5スレ>>168

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- 1.バレンタインデー - ~カイリューの場合~ 「マスター! これ!」  満面の笑みで主であるドクターに丁寧にラッピングされた包みを渡すカイリュー。  中身は、今年は生チョコをつかったチョコレートらしい。普通である。 「ああ、ありがとう」  嬉しそうに受け取り、カイリューの頭を撫でるドクター。  カイリューは気持ち良さそうに目を細め、一番欲しかったご褒美をもらった。 ~ヤミカラスの場合~ 「主人、今年も特別製だ。ありがたく受け取ってくれ」  悪戯っぽい笑みを浮かべながら包みを渡すヤミカラス。  ドクターは、嫌な予感がするのか引き攣った笑みを浮かべながらソレをあける。  すると…中から出てきたのは、幼虫をかたどったチョコレート? であった。 「頑張って作ったんだ、残さず食べてくれよ?」  ヤミカラスのその言葉に、ドクターの逃げ道はなかったそうな。  なお、幸い中身は普通のチョコだったらしい。 ~ウインディの場合~  トントン、とドクターの肩が後ろから叩かれる。  何だろう、とドクターが振り向くと…。 「ん………」  ウインディに口付けをされた。  思わず気が動転したのか目を白黒させるドクター、なすがままである。 「……っは……」  若干チョコレート色の銀糸が、互いの口を繋ぐ。 「……………」  きょとんとし、顔を真っ赤にさせているドクター。  ウインディは、何も言わず……音速に迫るか、という勢いでその場から逃げていった。  そして…。 「や、ちょ。ちょっとウインディ…冗談を本気にして行動したのはそっちじゃ……ぎにゃーーーーっ!?」  ヤミカラスの悲鳴が遠くから聞こえた。  どうやら、彼女の入れ知恵だったらしい。 - 2.コタツ - 「……はふ…」  幸せそうな吐息を漏らすコタツリュー、ならぬカイリュー。  今晩はドクターが学会へ出席する為に不在で、更にウインディとヤミカラスもドクターの補助で不在。  本当は連れて行ってもらいたかったカイリューだが、自分までいなくなると診療所がガラ空きになるので我慢の子である。 「……ぁふ…」  もぞもぞと動き、尻尾でみかん箱を引き寄せる。  本来はこんな使い方をできるはずないのだが、これも一種の適応進化であろうか。 「…………くー…」  結局外来もなく…。  今日一日、文字通り炬燵から一歩も出ずに過ごしたカイリューであった。  帰ってきたヤミカラスに開口一番で。 「やっぱ君コタツリューに改名しなよ」  といわれても、強気で否定できなかったのは秘密である。 - 3.名前 - 「え…名前?」  晩御飯の時に、カイリューが言い出したある事を言い出した。 「うん…考えてみたら、私達って固有の名前ないな。って」  その言葉に、ふむ。と考え込むドクター。 「私は今のままでもいいと思うけど…」  でも、やっぱり欲しいかな。と呟くウインディ。 「まぁ…結局名前なんて固体識別の手段に過ぎないさ」  何かあったのか、微妙に斜に構えるヤミカラス。 「んー…いや、考えてた案はあったんだよ。言い出す機会もなかったんだけどね」  ドクターがぽつりと呟く、すると…。 「「「ほんと!?」」」  一斉に食いつく3人娘、微妙に斜に構えてたヤミカラスも一緒だ。 「うん…ウインディは、フラメ。フランス語の炎をちょっともじったんだ」  その名前に、嬉しそうにはにかむウインディ。 「ヤミカラスは、十六夜」 「ふふ、中々にいいセンスじゃないか」  まんざらでもないのか、ニヤつきを抑えられないヤミカラス。 「そして…カイリューが…」 「いや、言わなくてもわかるよ。主人」  ドクターの言葉を遮るヤミカラス。  そして、口を開いた。 「コタツ、だろ?」 「ヤミちゃん!?」  がぁぁぁん、と言った顔を浮かべるカイリュー。  そして、泣きそうな顔でドクターを見るカイリュー。  ドクター、微妙に目を逸らした。 (……まくら、って考えてたなんて…今更いえないよね)  少しだけ、沈黙が重かった。  余談だが…この騒ぎからしばらくの間、名前について議論が交わされる事はなかったという。 - 4.貧乳はステータスだ! と言い切れるほど割り切れるヤツばかりでもなし - 「……………」  珍しく、何やら真剣な表情で広告を眺めるヤミカラス。  見てるモノは、女性モノの下着。  ソレとは…。  寄せてあげるブラ、と俗に言われるモノである。 「………………」  真剣に、財布の中のお小遣い…給料、のような形でドクターから支給されているお金を数えるヤミカラス。  ぎりぎり、である。  他にも欲しいものとかがあるのに、コレを買うのはいかがなものか。とも理性が推し留める。  しかし、だがしかし。 「………ほら、いいかげんコタツから出なさい」 「えー、もうちょっとー…」  もはや、コタツの主と化したカイリューと。ソレを引き摺りだすウインディを見る、主に胸を。  ウインディも、それなりのボリュームで…カイリューに至っては種族の違いというものを圧倒的に思い知らされるほどの大きさであった。 「…………」  思わず自らの胸を触る。  貧弱であった、泣きたくなるくらいに大草原の小さな胸である。 「………………」  その後、彼女がソレを購入して着用したのは言うまでもない。 - 5.お洗濯 - 「~~~~♪」  今日はとても良い天気、思わず鼻歌が出そうなくらいの洗濯日和。  というワケで、診療所の母ポジション。と外来患者にひそひそと囁かれているウインディはご機嫌であった。  洗濯物を次々と、テキパキと洗濯機へ放り込み…。  寝こけているドクターをベッドから落としてシーツを剥ぎ取る。 「…………」  そして、ソレを洗濯機へ放り込む前に。  ぎゅっと抱きしめる。 「……えへへ」  洗濯を一手に引き受ける、彼女の役得と言えよう。  洗濯機を回した後は、洗濯し終わったヤツをどんどん干していく。  この、綺麗になったばかりの洗濯物達が。風にはためく姿をみるのが彼女はとても好きなのだ。  余談だが……。  萌えもんの下着を専門で盗む下着ドロが、最近捕まったらしい。  全身火傷の上、物凄い勢いで跳ね飛ばされたような全身打撲だったそうな。 「………ヤミちゃん」 「言うな、そして指摘するな。洗濯モードのウインディは刺激しないのが一番だ」  怖いね。 - 6.膝枕 - 「……んーむ…」  小指で耳をしきりにほじくる動作をするドクター。 「耳が痒いの?」  ウインディがそれに気付いて尋ねてみると、ああ…こそばゆい。と応えるドクター。 「じゃあ、ほら…横になって」 「ん、お願い」  耳かきを用意し、正座すると…ぽんぽんと自らの膝をたたくウインディ。  ドクターも、まるで当たり前のように横になり…そこに頭を乗せる。 「あーあ…もう、こんなに溜めちゃって」 「そんなに…ある?」 「これでもか、ってくらいにね」  クス、と笑み…耳かきで耳垢を丁寧に掃除していくウインディ。  その手際のよさに、たまにビクっと体を動かす事があれど…ドクターは静かに身を委ねる。 「…うん、今度は反対側…あら?」  そして、片側が終わる頃には…。  ドクターは見事なまでに熟睡していた。 「もう……子供みたいなんだから」  暖かい、苦笑を浮かべながら…ゆっくりと楽な姿勢へと変え…。  窓から差し込む暖かい日差しに、そしてソレが誘う眠気へと身を委ねる。  今日も、診療所は平和であった。 - 7.診療所のお客さん - 「…うん、コレはとても痛かったね…でも、もう大丈夫だよ」  ヤミカラスに処方する薬品の指示を出しながら、患者である男の子の頭を撫でるドクター。  あまり規模の大きくないこの町には、完全に患者をカバーできる病院がない。  その為、近場の住民はもっぱらドクターの診療所を利用するわけだが…。 「次の方ー」  男の子の診察、治療を終え…次の患者を呼ぶドクター。  すると、ウインディに付き添われて入ってきたのは…ぐったりとしたまだ幼いアーボ。  なんでも、一緒にいる仲間の大きいアーボの真似をして大きいものを飲み込んでしまったらしい。 「うん、これなら大丈夫だよ」  しかし、慌てる事無くいつもの調子で診察を開始するドクター。  最初こそ萌えもんを当たり前のように持ち込まれる事で面食らう事もあったようだが…。  診療所を継いで10年近く、もはや日常茶飯事であった。  たまーーーに、困る事もあるらしいがソレはまた別の話。 - 8.ソレは僕が悪いのかい? -  「……コレは、一体?」  ドクターが朝、お休みの日に目覚めると…。  縛られていました、蓑虫みたいに。 「おはようございます、ドクター」  なんだか、にこやかなのだけど…とても怖い声がします。 「やぁおはようウインディ、なんで僕はこんな格好なのかな?」  さすがに抗議の声を上げるドクター。  しかし、ウインディはそれに応えず…何かを取り出す。  ソレは…いつも着ている白衣でした。  口紅によるキスマークつきの。 「…………あ゛」  昨日ウインディが席を外してる間に、患者萌えもんのマスターであるお姉さんからつけられたキスマークでした。  ウインディに見つかる前に、こっそりとなんとかしようとしてたのですが……。 「あ、違うんだ。コレは昨日治療したニョロゾのマスターさんから…」 「……言い訳は以上ですか?」  のーぅ、既に死刑執行ターーーイム!?  顔面蒼白のドクター、そして……。 「ほふぅっ!?」  くぐもった悲鳴が診療所に響いたそうな。 「ヤミちゃん…ドクター助けた方がいいんじゃ…?」 「ウインディの可愛い嫉妬さ、死にはしないよ……多分」 「多分?!」 - 9.診療所ファミコン事情 - ~ウインディの場合~ 「え? ファミコン?」  あまりゲームに対して良感情を持っていないのか、渋い顔をするウインディ。 「まぁ、そういわないで。騙されたと思ってやってみなよ」  まぁまぁ、と宥めながらコントローラを渡すヤミカラス。  ゲームは…スーパーマリ○ブラザーズ、中々に骨董品である。 「マリ○かぁ……」  言いつつ、ピコピコと動かし。クリボーにやられ、穴に落ち…ほどなくしてコントローラを置く。  ヤミカラスの説得も、珍しく通じなかったようだ。 ~ヤミカラスの場合~ 「勿体無いねぇ…」  やれやれ、と呟きながらカセットを入れ替える。  元々コレは押入れの奥底から出てきたモノなのだが、割と彼女の好奇心をくすぐったようだ。 「ほんじゃ、続きでも…」  ゲームは、ドラゴンクエス○3。  ピラミッドを超え、おうごんのつめを売り払ってウッハウハなところからのスタートだ。 ~~~~~~しばらくお待ちください~~~~~~ 「………………」  残念ですが、ぼうけんのしょの1も2も3も消えちゃったらしい。  ヤミカラスはこたつにもぐりこみ…。  ないた。 ~カイリューの場合~ 「ヤミちゃん……」  コタツにもぐりこみ、シクシクと珍しく涙を流すヤミカラスに同情の視線を向け…。  カセットを入れ替えるカイリュー。  ゲームはレッキン○クルー、マリ○がビルの解体をするゲームだ。  しかしこのヒゲ親父、ノリノリである。 「今日はどんなステージつくろっかなー♪」  作っては壊し、作っては壊すという動作を繰り返すカイリュー。  彼女は密かに…お小遣いを溜めて中古のスーパーファミコンとシム○ティを買おうと狙っているそうな。 ~ドクターの場合~ 「…お、懐かしいな…ヤミカラスが引っ張り出したのかな?」  ファミコン本体と、カセットの詰め合わせを発見する。  少し考え込み……カセットを入れ替え、ゲームを起動する。 「あー…データ消えてるか、まぁしょうがないよね」  呟きながらゲームを進め…戦車、を手に入れる。  そして鼻歌交じりに地面に落ちている武器やらを回収し…。 「今回は、装甲タイルと副砲なしでやってみるかな」  かなり昔でありながら、印象強く残る記憶を元にゲームを勧める。  この男、根っからのメタルマック○信者であった - 10.好き?嫌い? - ~カイリューの場合~ 「ねぇねぇマスター?」 「ん?」  カルテを整理し、コーヒーを啜るドクターにカイリューがにこにこで話しかける。 「私の事好き?」 「ああ、好きだよ」  ドクターのその回答に、えへへ。と顔を綻ばせるカイリュー。  まだ、彼女には…LikeとLoveの違いは早いのかもしれない。 ~ヤミカラスの場合~ 「主人」 「ん?」  あ゛ー、とオッサンくさい声を上げながら腰を捻るドクターに。静かに声をかけるヤミカラス。 「私の事…好き、かい?」 「ああ、好きだよ」  穏やかに笑い、ヤミカラスの頭を撫でるドクター。  多分、Likeの事だろうな。と思考の中で結論をつけるが…。 (今は、これでも。いいかな)  その、頭を優しく撫でる手に身を委ねられる幸せに。浸っていたかった。 ~ウインディの場合~ 「…ドクター」 「ん?」  パジャマ姿で、就寝前に。  恐る恐る、と言った形でドクターに話しかけるウインディ。 「私の事……好き?」 「……あー…」  不安そうなウインディの眼差しに、困ったように頭を掻くドクター。  そして、恥ずかしそうに…口を開く。 「好きだし、大切にしたいと思うよ」  ティーンエイジャーでもないのにね、と顔を紅くし苦笑する。  ウインディには、それで十分だった。 「うん…私も、大好き。おやすみドクター!」  更に顔を紅くしたドクターを尻目に、尻尾を振りながら自室へ逃げるように向かう。  今夜は、とても良い夢を見れそうだ。

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