4スレ>>212

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「ドードリオ、ちょうど良かった。聞きたいことがあるんだ」  トレーナーが、そばを通りがかったドードリオを呼び止める。 「なに?」 「その両手って何?」  簡潔に聞くが、簡潔すぎてドードリオには。いまいち伝わっていない。  不思議そうな顔をするドードリオを見て、トレーナーはもっと詳しく説明する。 「ドードーのときには、その両手のやつ持ってなかっただろ?  それで、その使用法? 利用法? がよくわからなくてな」  ああ、と納得した表情を見せるドードリオ。 「これはミトン」 「ミトン……ミトンって鍋つかみのことだよな?」 「うん」 「……」 「……」  トーレナーは、じっとドードリオの目を見る。  それに耐え切れなかったか、ドードリオはついっと目をそらして呟く。 「……冗談」 「ほんとは?」 「進化に必要らしくて、進化前にタマムシデパートで買ってきた」 「そんなのも売ってるんだあそこ」 「セットで三千円」 「安いのか、高いのか微妙だ」  なんと言っていいのかわからない表情をするトレーナーを見て、ドードリオは、 「……二段ボケ」  と言ってみたり。 「っておい!」  思わず裏手突っ込み。 「お前の性格って真面目なはずだよな?」 「真面目だって、たまにはボケたいときもある」 「で、本当は?」 「トライアタックに必要」 「ああ、たしかにトライアタック使うとき、顔と両手から出してたなってまてい!  ドードーのときは、それなくても使えてただろ! レアコイルだって、それなくて使ってるよ!」  納得しかけて、進化前や仲間のことを思い出し、また冗談だとわかる。  いい加減にせえよと、目は笑ってない、いい笑顔なトレーナー。  ドードリオもえへらと笑い、そして逃げ出した。  特性「にげあし」なだけあって、見事な逃走だ。  それに追いすがるトレーナーも、いい脚を持っている。  実のところ、ドードリオ自身もよくわかってなくて、誤魔化していただけ。  それをトレーナーが知るのは、もう少しだけ時間がかかる。

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