5スレ>>199

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「せんせーどうぞー!」 「んー、どうもなー」 今日はバレンタインデーだ。うちの子たちからもチョコをもらうわけである。 しかしだな、いくらチロルチョコみたいなちっちゃいチョコばっかりでもちりも積もれば山となるわけで。 つまり食いきれるかわからんというわけだ。 さらに言うならランターンのやつだ。 「マスター、これどうぞ~」 「へ~、手作りかよ。上手いもんだよな~」 そう言って1つ口の中にほおばる。 ランターンが作ったのは生チョコレートで口の中でとろけるようだった。 「ん!こりゃ美味いや!」 「そういわれると作った方としてはうれしいですね~」 たしかに美味かったんだがこの後の一言。それがとても痛い。 「ホワイトデーは期待してますからね~。あ、あたしだけじゃなくて他の子からももらったらちゃんとお返ししてくださいよ~?」 ピシッ!っと俺は固まってしまった。 何を言ってるんだこいつはと。ここにすんでるやつからご近所さんまで大量にもらってるんだぜ?チロルを。 どうしようかと考えてる間に増えていくチロル。 だめだ…。とりあえず資料作ってよう…。 その夜、大量のチロルを食べつつ仕事をこなしていると、オオタチが部屋に来た。 「先生、今暇?」 「んー、そろそろ一区切りつけようと思ったとこだ」 なんか様子が変だな。 「なんかおかしくないかお前」 「えっ!?な、なんのこと?」 普通に変だ。声が裏返ってるし。 ん?なんか後ろに隠してんのか? 「お前、その後ろの何だ?」 「先生!こ、これ!」 これは…… 「もしかして…チョコか?」 「べ、別に先生のために作ったわけじゃないのよ!? ランターンさんが無理やり作ろうなんていうからで別にそんな深い意味はないのよ?」 この後もなんか色々言い訳みたいなこと言ってたが長いので省略。 ぶっちゃけて言えば往生際悪すぎだろ。いや、もらう立場なんだけどさ。 「先生が要らないなら別にいいのよ?みんなに配ってくればいいだけ…ってああ!」 俺はごちゃごちゃ言ってる間に箱を開けて1つ、口に入れる。 なんかランターンと同じもののはずなのに心なしか味が違う気がする…。 「な、な、なんで勝手に食べてるのよっ!」 「だって俺に持ってきたもんだろ?もらったもんは食うさ」 ホントに往生際が悪いな。 「だからって勝手に食べなくても…」 「ごちゃごちゃ言ってるお前が悪い」 「味が変かもしれないし…」 「普通に美味いぞ、これ?」 「形だって悪いし…」 「手作りなんだろ?そんなもんだろ」 だんだんと顔が赤くなってくオオタチ。そのやり取りの間に全部食っちまった。 「あと、ほかにも…」 「あーもう!しつこいな、おまえは!」 俺はオオタチを抱きしめて言った。 「すげー美味かったよ。ありがとうな、オオタチ」 「っ~~~~!」 もう顔が真っ赤なオオタチ。なんかすげーかわいいんだけど…。 はっ!いかんいかん。そうじゃなくてだな… 「だからさ、また来年でもいいから作ってくれよな」 オオタチはコクリとうなずくだけだった。 はっ、っと気づく。 「ああ、すまんな。抱いたりして悪かった」 「先生の……バカー!!」 パン!といい音が響く。 うん。まあ、普通抱きついたりしたらそうなるよな。 次の日… 「あれ、マスターほっぺたどうしたんですか~?」 「なんでもない」 「なんでもないことないですよ。まっかっかですよ~?」 やけに食いつく気がするなこいつ。 そのとき、カラカラがこっちの方に近づいてくる。 《マスター、オオタチねーちゃんにおこられたー》 「なにしたんだよ」 《マスターのはなししただけー》 もう、かんべんしてくれよ…

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