5スレ>>230

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結局、この日は体が痛みずっとベッドの上であった。 彼は1日中考えていた。 『ここ』のこと、『自分』のこと。 ――――自分?俺の名前は…えっと…確か、"セツナ"だったか…? 「自分の名前に自信が無いなんて…」 年齢は18~9くらい。そういうことは思い出せた。しかし、 「それ以外はさっぱりだな~…」 自分の生い立ち、家族、好きなモノすらも。 自分がどこにいたのか、どこに『生きてきた』のか。 なぜか、思いだせない。 まるで、自分が自分で無い様で歯痒かった。 「だぁぁぁっ! 考えてても仕方ないし……寝るっ!」 と 彼は言い、そのまま布団にくるまった。 ――――――2日目。 「……んんっ」 陽射しで目がさめる。今日はなんだか体が軽く感じられた。 ドアを開き、隣の部屋へと入る。…どうやらダイニングのようだ。 ログハウスのような木造で、二階もあるようだ。どこか、懐かしい感じがした。 ……とは言っても、彼には記憶が無いのだが。 「おはようっス~よく眠れたっスかぁ~?」 …と、どこか気の抜けた声が。 奥の方にあるキッチンから、緑色の髪をした女性がフライパンを持ったまま出てきた。 「眠れたかって訊いてるんっスけど~…?」 「え!?あ…あぁ…まぁ…」 なんだか緊張してしまって返事がつまってしまった。 「変な人っスねぇ~ ま、そんなもんですか。適当にイス座っといてください~」 …なんだか好印象は与えられなかったようだが、とりあえず言う通りにし、イスに腰掛ける。 緑髪の女性は、フライパンの料理をさっさと皿に盛り、キッチンへと戻って行った。 料理が終わるのを待ってる間に、ピカチュウも2階から降りてきた。 緑髪の女性もピカチュウが降りてきてすぐにキッチンから出てきた。 「んじゃ、どーぞ召し上がれ~」 緑髪の女性が言うと、すぐさまピカチュウは、 「いただきますっ!」 と言ってメシにがっついた。 料理は意外と和食だった。焼き魚、白いご飯、味噌汁。 セツナも食べ始める。 「うまいっスかぁ~?」 と、緑髪の女性が訊いてくる。 「あ、はい。かなりおいしいです…」 言葉の端が小さくなってしまったが、本当に美味しかった。 なんというか…おふくろの味? ……と言っても彼には記憶がないのだが。 箸を進めていると、ピカチュウが訊いてきた。 「そういえば、あなたの名前聞いてませんでした…なんて名前なんですか?」 この際だから緑髪の女性にも挨拶しておこうと思い、 「えと…セツナっていいます。拾ってくださり、有難う御座います」 なんて、片言の敬語を使ってしまった。 「うぃ~ 私の名前はナッシーっス~そっちの黄色いのは…知ってるんスよね?」 「黄…黄色いのって!失礼な!」 「ま~ま~。とりあえずよろしくっス~」 こうして、セツナはナッシーとピカチュウの家に居候することとなった。 朝食も終わり、ぼへ~っとしているとピカチュウが寄ってくる。 「家の中にずっといるのもあれですし、村案内しますよっ! どうせ教えなきゃなんないんだし、善は急げっていいますし!」 てなわけで、今日は村の観光をすることとなった。 ピカチュウとともに家を出、歩みを進める。 「ところでさ、家の近くに畑あったろ?」 「えぇ。あそこの野菜は必要な人が必要なだけ、だから無償なんですよ~」 「それはそうと、川ないだろ?水…どうしてるんだ?」 「それは、隣の家のジュゴンさんたちがやってくれてるんです。感謝感謝ですねぇ~」 「? 水でも出すのか?」 「えぇ出しますよ? 水タイプの方々ですから。ちなみに私は…手、出してください♪」 「ん? ほい」 何も訝しむこともなく手を差し出す。すると 「えい♪」 バチバチバチッ!! 「うおぉぉぉ!?電気!?ってか痛ッ!」 「あははははッ だって電気タイプですもんっ それにしても…いい反応してくれますねぇ~」 腹をかかえて笑われた。大☆爆☆笑!あぁ…恥ずかしい… 要するに、この世界は発電所も、水質浄化装置も、ガスもいらないってわけだ。いっつわんだぁらんど。 俺の世界は…覚えてないけど、穢れてたんだろうな…金のために働いて。生きるために星を汚して…。 「あのぉ~ぼーっとしちゃって…大丈夫ですかぁ?」 ピカチュウの言葉で我に返る。 「え?あぁ…すまんすまん」 そんな話をしていると、三叉路に着いた。 「ここから向かって左側の道を歩くと、隣町につながるトンネルがあります。隣町は…かなりデカいです。 トンネルまでの道の途中には、こぢんまりした教会があります。今では誰も使ってないんで、あまり近づかないんですけど…。」 「ふむふむ」 「それで、今度は向かって右側。こっちは海につながってます。海には…そっちの世界では…なんでしたっけ…船?ですか、 こっちには無いんですけど。なのに、なぜかでっかい…灯台?があるんですよ。何でなんでしょうね~…」 「へぇ~…」 「ちなみに、灯台にはデンリュウさんが住んでます。人間の誰かを待ってるんだって言ってましたけど… 誰だったっけ…覚えてません…」 「ほうほう」 「それで、最後にこれから向かう、向ってまっすぐの道。そのまま進んでいくと、村長さんの家があります。 多分この村で一番でっかいと思いますねぇ~。村長さんちの屋根からは、村が一望できるんですよっ まさに絶景ですよぉ~…」 「ほほう、それは楽しみだなぁ」 そんなこんなで村長さん宅に到着……って、デカっ!城か!?いや、そこまではデカくない。 でも確かに豪邸であることには違いなかった。これは…あれだ、白川郷の合掌造り。それに酷似している。と思ったが、 「……白川郷?…合掌造り?…」 自分の頭に思い浮かぶのに、詳しくわからない。というか、合掌造りって屋上行けんのか? 「ふぇ?なんですか?」 「んあぁ…なんでもないよ…それより、挨拶だ」 「あ、そうですね!じゃぁ早速… 村長さぁ~んお邪魔します~」 村長さん宅の外からそう言い、中に入っていく。ずいぶんアバウトだなぁ、と思ったが、それが自然なのだろう。 中はとても広かった。そして入った印象は…とにかく、究極の『和』だった。 とりあえずピカチュウと座って待っていると、奥から巫女装束の女性がお盆を持ってゆっくりこっちに来る…… ってえぇ!?巫女装束って!?どうなってるんだぁ!?と思ったが、隣に同じ様なのがいるので、そんなに錯乱することはなかった。 ただ思ったことは… 「可憐だ…」 「あ~セツナさんったら~…鼻の下伸びてますよ?」 小声で言われ、改まる。なんて恥ずかしいんだ…俺は。思ったことが口に出てるし。あぁ情けなきかな…。 「あの…とりあえずお茶です。どうぞ。」 お茶を差し出される。これはなかなか渋めの緑茶だ。と、お茶を眺めていると巫女装束の女性が口を開く。 「初めまして。私は、この村の村長を務めさせて頂いているホウオウと申します。以後お見知り置きを…。」 深々と礼をしてくれた。こちらも同じように、 「セツナといいます。よろしくおねがいします」 といった。見合いか…この空気は… 少しの沈黙の後、村長が口を開く。 「あ、ピカチュウさん、少しセツナさんとお話があるので、席をはずしてもらえないでしょうか…」 「わかりましたっ ピジョットさんと外で遊んでますねぇ~」 と言い、彼女は二階にいたピジョットさんを外へ連れ出していった。 「さて…何の話から始めましょうか…」 村長は少し考えたあと、こう切り出した。 「あなたは、自分がどの様にして『こちら』に来たかお覚えですか?」 「あ…いや、それが…なんだか記憶喪失してしまったみたいで…何も覚えていないんです…。 どうここに来たのかも、自分の過去も…。」 「そうですか…。それでは、この世界がどうできているかは…まだ聞いていませんね?」 「はい。あっちの世界からたまに人間が来るっていうことしか知りません…」 そして村長は語りだす。 「この世界は、あなたの元いた世界の想いが萃まって出来ています。あなたたち人間が想うからこそ、私たちはここに存在しているのです。 私たちが生まれるのも、あなたたちに想われるから。ですから、この世界に『死』という概念はありません。」 「要は想像の世界…と?」 「簡単に言うとそうです。だから、その想いが強い人間ほどこちらの世界に来やすい、ということです。 でもあなたは少し違うようですね…?」 そう。セツナがそんなこと想えるわけがなかったのである。 こちらの世界に来るまで、セツナは田舎暮らしだった。パソコンもない、ケータイもない、そんなドがつくほどの田舎人間だったのだから。 ―――当人はぼんやりとしか覚えていないが。 「でもあなたはこちらの世界に来た。いったいなぜなのでしょうか…何かしら理由があるはずですが…」 村長はしばらく首をかしげて考えたあとこう言った。 「私の知り合いに、腕の立つ占い師がいます。その人に話を伺ってください。教会の場所はわかりますか?」 「えぇ、なんとかわかります」 「それでは、知り合いをそちらに向かわせますので、そちらに行ってお待ちください。」 「わかりました。今日はありがとうございました…」 「いいえ…またいつでもどうぞ」 立ち上がり、外へ出る。ピカチュウを連れ、教会へ向かった。 ピカチュウはもう少し遊んでいたいようだったが、仕方ない、といった様子で道を案内してくれた。 「は~い到着で~す」 本当にこぢんまりしていた。天井は砕け、空が見えている。 ステンドグラスも、上半分が砕け散っていた。とても大きなオルガンが、もの寂しげにホコリを被っている。 しばらくして、黒い服を着た女性が来た。しかもちょっと…浮いている。 「初めまして。村長に呼ばれまして派遣されました、腕の立つ占い師こと、ネンドールです。よろしく」 「あ…はい。よろしくおねがいします。」 と、挨拶もそこそこに。 「それでは早速…目ぇ見させてもらいますね」 と言い、顔を近づけてくる。それも、吐息が伝わるほどに。 「う~~~~~ん……これは…」 ネンドールが顔を離す。なぜか少し真剣な表情をしている。 「…どうなんですか?俺…」 「ハッキリ言うよ。君…………死 ぬ わ。」 「はぁ…そうですかぁ………ってえぇ!!??」 ―――この日、彼は死の宣告をされた。まだ、この世界に来て2日目のこと。 海に太陽が名残を惜しむように少しずつ沈んでいっている、そんな夕方の出来事―――。 続け… あとがき まず! 第2話、読んでくださった方々に感謝を。心から。盛大にっ。 さて…どんどん展開がありきたりに、そして萌えもんじゃない方向に…… どうしよう… あ、それはそうと。主人公"セツナ"という名前にしましたが、実はなんでもよかったr(ry 人の名前考えるのすら苦手だぁ…。 7日目までには終わらせたいなぁ、と思っておりますので、飽きない限り、応援よろしくお願いします…。 止めろと言われればいつでもSTOPしますので… それでは、また次回お逢いできることを祈りつつ…。

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