4スレ>>192

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眩しい。 目を閉じていても、瞼を貫いていく程の強烈な光が、 私の視界一杯に広がっている。 そして後方から、突如、 ドガッ――――― 轟音が響いた。 何の音かは分からない。 視界に光が広がってたのは7、8秒。 やがて目の前には、少し前に私が見ていた風景が広がる。 なんだか、光って何のこと?そんなのあったっけ?と、 あるようでないような、ないようであるような―――― ああ、まとめられない。でもそんな感触なんだ。 でも、光が放たれた前後では、明らかに様子が違っていた。 私も、私のマスターも、それに気づいていた。 マスターは後方を振り返った。 さっき、光と共に轟音が聞こえた方向を。 「・・・!イワーク!」 振り向きざまに叫ぶマスター。 視線の先には、傷だらけで、壁にもたれかかっているイワークがいた。 壁に激突したのか、イワークの周りの壁は崩れ、コンクリートが床に散乱している。 そしてマスターが振り向いて数秒ともしないうちに、イワークはまるで人形のように ――――こてん。 と、床に崩れ落ちてしまった。 ―――――――30分前――――――― 萌えもん屋敷なる廃墟でひみつのカギを手にした私達は、 その鍵を使い、グレンジムを訪れていた。 ジムに来たからにはやることは一つ。 ジムリーダーに挑戦、勝利し、バッジを手にすることだ。 ここ、グレンジムのリーダーは炎萌えもんのエキスパート、カツラ。 またの名を「熱血クイズオヤジ」。 その名の通り、ジム内部では1部屋ごとに萌えもんに関するクイズが出題され、正解すると次の部屋への扉が開き、 反対に不正解だと、その部屋のトレーナーと戦闘、勝ってからでないと先に進めないという、 他のジムと比べると特殊な構造になっている。 萌えもんリーグへ挑戦する傍ら、萌えもん図鑑の完成を目指しているマスターのことだから、 出題される問題は全て正解。 こうして、私達は無傷でジムリーダーに挑むことになった。 「さて、俺の今まで培った頭脳のお陰で、このジム最初の戦闘がジムリーダー戦になってしまった訳だ。 ということで、最初から気ぃ引き締めていこうか!」 このちょっと一言が余計なのがうちのマスターである。 「はいマスター。私、全力で頑張ります!」 ジムリーダー戦を前に意気軒昂としてるのか、 いつもより声の調子が上がっているリザードン。 「今回の戦い、相手のタイプを見ると私達の方が有利だと思うけど、 だからといって油断しないでね。いつもの冷静な指示を期待してるわ」 そのリザードンとは対照的に、ジムリーダー戦を前にしても いつも通り冷静な新メンバー・ラプラス。 シルフカンパニーの社員から貰った萌えもんで、 戦闘を重ねていく度に、徐々にその頭角を現してきた。 「みずタイプのラプラスはいるし、じめんタイプのガラガラや、イワークだっているし、 あたしの出番は無いかな~」 冷静というのか、ジムリーダー戦がバッジを賭けた重要な戦いということを認識してないのか、 緊張の欠片も無いエレブー。 「エレブーの言うとおりだ。 今回の戦い、ほのおタイプの弱点であるみずタイプやじめんタイプの技を持つ、 ラプラス、イワーク、ガラガラ、お前らが頼りだ」 「言われなくても分かってる。ね、イワーク、ガラガラ」 そう言って私とイワークの方を向き、にこっと笑うラプラス。 「そうだね、前のヤマブキジムではいいところは全部リザードンが持ってったし、 今回は私の実力を思う存分見せ付けてあげる」 「お、その意気だガラガラ! 是非ともその男勝りの腕っ節を、カツラにぶつけ―――がっ!?」 「誰が男勝りだ!」 私は反射的にマスターの頭に常時持っている骨での打撃を浴びせた。 マスターの余計な一言に突っ込みをいれるのはいつも私なのである。 「いてて・・・っと、話し逸らしたな。悪い、イワーク」 「いや、大丈夫ですよマスター。私もマスターの役に立てるよう、頑張ります」 「うん、期待してるぞ。と、いうことで!行くか!」 マスターはそう言うと、私達をボールの中に入れた。 萌えもん勝負は基本1対1なので、戦闘に参加する萌えもん以外はボールの中に入れておかなければならない。 ボールの中。とりあえずは出番があるまで待機、か。 そういや、イワークの決意を聞いて、失笑しそうになった。 役に立つ、ねぇ。 マスターの役に立てると思っているんだろうか、こうげき力が低いくせに。 格下の相手に苦戦したり、瀕死になるほど体力を削られたり、 ヤマブキジムの時だって、ユンゲラーのサイコキネシスで一発だったじゃないか。 それなのに役に立つ?何高すぎる理想語ってるんだ。 ただぼうぎょ力が無駄に高いだけの「お荷物」なのにさ。 それにマスターもマスターだ。いい加減イワークが「お荷物」だってことを認識して欲しい。 ヤマブキジムに挑戦する前、私はマスターに、何故イワークに威力の高いかいりきを覚えさせたのか、 と聞いたことがある。 そしたら返答が、こうげき力が低いからその分わざの威力で補いたい、ときたもんだ。 そのときは納得した、いいとこあるじゃんとか言ったが、内心は納得がいかなかった。 威力が高い技を装備させても、結局は元のこうげき力が低いのだから、 真価を発揮できないだろう。まさに宝の持ち腐れってヤツだ。 何故そこまでして、イワークを連れて行きたいのか。 6人制限の手持ちの一つを無駄にしてまで、何故連れて行きたいのか。 私にはマスターの本心が分からなかった。 とにかく私は、パーティの「お荷物」であるイワークが、 特にマスターに貢献もしてないというのに、 マスターの愛情を誰よりも受けているということに納得がいってない。 イワークのことが嫌いなんだ。 でも表面には出さない。萌えもんリーグが徐々に目の前に迫っていく中、高まりつつある皆の士気を、 私の都合で下げたくないから。 「イワーク。今回のジム戦、きっと思い知ることになるよ」 わたしはイワークに、それと他の皆に聞こえないようにそっと呟いた。 「たとえ相手が得意なタイプだったとしても、『お荷物』は所詮『お荷物』でしかないんだ」 カツラ戦はギャロップのにほんばれからのソーラービームという、私達の予想を裏切る攻撃から始まった。 先発として出したラプラスがそれで1発で沈められる。 もっとも、なみのりで3分の2ほど削ってくれたこともあって、2人目のリザードンが次のターンに撃破。 次のケンタロスは、すてみタックルなどのわざで苦戦させられるも、リザードンがしっかり撃破。 しかしその次のカツラのリザードンで力尽きる。 一進一退の攻防が続く。 やがて試合は終盤に差し掛かった。 カツラの萌えもんは残り1人。切り札、ウィンディ。 もちろんギャロップ同様ソーラービームを所持している。 それは先程、エレブーが戦ったときに証明されている。 一方のマスターの手持ちは2体。 私、それとイワーク。 最悪なことに、私もイワークも、くさタイプには弱い。 まさに絶体絶命。 しかし、エレブーがかみなりパンチで少し削っていることもあって、 ウィンディの弱点、じめんタイプのじしんが1度決まれば、倒すことが出来る。 幸いにもソーラービームは光を吸収し、放つまで、時間がかかる。 「・・・・くっ」 ここに来て、マスターの手の動きが止まった。 迷っているんだろう。私とイワーク、どちらを出すか。 どちらもじめんタイプ。きっと指示するわざも同じ、じしん。 唯一違うのはステータス。 一撃で倒せる可能性は私の方が高い。 というか、私じゃないと一撃で倒せない。 さあ、どうする。 どう考えたって私を出したほうが妥当だと思う。 本心としては、イワークに活躍の場を与えたくない。それだけなのだが。 ・・・マスターの手が、動き出した。 その手はゆっくりと、でも確実に、私の方へ向かっている。 そしてマスターの手が、私が入っているボールに手をかけようとした、その時だった。 ―――がたがたっ。 ボールが揺れる音、私の右側から。 誰が揺らしてるのか見当が付く。そして、何故揺らしてるのかも。 ―――そうか。そうまでして自分の出番が欲しいか。 マスターに褒められたいか。 一撃で倒せないことが分かっていても尚、出番が欲しいのか。 その覚悟は見上げたものだが・・・ マスター、気にしないで。私を出せばいい。 どうせイワークを出したところでまたいつものように何も出来ないまま終わるだけだよ。 イワークが傷つくところ、マスターはあまり見たくないでしょう?認めたくないけど。 ためらう必要なんか・・・えっ!? 私は目を疑った。 マスターの手が私が入ってるボールから、離れた。 そして、 イワークのボールを、何の躊躇も無く、投げた――――。 結果は目に見えている。分かりきったことだ。 ウィンディが先手を取る。すると周りの光を吸収し始める。 放つわざはもちろんソーラービーム。 マスターはイワークにじしんを指示する。 イワークは渾身の力を込めて拳を床に叩きつけ、じしんを放つだろう。 しかし、渾身の力であってもウィンディは倒れない。 そして次の一手、ウィンディのソーラービームでイワークは倒れる。 その後はカツラがかいふくのくすりを使ってウィンディを回復させる。 イワークが出た意味、全くなし。 イワーク?闘ってたっけ?と言われること間違いなし。 案の条、そういう風に試合が展開してしまって、現在に至る。 ――――――――――――――――――――― はぁ。 無様なイワークの姿を見て、私はため息を付いた。 私はこんなヤツと一緒に行動しているのか。仲間(一応)として情けない。 そんな気持ちと同時に、心のもやもやがスッキリしたような、そんな気持ちにもこみ上げてきた。 これで分かっただろう。 アンタは何だかんだ言って「お荷物」なんだ。 マスターも分かってくれ、これがイワークなんだ。 肝心なときに決められない、パーティの「お荷物」、それがイワークなんだ。 「・・・ガラガラ」 イワークが無残にやられたことを嘆いているのか、 それとも自分の判断力の低さを嘆いているのか、 はたまたイワークの駄目っぷりに嘆いているのか。 マスターの声は沈んでいる。 「・・・なに?」 「あとは、任せた」 「そうだね。皆の頑張りを無駄にするわけにはいかないしね・・・もちろん、イワークも」 後半部分は建前である。もちろん「皆」の中にイワークは含まれていない。 「見せてやるんだ、お前の、最強の腕っ節の強さを!」 さっきの沈んだ声はどこへやら、マスターの声は元に戻っていた。 「後半は余計だよ」 いつもより軽くマスターに突っ込みを入れる。 その瞬間、ふわっ、とボールが宙に舞って、 ようやく私はボールから解放された。 「さて、と」 肩を鳴らし、目の前の敵を睨む。 その顔はカツラが回復してくれたお陰なのか、私をイワーク同様、大したこと無いやつだと思ってるのか、 余裕が伺える。 「・・・勘違いしないで欲しいな」 相手のウィンディが、周りの光を吸収し始めた。 さっきと同じ、ソーラービームの構え。 それを確認した後、私は一度、深呼吸をする。 「私は『お荷物』なんかじゃない。さっきのヤツとは違って」 拳を高く振り上げる。 いつでもじしんを撃てる状態にする。 ソーラービームの発動にはまだ時間がかかるようだ。 この時点で、私は自分の勝利を確信した。 「今度戦うときは・・・もう少し、ソーラービームの発動を早くしたほうがいいよ」 振り上げた拳を、今度は力強く、床に叩き付けた。 ――――――――――――――――――――― 長くなりました。 メンバーとかは前書いたのとおんなじなんです。 まとめると「実はガラガラはイワークが嫌いです」なお話。 イワークとガラガラでは、イワークを使うことが多いから、 「何故私を使わない!?」とガラガラ怒ってるんだろうなあと この頭で勝手に解釈して書きました。 ドガッだの、こてんだの、がたがたっだの、擬声語を多用したかも。 あと心理描写だの情景描写だの、というかSS書くときの基本だとか、物語の構成だとか、 これから沢山学んでいこう、と思います。それに想像力とか、発想力とか・・・ 実は中編があるんです。後編もあるんです。構想もほぼ決まってるんです。 中編とか、後編とか書くんだろうか。 折角構想練ったんだし、書きたいなと思ってる。 そして無意識にメモ帳を起動して、文章打って・・・あああああ。

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