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「5スレ>>66」(2008/01/30 (水) 20:42:55) の最新版変更点
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「ホントやで! 実験に失敗してポケモンとくっついてもうたんや!」
そこに居たのは何の変哲もない、1匹のピッピだった。
マサキはどうやら不在のようだ……せっかく預かりシステムのお礼を言いにきてやったのに。
「なっ! 助けてくれへん?」
まったく、可愛い声色+大声+関西弁は耳に堪えるな。
「可愛い可愛いピッピちゃん、悪いけどキミのおままごとに付き合ってる暇はないんだよ」
「わいが普通のピッピやないのは分かるやろ!ほら、言葉も話せるんやで!」
「言葉遣いが普通じゃないのは分かるが。
人に慣れた萌えもんなら、人語を話せても何の不思議もないからさぁ」
「あ……そうやったorz」
「マスター、ピッピは図鑑にまだ記録されてないですよ?」
ベイリーフがふと思い出したように入れ知恵をしてきた。ナイスベイリーフ。
そうかピッピか。そういえば俺の図鑑にはまだ載ってなかったな……
モンスターボールまだあったかなぁ、とカバンを漁ってみる。お、あったあった。
不敵な笑みを浮かべつつ、ボールを構えてピッピに向き直る。
「な、なんのつもりや!?ちちちょっとタンマ、もう一度考えなそうや、な!」
そんな戯言に耳も貸さず、俺は構わずボールを投げつけた。
「──痛ッ! 何さらすんや!」
んん?確かに命中したのだがボールが作動しない。
「このピッピ、もしかしてマサキさんの萌えもんなのかな?」
「こんな所に野良ピッピなんておかしいとおもったのよさ」
そういうことは先に考えてから発言してくれベイリーフ。俺の思慮不足にも責任はあるが。
ニャースもおかしいと思ってたなら止めてくれ、ボールが無駄になったじゃないか。
v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v─v
──しばらく待ってみたが、マサキは帰ってこない。ベイリーフが入れてくれたお茶も冷めてしまった。
「せやから、わいがマサキやと何度いっt──」
ニャースもピッピのしっぽで遊ぶのに飽きたようだし、
俺もパソコンでブイズの進化っ娘を拝んでハァハァずいぶん満喫したし、
そろそろ帰るか……ん?どうしたアーボ、そんなにもじもじとして。
「ますたぁー……えと、そのぉ~…」
俺がブイズにハァハァしてたから嫉妬かい?嬉しいなぁハハハ。
「ピッピさんが美味しそうなので……食べちゃってもいいですかぁー?」
唐突なのはいつもの事か。マサキが居ないんだから、ピッピ居なくなっても犯人はバレないだろう。
「別にゲットもできないみたいだし、どうぞどうぞ」
「──────ッ!?」
ピッピは事態を飲み込めず硬直している。うん、黙ってりゃ可愛いんだがなこのピッピも。
口は災いの元とはよく言ったもんだ。
「じゃあーいただきますぅ~♪」
アーボは大きく口を開き、硬直しているピッピににじり寄る。が、
「ずるーい!にゃーも食べたいのよさっ!」
アーボの頭にニャースのドロップキックが炸裂。手加減を知らない子供って怖いよなぁ。
俺はブイズの画像をメモリースティックに移しつつ、ニャース達を横目でチェック。『見えたッ!』
ベイリーフが「半分こにしたらいいんじゃないですか?」と言ってるが二人とも乱闘してて聞いてない。
って、何さらっと怖い事言ってるんだベイリーフ。
そもそもどうやって半分ずつにするつもりなのか小一時間問い詰めたい。
「ハッ、ここここれはホンマにマズイて!はよどっか隠れんとッ」
にゃーにゃーシャーシャーやってるうちに、ピッピが怪しげな機械の中に逃げ込んだ。
虎と狼が争ってる間に、哀れな兎が逃げたぞー。お前ら追わなくていいのかー(棒読み)
──これはチャンスだ。ちょっと悪ふざけの過ぎたピッピにお仕置きしてやろうニヒヒ。
なーんて小悪魔的な事を考えつつ、パソコンから適当にプログラムを起動する。
ふ~むふむ……お、なんだこれ面白そう、分離プログラム?では早速、ぴっぴかちゅー(ポチッ)
ウィーン……ガガガガガガ、シューゴゴゴゴゴ…………チーン!
異様な音に、ピッピの奪い合いをしていた二人も動きを止め、怪しい機械を見つめる。
装置の扉が開き、白い煙とともに中から出てきたのは……青年?
「フー助かったわ……あんたら鬼や!鬼畜や!!」
なんだ、本当にマサキだったのか。……これはどう考えてもマズイな。
「偶然もとにもどったからええけど……お礼にやろうと思うてたこの"船のチケット"はやらんからな!
あと、自分のボックスも全部凍結したるさかい、覚悟しときや」
困った顔をしている俺に、ベイリーフから援軍が送られる。
「質問1:一体、何の実験をしてたのですか?まちがって融合しちゃうなんて」
「ぅぐ…… そ、それはやな、えー……」
「質問2:どうやらすばらしい実験みたいですね。早速、全世界に公表しちゃっても?」
「ぇ…… ぁ゙……そ、それはカンニンして、な?」
ベイリーフはにっこりと笑い、マサキの手からチケットを掠め取る。
「よかったですねマスター、今日のことは水に流してくれるそうですよ♪」
「ちょ待ち、わいはまだ何も……」
ベイリーフは満面の笑みでマサキの方を振り返り、黙らせる。あれ、笑顔ってこんなに怖いもんだっけかハハハ。
とりあえずベイリーフGJ。これでボックス凍結は免れられた。
「それじゃ、俺ら帰りますね。チケットあざっす」
不満たらたらな顔をしているマサキを尻目に、同じく不満そうなアーボとニャースを引きずって退室。
「ピッピもよかったですけどぉ、マサキさんもぉ~なかなか美味しs──」
「ずるーい!にゃーも、にゃーもっ!」
「……それは自重してくれ、ボックス使えなくなると困るから」
ちゃんとボイスチェッカーに怪しい実験の証拠音声が記録されていることを確認しつつ、俺達は帰路についた。
-fin-
@あとがき
お読みいただきありがとうございます。
で、今回の内容ですが──コメディ+ブラック風味。
この娘たちは色気より食い気の年頃のようです。私も食い気大好きなのです(マテ
なお、単発となっておりますので特に続きません。
違う時間軸で同じキャラを書くことはあるかもしれないですが。
@蛇足
実はコレ、実質の処女作なのです!萌えもんSSに限らず、SS全般として(;´▽`Aアセアセ
と、言い訳ぐるしくなってしまいましたが、今後とも生暖かく見守ってあげてください(。。
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m