4スレ>>205

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「着いたわ、トキワシティよ」 「わざわざありがとうございました」 「いいのよ、知り合いに会いに行く切っ掛けになったわ」 空を飛ぶで俺をトキワまで送ってくれたタマムシ萌えもん センターのジョーイさんと、萌えもんのピジョットに礼を言う。 (このジョーイさん、かつてはリーグを目指していてバッチも 幾らか持っていると聞いた。非戦闘時の空を飛ぶもトレーナー 時代の名残だそうな) さて、トキワに来た感想といえば、タマムシで暮らしていた 身にはひどく殺風景に映った。まぁ、タマムシがカントー 有数の大都市のひとつである以上は仕方が無いが。 「さて、マサラはここから歩いて南・・・か」 荷物を背負いなおし、リーフィアのボールを確認し。 俺は歩き出した。 エリカさんが連絡しておいてくれていた様で、萌えもん センターに顔を出すと職場の皆も心配してくれていた。 今まで話していなかったリーフィアのことも含めてタマムシ を離れる必要が出てきたことを説明すると、ジョーイさんは 快く承諾してくれた。資金難のときにすぐに他の萌えもん センターで働けるようにと紹介状まで用意してくれ、さらには トキワまで送ってくれることになった。 同僚(半分以上は先輩)達は選別にとなんだかんだと持たせて くれた。(中には萌えもんセンター内での有事にのみ使用許可 が出るはずの護身武器まで入っていた。どうやって持ち出した のだろう。) 出発前夜、大家さんにしばらく事情で離れること、家賃は必ず 振り込むことを念書つきで説明、理解を得た俺は、荷物の最終 確認をしていた。 「先輩達の選別だけでほとんど買う必要なかったな・・・」 簡易調理セットだの簡易テントまで貰ってしまって、自分で 持っていく物は着替えその他のこまごましたものだけだった。 リーフィアはと言うと、初めて訪れた俺の部屋を熱心に見て 回っている。 ・・・いや、別に見られて困るようなものは(本当に何処にも)ない が、萌えもんといっても女の子に家の中を見せるのは思った 以上に恥ずかしいものがあるな。 「ここがマスターの家・・・」 どことなく感慨深げにリーフィアがつぶやく。 「狭い上に小汚いだろ。使いやすけりゃいいってなもんで  いろいろほったらかしだからな」 ちらとリーフィアを見やり、すぐに己の作業にもどる。 これは要らないか・・・?おっと、これは忘れちゃまずいな・・・ 小声でぶつぶつ言いながら進めているうちに、なんだか空気が おかしいことに気付いた。 「リーフィア?どうかしたのか?」 見ればリーフィアが暗い顔をしている。 「いえ・・・私のことに巻き込まれなければ、マスターはタマムシ  で平穏に暮らしていたはずなんですよね・・・」 自分を引き取らなければ。自分とかかわらなければ。 そういった負い目を感じていたのか。 「俺はリーフィアを助けてよかったと思ってるよ」 「え・・・?」 予期していなかったのだろう、目を丸くする。 「こんな機会でもなければタマムシ以外で暮らすなんて無かった  だろうし、何より」 言葉を切って、一瞬目をあわせ、笑う。 「これからはリーフィアと毎日過ごせるんだしな。楽しみで  仕方ないよ」 多少・・・いや、大いに照れくさくはあったものの、 すぐに眼をそらし作業を続けるフリをしながら、そう告げる。 「・・・ありがとうございます、マスター」 ちょっと鼻をすする音がした。涙ぐんでいるのだろう。 よし、最後の点検も終わり、後は寝るだけだ。 「準備完了。さて、寝ようかリーフィア」 そう告げて電気を消し、布団に入る。 「はい、おやすみなさいマスター」 そう返事が返ってきて、ごそごそと布団が動き、俺の隣に・・・ 「待て。ちょっと待て」 「? なんですか?」 「布団はもう一つ引いてるだろう」 そう、リーフィアは俺の布団にもぐりこんで来たのだ。 恋愛経験の類が0の俺にはそれがいろいろヤバいのは皆まで 言わずもがなだろう。 「へ?でも、タマムシジムでは皆さんと交代で一緒に寝て  ましたよ?」 ジムトレーナー達がイーブイの頃のリーフィアを取り合って一緒 に寝てたと言うのは前にも聞いている。 「あー、まあ、しかしだ・・・その時はみんな女性だっただろう。  俺は男なんだ。ということで、」 「私はマスターと一緒に寝るのが楽しみでした。マスターは  私と一緒に寝るのはいやですか?」 電気を消したため、光源は窓からの星、月の光のみ。 その夜の光に照らされ、小首をかしげて尋ねてくるリーフィア。 思わず見とれてしまう。 「え、あ、いや、そういうわけでは決して無いんだが・・・」 「なら、一緒に寝たいです♪」 ・・・まぁ、そのまま押し切られたのは言うまでもないな。 ほとんど朝まで寝られなかったのも想像通りといった所だろう。 道中、段差を選んで進んだためか野生の萌えもんとは出くわさ なかったが・・・ 行く前までにタマムシでは話を聞いていた。 覚悟はしていたつもりだった。 だがしかし、目の当たりにするとため息が漏れる。 「かのオーキド博士が研究所を構える町に・・・」 ため息の原因とは単純明快。 「・・・フレンドリィショップどころか、萌えもんセンターすら  ないってのもなぁ・・・」 研究所の萌えもんに何かあったらどうするのだろう? 急いでトキワまで連れて行くにしても、途中草むら避けるのは 無理だぞ? 地味に大きかった視覚的衝撃、つらつらそんなことを考えて しまう。 っとと、ぼんやりしてる暇はないな。 すぐそこに見えていた研究所の戸を叩いた。 次にここを出るときに、自分が何を想い、何処を目指しているのか。 その時の俺には思いを馳せることもできなかった。 中はほとんどイメージどおりといったところか。 助手らしき人々が忙しそうに歩き回っている。 「やぁやぁ、君がヒロキ君だね?」 奥から総白髪の、だが衰えといったものをほとんど感じさせない 壮年の男性が歩いてきた。彼がオーキド博士だろう。 「初めまして。タマムシ萌えもんセンター勤務のヒロキです」 「連絡は受けておるよ。さて、早速で悪いのだが・・・」 彼もやはり研究者なのだろう。新種の萌えもんということで目が 子供のように好奇心に染まっていた。 「わかりました・・・」 周りに悟られぬようにひっそりと、逃げ道を確保し・・・ 「出ておいで、リーフィア」 リーフィアを出す。 「・・・!」 周りが白衣ばっかりという状況にとっさに身構えるリーフィア。 彼女にしてみれば当然の反応だろう。 「あぁ怖がらなくていい。君の嫌がることは決してせんと  約束しよう」 オーキド博士が両手を軽く挙げて真っ先に宣言する。 周りの助手たちもうなずくのを見て、少し警戒を解いた。 「まぁ、簡単な検査だけにしておこうかの」 博士のその言葉で、助手達がいっせいに器具の準備に取り掛かる。 「それにしてもイーブイに石以外の進化が起こるとはのう・・・」 独り言だろうか。えらく大きい声だな。 「遺伝子が安定しきっておらず、それゆえに石の影響を受けやすい  ことがイーブイの進化の多様性の主な理由ではあるが・・・何故、  リーフの石だけ反応が無いのに・・・・・・であることとの・・・」 完全に自分の世界行き、確認。放っておいたらいつまでもあのまま だろう。 「マスター・・・」 不安げなリーフィア。 「大丈夫だよ。いざとなったら壁ぶち破ってでも連れ出すからさ」 ちょっとおどけて励ましてみる。頭をなでながらの言葉で、幾分 落ち着いたようだ。 そうこうしているうちに、器具の準備が整ったようだ。 博士が説明を始める。 「新種の萌えもんが発見された場合、まずは図鑑登録に最低限  必要な情報を発見された個体から得る。といっても情報は個体数が  多く無ければ正確なものがえられないためにこれだけで図鑑登録は  難しいがな。それに機械で測るだけでは得られぬデータも必要じゃ。  この場合、リーフィアちゃんに協力してもらうのは身長と体重の  測定、あとタイプ診断くらいかのう」 タイプ診断とは字面からわかるが萌えもんのタイプを調べるものだ。 複数のタイプを持つ萌えもんは見た目だけではタイプがわからない 事も多く、また図鑑登録の際にソート機能に対応させるために調べて おくらしい。 「怖いことは何もない。これに入って30秒もすればタイプ診断は  終わる」 博士がぱっと見SFかなんかの冷凍睡眠装置っぽいのを指して言う。 恐々といった様子でリーフィアが入ってきっかり30秒、あっさり診断 は終わる。結果は草タイプのみだった。 その後は普通に身長・体重測定。体重計にえらく時間をかけて乗る あたりが女の子らしくて和んだ。 「さて、これで全部終了じゃな。身長1.0m、体重25.5kg。イーブイ  に比べ身長が3倍強、体重は5倍弱といったところかの」 はっきりと言葉にされて、リーフィアはショックを受けている。 「まぁ図鑑に登録する身長体重は複数の個体からの平均値じゃから  このデータだけでは図鑑には出来んしのう。平均がそもそも存在  しておらんのだから、あまり気にせんでええじゃろ」 そういって一応のフォローを入れる博士だが、リーフィアはと言うと ろくに聞いてないねこれは。結構堪えてるみたいだ。 「はてさて、こうなると複数のデータが欲しいところじゃが、  イーブイ自体が稀少であるし、まだ進化条件も確定して  おらんし・・・  ・・・そういえばヒロキ君は、これが終わったらタマムシへ帰るの  かね? 「いえ・・・それが・・・」 彼女との出会いのあらましをざっと話す。 「ふむ・・・ほとぼりを冷ます・・・そうじゃ、そのついでに一仕事  引き受ける気はないかね?」 「一仕事?」 今回の彼女の進化はそもそもロケット団に施された影響が懸念 されるため、通常のイーブイからの進化も確認できるかを調べな ければいけないらしい。 そこで、タマムシにはしばらく戻れない俺に、何もされてない イーブイを2,3人(匹?)捕獲してきて欲しいとの事だった。 「そもそも稀少な上に何処にいるかもわからない萌えもんを・・・」 「いや、少なくとも居場所についてはチャンピオンロードの前に  ある草むらで目撃したとの情報があるのじゃ」 へぇ・・・チャンピオンロード前か・・・そんなところに草むらなんて あったのか。 まぁそんなところにある草むらならいける人間も限られるし、 他所にいない珍しい種類がいても・・・ん? 捕獲してきて欲しい・・・イーブイ数匹。 生息場所・・・チャンピオンロード前草むら。 チャンピオンロード・・・全国のジムバッチ全八つをそろえて           萌えもんリーグへ挑戦するトレーナー           達の前に立ちふさがる最後の砦。 待て。ということは何だ、アレか。とどのつまり、 「俺に、バッチ揃えてチャンピオンロードまで行ってくれ、と?」                          後編へ 追記 一度で終わるはずが前・後編に別れるハメに。 書きなれてないってのはこういう所にでるっぽいな・・・ リーフィアの性格は基本まじめだけど少々天然・おちゃめを意識して いるつもりです。 次こそほんとにひと段落のはず。

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