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[オムナイトの再誕]
一度は終った生、二度目なんてないと思っていた。
その場に在り続ける意味さえ考えず暗い闇の中、
私は喋らぬ隣の子と共にずっと静かに過ごしてきた。
ある日、その静かな時間は終った。
闇の中から光の下へ私を連れ出したのは見知らぬあなた。
出会いは偶然。けれども今は必然だと思っている。
フシギバナやピジョットたちほど長くはないけど、それなりの付き合い。
だけど長い間見ることしかできなかったし、ずっとそのままだと思っていた。
それでも世界の広さ、楽しさを知ることができた。
そして、この人と仲間たちと共に過ごしたいと思うようになるのに時間はかからなかった。
見るだけで満たされ、見るだけと諦めていた日々。
楽しさを知ったから、体を動かせないもどかしさ、声が届かない辛さを知った。
だから神様がいるというなら感謝しよう。この優しく少し無茶な人と共に過ごせる機会をくれたのだから。
だから神様がいるというなら感謝しよう。柔らかな手に引かれて笑いあえる機会をくれたのだから。
世界は以前とは変わってしまった。昔の仲間とももう会えない。
見知らぬ世界に連れ出され、すこしだけ感じた悲しみと戸惑いは、
何度負けても諦めず前に進むこの人と仲間たちの旅を見ている間に癒されていった。
かわりに生まれた想いは、親愛かそれとも……。
名づけることの難しい想いを胸に、二度目の生を待ち焦がれる。
蓄積されていたもどかしさと辛さが、解かれていく。
私は今日再誕する。始めの言葉はこの人への感謝にしよう。
ああ、もうすぐだ。
「ありがとう、連れ出してくれて。そしてはじめましてマスター」