―― いかんな、傷薬は充実してるのに肝心のボールがない。 ガーディか、よし。とりあえず町にいって補充したらまた捕まえよう。 目指すはヤマブキショップ!さ、目標を決めたらさっさと行動・・・ ・・・ん?裾をひっぱられて・・・・ 目をやるとガーディがジャケットの裾を咥えていた。 尻尾は相変わらずパタパタと振っている。餌でもほしいのかな? シルフ印のポケモンフードを空けて手によそう。 食べやすい位置に手を出してやるとガーディは嬉しそうに食べた。 食べ終わると「ワンッ!」と吠え・・・ん? この子まだ人の言葉は喋れないのかな。 そういやモウロクジジィが 「萌えもんとは人により接したいと願ったポケモンが 人に近い形になりそして人の言葉を理解、喋るようになった」 とか言ってたな。なるほど 野生で人に慣れてない子は人の言葉を喋れないのかな。 言葉で言って伝わるか自信がなかったおれは、 ガーディの頭を撫でてやるとヤマブキへのゲートをくぐった。 あいっかわらずロケット団が闊歩してやがる・・・・ そういやさっきあげたポケモンフード、シルフ製だったよな。 むぅ、奴ら変な薬とか入れてないよな・・・?ちょっと不安になってきた。 よし、可能性は低いけどあの子を見つけたらあの子を捕まえよう。 そうすればほのおタイプも手に入ってあの子の無事も確認できる。一石二鳥だ。 グゥゥゥ・・・ む、とりあえずポケモンセンターにいって回復と ・・・今日のごはんは・・・ポケモンセンターの食堂でいいか。 あそこの飯は (代金が)安い、(量が)多い、(味が)そこそこ上手い。 と食べざかりのトレーナーにはありがたい仕様である。利用しない手はない。 んではポケモンセンターへいくか・・・・ 「すいませ~ん。この子たちの回復お願いします」 とカウンターからジョーイさんを呼び出す。もちろん容姿を褒めるのは欠かさない。 お世辞でもこういう会話が人間関係を円滑にする。 「かしこまりました。後ろのガーディはどうしますか?」 「へ?ガーディなんて俺はつかま・・・」 後ろを振り返る。あら不思議。ヤマブキシティには子犬が生息してるんですね。 んなわけないよな、確証はないが何となくわかる。さっきの子だ。 まいったな・・・・・ボールで捕まえてなきゃポケモンセンターに預けれるかどうか。 しかしいらぬことをいうわけにはいかない。 お昼時のポケモンセンターは他のトレーナーも休息にくる。 彼女たちにとって一番忙しい時間帯だ。そんなときに厄介事頼むわけにも・・・ 「いえ、この子は大丈夫なので今わたした子たちだけお願いします」 と言ってガーディを自分のそばに引き寄せる。 洞窟とかに行くときようの保存食がまだあったな。とりあえず今日はそれで昼をすませよう。 ジョーイさんから預けたポケモンを受け取って俺は歩きだした。 呼びはしなかったがガーディは黙ってついてきた。 足取りを見る限りポケモンフードに毒は入ってなさそうだ。 まぁロケット団の連中は金稼ぎにシルフを利用してると聞く。 であれば少々質を落としたとしても毒を入れるまではいかないか。人安心。 お昼ごはん。さすがに街中で保存食を食べるのは気が引ける。 俺の心臓には毛が生えてないからな・・・生えていても困るが。 ヤマブキ北ゲートを抜けて道路脇の木の下を陣取った。 保存食を食べる。お世辞にもおいしいとは言えんなやっぱ・・・・ しかし外国のレーションと呼ばれる軍用食糧はもっと酷いと聞く。 これより下があると考えると不思議とうまく感じる。人間の脳は適当なもんだ。 ・・・しかしこの子。どう対応すべきかな。 今も俺の食べてる・・・棒状の携帯食糧をジッと見つめてる。 おいしそうなのかね。でもこれ萌えもんに食べさせていいって聞いたことないしな。 さっき空けたフードの残りを前に置いてやる。 ・・・・あれ、食べないのか? こっちの手を見てる。や、これは食わせたらまずいよな・・・むぅ。 と、そろそろ他の子にも飯を上げないとな。 手持ちの萌えもんを外に出してやり皿にフードをもる。 各々食べてる中、ピジョンが話しかけた 「その子どうしたの?」 「あぁ、シオンからヤマブキに向かう途中に出会った」 「ってことは新入りさん?」 「なんというか・・・まだ捕まえてないんだよな」 「へ?じゃあ無理やりここまで連れてきたの?」 「そっちのほうがどう考えても非効率的だろ。ついてきたんだよ」 「勝手に?」 「勝手に。」 さて、さすがにさっきの量じゃこの子もまだ満足ではないだろう。 野生のイヌ科の動物は何日かに一度食べて生活できるそうだが・・・ そんなひどい扱いする気にもなれん。しかし目の前に置いてやっても食べる気配はないんだよな。 じゃあさっきは何で食べたのやら、やっぱあれで満腹になったのか? ・・・・・あ、 思い出すと俺はガーディの目の前に置いたフードを手にとって前に出してやった。 パクッ なるほどね、こうしなきゃ食べないっていうわけですか・・・ ま、いっか。こういうのもなんかかわいらし― 「あ!ずるい、なんでその子だけ」 「マスター!私もそうやって食べたいな」 「ジーッ」 訂正、全員にこんな風にごはんあげてたら俺の飯食う時間がねぇ。 とりあえずわがままな可愛い娘どもをなだめてボールに戻す。 さて・・・一応ここに来る前にモンスターボールは買ったんだが・・・・・ ガーディはぴったりと俺にすり寄ってる。 それどころか俺の脚に顎を乗せて幸せそうにダレてる。 俺はこいつにモンスターボールをぶつけられるか?無理だ。 というかこんなに懐いてて捕まえてないってどういう状況だよ。 「なぁ、お前名前はなんていうんだ?」 話しかけてないだけでもしかしたら人の言葉は理解できるかもしれない。 こちらを見上げて首をかしげた。ひとつひとつの動きが俺の心をくすぐる。 やれやれ、まぁジムも制覇したしリーグまでまだだいぶ時間がある。 本当はみんなの修行を兼ねて各地をまわってガンガンバトルするつもりだったが― 何かの縁だよな。こいつともう少し接してるか・・・・ と・・・草の匂いがだいぶきついな。洗ってやるか。 「おいで」 と立ち上がってガーディに話しかける。 言葉の意味は伝わらなかっただろう。だけど動きで伝わったのか、 ガーディは起き上がるとまた俺の横にピッタリとくっついて歩きだした。 02 犬とは不思議な生き物である。 川や海には自分から飛びこむ。そりゃあもう楽しそうに。 なのにこちらがブラシやらスポンジやら構えて水場につれてくと途端に逃げ出す。 なんでこんなことを話してるかというと 「あー!もうじたばたするな!」 「マスター!後ろ抑えとくので前お願いします!」 「よしきた任せろ」 「マスタ~?泡の準備できたよ~」 「修羅場脱出までもう少しまってくれ!」 フシギソウとシードラの協力のもとガーディを洗うことにしたんだが。 まぁ見事なまでに嫌がる。気持ちはわかるがじっとしてくれ! フシギソウの蔓で後ろから捕縛されてるせいでずいぶん機嫌が悪そうだ。 やれやれ・・・・これじゃ洗ったあとに逃げられるかもな。 「シードラ。頼む」 「はいな~」 まぁ俺はやると決めたらやる男だ。シードラと一緒にワシャワシャと洗い始める。 あぁ、ガーディ。なかなかいい脚力だ。 水がこっちに飛ぶのはいいが叩かれると結構痛い。こりゃ逸材だな。 とか考えてると顔に懇親の一撃が入る。 「大丈夫ですかマスター!?」 「伊達にサンドパンとじゃれあってないよ。これぐらいは平気だ」 ワシャワシャワシャワシャ・・・・・・・ ・・・・ふぅ。 いい顔で寝てやがるなこいつ。仔犬を地でいく萌えもんだよ・・・・ 苦節4時間。洗浄作戦は成功した。 フシギソウとシードラにはねぎらいの言葉をかけてボールで休ませてる おかげでガーディはずいぶん綺麗になった。 あぁ、シャンプーのいいにおいだ。腕の中にいても気にならない・・・・・ だがこの子を今後一員として一緒にやっていくにも逃がすにも。 どっちにしても乗り越えなきゃならないハードルがあるんだよな。 まぁ今はこの子を起こさないようにじっ・・・・と・・・して・・・・・・ 03 そんなこんなで2か月が過ぎた。年に一度のリーグ戦までは残り3か月。 結局2か月間ガーディにボールをぶつけることはできなかったが。 「マスター!どうしたの?」 2か月で喋れるようになるとは。萌えもんの学習能力は高いな。 そう、2か月間俺はガーディをずっと横につれて歩いてた。 言葉をしゃべれるようになったのは3週間ぐらい。随分早かった。 もともと感覚的に知ってたのかもしれない。きっかけがなかっただけで。 いろんなことに興味をもった。 まだ仔犬だったのが大きいんだろう、言えばすぐにそれを覚えた。 ひとつ覚えると生まれてくるいくつかの疑問、 純粋な仔犬は何度も質問した。俺も、みんなもそれに答えた。 そんな質疑応答の中で― 「ねぇ、みんなはその玉の中に入ってくけどそれはなぁに?」 「あぁ、これはモンスターボールっていってね、 君達の家・・・というか休憩所みたいなものだね」 「僕にはなんでないの?」 「あぁ、えっとね。このモンスターボールにガーディが入れるようにするには これをガーディにぶつけてこの中に入ってもらうんだ」 「ぶつけるってことは痛い?」 「ほんのちょっとね、でも大丈夫だよ。入る?」 チャンスだ、自分からきっかけを作ってくれるとこちらは有難― 「いいや、僕はマスターの横にいるよ。見張りをするにも そんな玉の中じゃ無理だしね」 あっさり撃沈。かくしてそのまま2か月流れてたというわけである。 「なぁガーディ」 「なに?」 「モンスターボールに入ることなんだが・・・・」 「いいよ、別になくても平気だよ?」 「いやな、ときどきほかの人とバトルするだろ?」 「うん、でもそのときも問題ないじゃない。僕は横から言ってくれれば走って前にでるし」 「その、なんだ。そのバトルの大会があってな」 「大会?僕活躍したら褒めてくれる?」 「あぁ、勿論。で、その大会に登録するときにボールに入ってもらう必要があるんだ」 「なんで?別に僕はこうやってよい子にしてるよ?」 「まぁわからんがルールってのがあるんだ。逆らっちゃいけないんだよ」 「ぶ~」 「入ってくれる?」 「まだ・・・いいでしょ?大会ってまだ時間あるんだよね?」 「まぁそうだけど」 「じゃあもう少しだけ待ってよ、ね?」 「・・・じゃあ大会が近くなったら入るんだよ。いいね?」 「うんっ!」 やれやれ、ガーディには甘いな俺も。これじゃラプラスに馬鹿にされそうだ。 04 草むらをかきわけて進む。やれやれ、けもの道は通りにくいもんだな。 今日はチャンピオンロードを進行中。 リーグの空気にのまれないよう下見をかねて向かってるんだが。 さすがというべきか。ここに棲む萌えもんたちは他のところよりも格が違う。 1匹1匹に苦労させられる。こりゃもう少し鍛えてからのほうがよかったか・・・・ ザッ 目の前に1匹のギャロップが立ちはだかる。 やれやれ、ずっとこんな感じじゃたどり着く前に力尽きちまうよ・・・・ 「マスター!僕がいくよ!」 「・・・よし、任せたガーディ!」 横についてたガーディが飛び出る。 このとき、止めておけばよかったと本当に後悔した・・・・・ 「ガーディ!大丈夫か!」 「はは・・・ごめんマスター。やられちゃっ」 「それ以上しゃべるな。・・・っち、傷薬ももうないか・・・・」 結果は重症、やられる直前にシードラに入れ替えて撃退こそしたものの ガーディは瀕死、このままじゃ死んじまう・・・・ 俺は忘れてた。捕まえたポケモンは死ぬことはない。 モンスターボールの中でぎりぎりの状態まではもっていける。 だけどこいつは、ガーディはまだボールに入ってないんだ。迂闊だった。 このままじゃ・・・・まずい 「ガーディ」 「なに?マスター」 「ボールに入ってくれ」 「え、だ、大丈夫だよ!まだ歩けるか―っ痛」 「お前を失いたくないんだ。頼む」 「どう・・・しても?」 「お願いだ。入ってくれ・・・・」 「うん・・・今まで我がままいってたのは僕だもんね。うん、入るよ」 あぁ、素直に育ってくれて助かった。できればボールに入るようになってからも そんな素直な性格でいてくれよ? 「じゃあいくよ」 トンッ、 優しくぶつける。傷にひびかないように。 「わわっ」 ガーディは吸い込まれていった。 いつも見てる光景なんだがな・・・ 場合が場合だからか。随分新鮮・・・というか違って見える。 あいつを閉じ込める。そんな罪悪感がふと肩にのしかかった。 だがそれを振り払う。 今はそんなこと言ってる状態じゃない。とにかくあいつを救うのが最優先なんだ。 ガーディがモンスターボールの中に吸い込まれ捕獲完了のサインがボールから出るのを確認すると。 俺は一番近いポケモンセンターまでピジョットを飛ばした 「特急で頼む!」 「任せといて!」 05 ―うわ、何これ?僕が僕じゃないみたいだ。 引きずり込まれる。 ―マスター!助けて。僕ここに入りたくないよ。 目が回る。無理やり押し込まれるような感覚。 なんでみんなは平気なんだろう?苦しい。 ここから出たい。他のみんなはずっと我慢してるのかな。 ―――ストン。 急に圧迫感がなくなった。 そんなに広いわけじゃない。でも寝る分には苦労しないかな・・・・ あそこはトイレ?あそこで用をたせばいいかな・・・ ご飯を食べるところは・・・・ないみたい。そういえばご飯のときはみんな外にでてるもんね。 ズキッ 傷が痛む。ははっ、マスターにいいとこ見せようとおもって無理しちゃったもんな。 自業自得・・・って言うんだっけ? ラプラスさんがそう教えてくれた気がする。 ・・・だめだ、傷が痛い。意識が遠のく・・・・・ ごめんねマスター、僕がわがまま言わなきゃこんなことにはならなかったんだよね? 僕が言うこときかなかったから。迷惑かけちゃったんだよね? ごめんなさい。これからはちゃんと言うこときくから。 だからこれからも一緒にいさせてくれる? ボールの中でも文句いわないよ、できれば横で一緒に歩きたい・・・・ ・・・だめだ。そんなわがまま言っちゃだめだ。迷惑かけたんだもん。 ―ジョーイさん!この子たちお願いします! あれ、遠くからマスターの声が聞こえる。 マスター、今度からは言うこときくよ。だからこれから・・・も・・・・ 回りがふっと優しい光で包まれる。ガーディは無意識にそれに身をゆだね眠りについた 06 ―――ディ ん、声が聞こえる・・・・ ガ―――ィ この声は・・・マスター? 「ガーディ!」 「・・・あれ?マスター?」 「お、起きたか、よかった・・・・ まさかボールの中でそのまま起きないんじゃないかと心配したよ・・・」 「あれ・・・えっと・・・・」 「ポケモンセンターで回復したからな。もう傷も平気だろ?」 「え?」 傷はふさがってた。痛みもない。不思議だった 「ボールに入ってほしいってのはこれも理由の一つだったんだけどな。 薬使わずにすむから安上が・・・っとジョーイさんなんでもないですよ?あぁ今日も綺麗っすね」 そっか・・・ボールに入ってないとき戦うごとに薬をくれたのも・・・・ 「ごめんなさいマスター」 「ん?」 「今までわがままいって・・・・」 「気にするな。俺がいいと思ってそうしてるんだから」 「でも―」 「うるさい!」 「あ痛っ!?」 「さ、気を取り直してもういっかい行くぞ」 「あ、・・・・マスター?」 ボールに入るよ?そっちの方がマスターも楽なんだよね? 「どした、足痛むのか?」 「や、ボールに入らなくていいの?」 「あぁ、慣れたし今さら横にお前がいないのも逆に不自然だしな」 「じゃあ・・・・」 「さっさとついてこいよ、置いてくぞ?」 「うんっ!」 僕が初めてマスターに会った時。ついていった理由はよくわかんない。 なんとなくこの人についてった。 でもそれは正しかったんだ。だってこんなにもマスターはやさしいから。 「ねぇマスター」 「なんだ?」 「僕もっと強くなるからね!」 「・・・・期待してるよ」

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