5スレ>>214

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 「……も……する……、…なさ……ごめ……い…」 誰かがなにか言っていた。 顔を見ようとするが、力が入らない。  「………っっ」 ―――雨。冷たいという感覚も薄れてきている。 ―――血。地面に流れる。とめどなく―――― その夜、彼女は何かを言い続けた。何を? 誰に?何のために? そして、彼は消えた。記憶から、セカイから―――  「……んんっ…」 差し込む光に思わず眼が眩む。窓から暖かな光が差し込んでいた。  「ここは……」 そこにあったのは見知らぬ部屋。外には全く知らない風景が広がっている。  「気がつきましたかー?」 いきなり開かれたドアから少女が入ってくる。その容姿に彼は驚いた。  「…なにをじっと見てるんですか…?何か顔についてます?」  「あ…いや…その…その服装とかって…いわゆる…『こすぷれ』?」 ありのままを、ありのまま訊く。 そりゃそうだ。 某アニメーションで人気を博し、 今では世界の人気者である黄色いもんすたぁそっくりの衣装をまとった少女が目の前にいるのだから。 しかし。  「はぁ!?何言ってるんですか?これがありのままですけど… っていうか初対面の人にいきなりそれは無いでしょう…」  「う…それは…その…ゴメンナサイ…」  「まぁ仕方ないですかね~…人間は『こっち』に来れないはずですから…」  「『こっち』?…何のこと?」  「私たちはここが普通の「セカイ」ですから…あなたのセカイのことは、こっちでは『人間界』って呼んだりしてますけど…」  「………???」  ((わけがわからない…。頭が混乱してきた…。とにかく、俺はこすぷれみたいな服装が普通な、へんちくりんな世界に来てしまった…ということだけわかる。))  「なんだかわかってなさそうですけど……そっちのセカイからこっちに来る人って大抵、病んでる人が多いんで、私たちを見ても驚かないんですけどね… この前来た人なんか『嫁』がどうたらこうたら叫んでましたっけ…」  「…ん、人間は俺だけじゃないのか?」  「はい。本当はあり得ないことらしいんですけど…ここはそっちのセカイとは完全に隔絶されてるハズですから… こっちからそっちにいく方法も今のところは無いんですよ。……ところで、昨日はなにがあったんですか?道端で血だらけって…サスペンスじゃないんですから…」 ――――昨日のこと。思い出そうにも、何も思い出せない。覚えているのは、頬をたたく雨と、血と……………  「………っっ……」  「ふぇっ?どうしたんですか?急に…」 涙。零れ落ちる。この感情はなんだろう。抑えきれない…想い、とめどなく――― 一通り泣ききったところで、少女に問う。  「そういえば…君の名前は?」  「あ、私の名前ですか? ピカチュウです。よろしくお願いしますねっ」  「……名前まで同じか…」  「? なにかおかしな所でも?」  「あ…いや…別に……」  「………」 変な空気になった…これは切り替えなければっ、と思い口を開く。  「そっ…そうだ、俺以外の人間はどこに?」  「この村から遠く離れたおっきな病院に連れて行かれます。たぶんあなたは大丈夫でしょうけど…病院の名前は…えっと…萌え精神病院…だったかな?」  「…そうなのか…変なことしたら大変なことになるな…」 普通の病院ならまだしも、精神病院という響きが何ともいえず不気味で少し寒気がした。  「……俺は…どうなるんだろうな…」 弱気な言葉をつぶやく。  「? 何か言いました?」  「いや…独り言…」 まだこの頃は、『なるようになれ』と、思ってた。でもそれは…… 現と幻。 夢と現実。 きみとぼくは、表と裏。 混ざり合うことのない、あなたとわたしのおはなし―――― 続け… あとがき いやぁ~お初になります。SSってむつかしいな… 文章稚拙ですが、ありきたりなストーリですが、読んでくださった方には御礼申し上げます。 最後引っ張っちゃったけど…続くといいなぁ… コメで「止めろ」って言われるまでは書くつもりなんで… 願わくば、末長~いお付き合いを…。 それでは、次回お会いできることを願って。                                          2月某日。

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