5スレ>>221

「5スレ>>221」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

5スレ>>221」(2008/02/28 (木) 16:38:44) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

※どうも、零です。 企画、もえもん学園を舞台にした、零作、第三弾その1です。 今回は、バレンタインでの出来事のハクリュー編。 今回このSSを書くに当たって、ぺる氏、[End]氏、ストーム7氏、Capri氏、鳥嫁氏、メッケーモサヌ初号機氏のキャラをお借りしています。 お暇があればぜひどうぞ。 St.Valentine's Day         “The eternal triangle ~貴女も私も君がスキ~” 2月13日、窓外の空は雲も疎らに晴れ渡っているものの、やはりまだまだ肌寒い日の昼休み。 私は、最近何かと忙しい生徒会を手伝っていた。 「ねぇ」 この時期、話題になるのはやはり『あの日』のこと。 そして今日もその話題が挙がる。 興味津々な様子で皆に聞いたのは、生徒会会計のペルシアンさんだ。 「今年はみんなどうするの?」 「…なにが?」 聞き返したのは生徒会長のサンダーさん。 「なにがって…バレンタインに決まってるじゃない」 「ああ…もうそんな季節なんですねー」 ペルシアンさんの、当たり前でしょ、と言わんばかりの返答。 即座に反応したのは、私にとっての一番の親友でもある生徒会庶務のシャワーズさん。 思い人のことを考えるかのように窓外の空を見つめる。 会長さんも、窓の方を見て何か考えを巡らせ始めた。 「そうだな…今年はあたしも何か買おうか」 真剣な表情で悩んでいる。 会長さんは、去年まではランターンさんから貰っていたらしい。 ランターンさんは料理とか上手だしね。 「え?買うの?手作りのほうが喜ぶんじゃない?」 「え…別に買ってもいいだろ」 「ダメよ、ちゃんと作ってあげなきゃ、いつも手作りを貰ってるんでしょ?」 「う…まぁ…」 困ったような表情を浮かべる会長さん。 (会長さん、今年は手作りの何かにチャレンジかな?) 手作りに挑戦する会長さんを想像して、少し笑みを零す。 会長さんにはばれないようにね。 それにしても、会長さんをこうも簡単に丸め込めるペルシアンさんすごいな…。 副会長ハピナスさんの扱いも上手いし。 (機転が利くって言うのかな、頭の回転が速くて…) そんなことを思ってると、私とシャワーズさんにも矛先が向けられる。 「あんたたちは?…まぁ聞かなくてもわかるけどさ?」 「う…」「まぁ…」 二人とも思わず顔を赤く染める。 そう、私たちには渡す相手がいるのだ。 とはいっても、私は別に本命とかそういうわけじゃない。 サンダースとは幼馴染なだけで、チョコをあげるのは毎年恒例のようなもの。 (まぁ、そう言っても生徒会の人は信じてくれないけどね…) ちなみにシャワーズさんはおそらく本命。 エアームドさんにあげるのだろう。 「あんたはどうなんだよ」 「私?私は相手なんていないわよ」 「ホントか?」 「ええ、あとハピナスとかどうなんでしょうね~」 「私も別に」 「ふ~ん」 そんな会話も一年にこの時期だけ、これはこれで楽しいものだった。      ********** ――――――放課後――。      ********** 部活終わり。 ハードな練習で疲労の溜まった後でも、やはり盛り上がるのは『あの日』の話題。 「部長ー、やっぱり部長はサンダースですかー?」 「まぁ…そうですね」 「ですよねー」 「別に深い意味はないんですよ?」 「えー」 カモネギさんとはいつものやりとり。 アゲハントさんはなにやら考え事してるけど、今年はアゲハントさんも何か行動にでるのだろうか。 「(アゲハントさんは今年どうするんですか?)」 「(いや、あの、はい…)」 「(ふふ…やっぱりなにかするんですね?)」 やはり何か計画してるようだ。 タンバ合宿以来、アゲハントさんとのこんな絡みも日常的になってきた。 「なになにー?」 他の部員にはばれないようにだけど。 「なんでもないですよ、カモネギさんは?」 「んー、まぁ、ストライクには毎年あげてるけどねー」 「まぁそうですよね」 そんな話も束の間、私たちはそれぞれの帰路につく。 もう既に空は暗闇に覆われていた。      ********** ――――――その夜――。      ********** 「う~ん…」 台所で悩む私。 毎年毎年意外と悩む。 ちなみに、今日はサンダースはうちには来ない。 用事があると言っておいたから。 「一昨年はチョコレートマフィンだっけ?…去年がトリュフ…む~…」 無意味に頬を膨らませて考える。 相当悩んでたらしく、お姉ちゃんに見つめられていたのにしばらく気が付かなかった。 「…?どうしたの?」 「いや、楽しそうだなって」 何故かニヤニヤしているお姉ちゃん。 からかう気満々のようだ。 「やっぱり好きなんでしょ?」 「だからぁ~」 「じゃなかったらそこまで悩まないよ」 「うぅ…」 サンダースのことでからかわれるのに滅法弱い私。 話題を変えようと、ミニの方を見る。 「ミ、ミニは誰かにあげないの?」 「ふえ?」 「あはは、ミニに相手なんているわけないじゃん」 お姉ちゃんは笑い飛ばし、ミニは頷く。 いや、そこは頷かないで反発しなきゃ、バカにされてるんだから。 「もう…そういうお姉ちゃんはどうなのよ?」 「私?私にも相手なんていないよ、時間もない」 「…まぁそうだけどさ…」 普段の日常を見る限りじゃ、たしかに毎日大変そうで、時間なんてなさそう。 なさそうだけど、相手がいないことはそんなえばることじゃ…。 本人は気にしてないようだからいいんだけど。 「で?どうすんの?」 「う~ん…」 問題の結論はまだでていない。 なかなか決まらないので、なにかないかと台所を離れて本を探す。 その探している間に、お姉ちゃんから思わぬ提案がでた。 「ハートでいいじゃん」 「…え?」 「ハート」 今まで、それにしようかと悩んではやめ、悩んではやめ、ずっと避けていた案を、軽く口にされる。 「…まぁハートも考えたけどさ…それもう好きって言ってるような気がして…」 「好きなんでしょ?」 「…」 それは好きだけど。 好きか嫌いかって言われれば好きだけど。 「それにハートにしたから好きだってのも考えすぎ、女の子なら普通でしょ」 「…そうかな」 「そうよ」 「…うん」 なんか成り行きで決まってしまった。 丸め込まれたような気がしないでもないけど…。 (まぁたまにはいいよね…) とにもかくにも、ハート型のチョコクッキーを作ることになった。 ********** ――――――翌日――。 ********** 『あの日が』やってきた――。 昨日と同じ、肌寒いが晴天の空。 だけど、昨日とはまるで空気が違う。 暖かく華やか、それでいて緊張感の漂う。 そんな空気が、恋する者達のソワソワを後押しさせていた。 今年は私も、そんな恋する一人のように、ドキドキしていた。 そう、今日はバレンタイン――。 ********** ――――――放課後――。 ********** 部活も終わった。 生徒会の手伝いもない。 私はサッカー部の練習が終わるのを待っている。 あたりは既に真っ暗、グラウンドを照らす明かりが、サッカー部員も照らしだす。 (なんでこんなにドキドキしてるんだろ…) 悩んだ末に、作ってしまったハートのチョコクッキー。 どんな反応をしてくれるんだろう。 カモネギさんとアゲハントさんはうまくいっていた。 私もうまくいくだろうか。 (はぁ…ただのバレンタインなのに…なんでこんな悩んでんだろ…) 最近、合宿やら生徒会やら家やらの出来事で、サンダースに対して変に意識をするようになってしまっている。 (…好き、か…) 好きといわれればそれは好き。 愛といわれれば愛ではない。 恋といわれれば…? どうなんだろう…? 最近わからなくなっている。 (…まぁこれが恋だとしても、それが実るとは限らないけどね…) そんなことを寒い風の吹く中考えていると、声が掛かる。 「ハークー!」 サンダースの声。 いつの間にか練習は終わっていたようだ。 私の目の前にやってくる。 「あ、お疲れさま」 「うん」 「ね、サンダース」 「うん?」 今がチャンス――なのだが、渡すのを少し躊躇う。 サンダースもいつもとは違う私の様子に、怪訝な表情を浮かべる。 サンダースのことだ、恐らく今日が何の日かなんてわかってないだろう。 「あのさ…」 「どしたの?」 心を決めて、リボンでラッピングした袋を渡そうとした。 と、その時、 「先輩ー!」 さらなる声が掛かった。 その声の主はこちらに走って近づいてくる。 「「…?」」 「あの…渡したいものが…あ、ハクリューさん…こんばんわ…」 サッカー部マネージャーのエレブーさん。 なにやら、サンダースに想いを寄せているらしい女の子。 その手には可愛らしい箱が握られている。 「こんばんわ、エレブーさんもですか?」 「へ?…あ」 エレブーさんも私の持つ袋に気づいたようだ。 「はい…」 何か、私の中から力が抜けたような気がした。 さっきまでのドキドキがウソのように、一気に楽になった。 「なになにー?」 サンダースの鈍感な反応にも、思わず笑みが零れる。 「はい、サンダース、今日はバレンタインだよ?」「先輩…私も…」 「ふえっ!?」 急なプレゼントに慌てふためくサンダース。 「え…あ…ありが…とう…」 「ふふ…」 そんなサンダースの様子を見て、私とエレブーさんはしばらく笑いあった。      ********** ――――――その夜――。 ********** 夕食を食べ終えて部屋に戻る。 私の部屋には、今日あげたチョコクッキーを、今まさに食べているサンダース。 「どう?」 「ん…うまいよっ!」 「そう、良かった」 特に形に関しては気にしてないよう。 あんだけ悩んでいたのが馬鹿みたいに思えてきた。 (ま、実際こんなもんか…) そう思って、ふふ、と微笑む。 「ん?」 「ううん、お返しは期待してもいいの?」 「うえ!?う~ん、まぁ」 「ふふ…まぁ楽しみに待ってるよ」 「うん!」 任せろ、とでもいうかのように頷くサンダース。 どうせいつものように忘れるに決まってるけどね。 (ふぅ…) 昨日今日でなんだかどっと疲れた。 そういえば今頃みんなはどうしているのだろう? それぞれ恋人同士で時間を過ごしてるのかな。 (恋人…か…) まだ私には早いかも…ね。 ~~あとがき~~ 遅れてしまって申し訳ありません;; バレンタインはくりぅ編、いかがでしたでしょうか? 書くのムズいですねコレ;; 甘々というよりほのぼになっちゃいましたよ;; それでもお楽しみいただけたなら幸いです。 ちなみに、合宿とは、私の企画作品の第二弾の剣道合宿のことです。 興味が湧きましたら、是非そちらも読んでくださると嬉しいです。 次回は三つ子編! この物語は、ぺる氏、[End]氏、ストーム7氏、Capri氏、鳥嫁氏、メッケーモサヌ初号機氏からも、キャラをお借りしています。 上記の方々と、この企画に携わった全ての方々に、深く感謝いたします。 最後に、こんなものに付き合っていただき、本当にありがとうございました。m(__)m 第三弾、できあがったらまた見てもらえると嬉しい限りです。では。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。