4スレ>>318

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「もうここらで、いいんじゃない?」 「そうっすネ。ここなら大丈夫だと思うっす」  鼻血マスターはドーブルに誘われて、森の中にいた。  ほかの仲間は、昼食後の時間をまったりと過ごしている。  今いる場所は、ちょっとした広場みたいに開けたところで、太陽の光が木々に遮られることなく射している。 「それで頼みって何?」  一度聞いて教えてもらえなかったことを、少女はもう一度聞く。 「実はですネ、絵のモデルになってほしいっす」  ドーブルは、土下座しそうな勢いで、真剣な表情をして頼む。 「いいよ」  真剣すぎるドーブルの様子に、少し驚きながらも了承する。 「ほんとっすか!?」 「うん。でもなんで私? いや嬉しいんだけどね?」 「好きな人を書きたいと思うのは、当たり前の感情ですヨ」  その一言に、少女の顔がポンッと赤く染まる。 「そんな、めんとむかって好きだって言われると照れるよ~。  私もドーブル、大好きだよ」 「嬉しいっす、私まで恥ずかしくなるっす」  二人して、顔を赤くしてもじもじとしている。  いつまでも、こうしてても仕方ないと、深呼吸して落ち着くことに。  なんとか顔の赤さは引いたようだ。 「でもさ、そんな頼みなら、ここまで連れてくることないのに。  みんなのいるとこで、描いてもいいんじゃない?」  描くところを見られるのが、恥ずかしいのかな、なんて思っていたが、ドーブルの発言で少女は驚くことになる。 「描きたいのヌードっすヨ? さすがにみんなのいる前ではネ……。  それに、そんな羨ましいこと」  驚く少女には、最後のほうが聞き取れなかった。 「ヌード!? ヌードってあの裸の!?」 「そうっす」 「無理無理無理無理っ!」  手は突き出され、首をぶるぶると横に振り、絶対無理だと少女は主張する。 「恥ずかしいよ! それにこんな貧相な体じゃねっ?」 「そこがそそら、いやいや、きっと綺麗だと思うっす」 「いやでもね? そのえっとね?」  なんとか断ろうと必死に言い訳を探す。必死すぎて、滲み出た危なげな発言を、また聞き逃す。 「恥ずかしいなら、私も脱ぐっす」 「二人して屋外で素っ裸って、どんな状況よ!?」  すでに服に手をかけて、脱ごうとしているドーブル。 「お願いだから脱がないでーっ!?」 「モデルになってくれないっすか?」  急にしゅんっとして、涙目になり上目づかいで、少女を見つめるドーブル。  なんとなく、演技が入っている気がする。  だが少女はそれに気づかない。 「うっ」  涙目のドーブルを可愛いと思ってしまい、動きが止まる。  そして、この表情が見れたんだから、いいんじゃないか? とほんの少しだけ思ってしまう。  少女の心の動きを読んだのか、ドーブルの目がキラーンと輝いた、気がする。  スケッチで覚えた、しんそくで近づき、少女を逃がさないようにしっかり捕まえる。 「さあ~脱ぎ脱ぎしましょうね~」 「いや~まだやるって言ってない~!」  じたばた暴れるが、悲しいかな人間ともえもんとでは、力に差があった。  ドーブルもそこまで強いもえもんではないけど、少女も鍛えているわけではないから、逃げることはできない。 「うふふふ、やっぱりご主人は可愛いっす。一目惚れして、ついてきてよかったっす」 「一目惚れ!?」 「そうっすヨ。ご主人は、私の好みど真ん中っす」 「!?」  少女はここで気づいた。  好きと互いに言い合ったが、その意味に違いがあったことに。  少女の好きはlikeで、ドーブルの好きはloveだ。 「えーーーーっ!?」  だが、それがわかったところで、この状況をどうにかできるわけではない。 「我慢できないから、予定変更するっす」 「よ、予定変更?」  なんというか、嫌な予感しかしない少女。そして、それは当たっている。 「いただきます」  そう言いながらドーブルは、さらに少女に近づいていった。  結論から言うと、少女はギリギリ助かった?  森奥が騒がしいことに気づいたフシギバナが、二人を探しにきたからだ。  フシギバナが発見したのは、少女を素っ裸にして、本番にいこうとしていた場面。  慌ててねむりごなで、ドーブルを眠らせてことなきを得た?  疑問符がついているのは、キスはされたし、裸も見られたから。  このあとしばらく、フシギバナに抱きついて離れない少女と、  脳裏に焼き付けた映像をもとに、少女の絵を上機嫌に描きまくるドーブルが見られた。

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