1スレ>>235

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「よろしくな」 人間はボールから出された私に言った。 どうやら彼が私の主人らしい。 とりあえずよろしくと返しておいた。我ながら無愛想だ。 彼はやや渋った顔になる。それでも笑顔は崩さなかった。 隣にいるポケモンは彼のポケモンだろうか。 印象的な赤い瞳はとても穏やかだった。 ふぅん・・・ 前に人間と一緒にいたポケモンに話を聞いたことがあった。 《人間と一緒にいて楽しかったの?》 《楽しかったね。戦いは辛い時もあったが、一緒に頑張れた》 《・・・どうしてここに?》 《いや、元々ここにいたのさ。主人が当時俺を捕まえてな。それは鮮やかなものだったぜ? 俺が若かったっていうのもあるんだけどな》 悔しがるわけでもなく、何処か嬉しそうな顔つきだった。 《でも、主人は体があんまり良くなくてな》 《・・・病気?》 彼はやや表情を硬くし、頷いた。 《旅自体も結構無理をして続けていたんだが、とうとう中断することになった。 その時主人は言ったんだ。『寝てるとこを見てても面白くないだろ?』ってな》 《それであなたは?》 《『そうに違いない』って言ってやったよ》 と、自慢の鎌を見ながら彼は誇らしげに言った。 《それでここに?》 《そうさ。まぁ、体でも良くなったらまた主人から会いにやってくるさ》 《そう・・・》 彼と彼の主人の関係が良いものなのかは私には分からない。 でも、彼の語る表情からは悪いものは感じなかった。 《おっと、またやってきたか。またな!》 ストライクは去っていった。 去った方向を見ると、人間がいた。 彼を捕まえようとしているみたいだが、投げたボールは中々あたらない。 しばらくすると彼は飛んでいってしまった。 ・・・主人が来るのを待っているのだろうか? 「-はにらみつける・ねこだまし・メガトンパンチ・かみつく、か。 ねこだましで先制し、メガトンパンチで攻撃する、と。攻撃能力も高いし、優秀だな」 「そうですね。うちにはノーマルタイプもいませんし」 私の覚えている技らしい。人間の手には赤くて四角いものがある。 あれで分かるのだろうか。 そうだとしたら、私達ポケモンより、人間の方が分かっているのかもしれない。 「主人」 「ん? 俺か?」 頷きながら尋ねた。「私は戦うのか?」 「そうなるけど、嫌か?」 人間は特に表情を変えなかった。 「嫌じゃない。けど、この子が危ない時は・・・」 主人はとても嬉しそうに、了解したと答えた。

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