5スレ>>270

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※どうも、零です。 企画、もえもん学園を舞台にした、零作、第三弾その2です。 今回は、バレンタインでの出来事の三つ子編。 今回このSSを書くに当たって、ぺる氏、BF氏、Capri氏のキャラをお借りしています。 お暇があればぜひどうぞ。 St.Valentine's Day “A three-sided fight ~人の恋路を邪魔する奴は~” 2月14日バレンタイン。 男ならば、誰しもが期待を胸に、ドキドキワクワクしながら過ごす日だろう。 そして僕もその一人。 …ここだけの話、僕は毎年チョコを貰えてるし、告白されたこともあった。 それはやはり、男として嬉しいものだ。 そして今年も、期待に胸を膨らませて、朝を迎えたのだ。 そんなバレンタインが――このバレンタインが――トラウマになるなんて、思いもしなかったんだ。 ********** 空気も凍てつく冬の朝。 まだ朝だというのに騒ぎ始めてる胸に気持ち悪さを覚えつつ、学園へと向かう。 今年は貰えるかな、何個貰えるかな、そんな期待は止むことがなかった。 その期待は直ぐに砕かれたわけだけど――。 出来事は玄関でのこと。 「うわっ!?」 自分の下駄箱を開くと、綺麗にラッピングされた箱やら袋やらが大量に落ちてきた。 「…?」 しばし茫然とする。 そのカラフルなラッピングの物体群が、チョコであろうと気付くのに数十秒、いや、自分の中ではもっと長い、数分の空白であったような気がする。 ともかく、僕の下駄箱には、大量のチョコがこれでもかというくらい入っていたのだ。 ぱっと見た感じでも20個は軽く越えているだろう。 「…あ」 周りの視線を集めていることにようやく気付いた。 どうしよう、と考え始めるが、その答えを模索する暇もなく、次なる災難は訪れる。 「「「オードーシーシー(ちゃーんー!!」(!!」(くーんー!!」 彼方から聞こえる声は恐怖の記憶を呼び覚ます三様の声。 遠方に見える姿はこれからの恐怖を実感させる三様の姿。 草っ娘三つ子の三人だ。 「お、おはようごさいます…」 「おはよー!」「ごきげんよう」「お、おはよ…」 長女のワタッコは爽やかに、次女のポポッコは上品に、末っ子のハネッコは躊躇いがちに、それぞれ挨拶を返してくれた。 この三人、みんな可愛いし、僕に好意を寄せてくれるのは嬉しいんだけど、その探求心でどうやら僕の生活を網羅し、暴いているようで、それ故に恐ろしさも感じている。 というか、こんなに性格が違うのに、本当に三つ子なのだろうか? と、そんなことを考える暇もなく、試練の時は訪れる。 「いい?オドシシちゃん!」「この中から誰かの一つだけ!」「え、選んで…!」 そう言って、それぞれ青、緑、赤のリボンのついた袋を差し出される。 「え…一つ…?」 「「「一つ!!」」」 「全員じゃ――」 「「「ダメッ!!」」」 三人とも目が真剣だ。 一人を決めるまでどこまでも追い詰めて来かねない。 かといって、ここでだれか一人を決めたら大喧嘩は免れないだろう。 「ボクっ!」「わたくしっ!」「わたしっ!」 更なる剣幕で詰め寄ってくる。 しばらく見つめあいつつ、どうしようかと考えていると、救いの鐘の音が聞こえてきた。 キーンコーンカーンコーン――… チャイムの音だ。 「あ…!あの、遅れちゃうんで…もうちょっと時間を…すいませんっ!」 そうい言い残して、有無も言わせない速さでその場から走り去る。 ********** そして朝のHRの終わった休み時間。 まさかとは思ったが、彼女等は来た。 「「「さぁ決めてっ!!」」」 「あ、う…ちょっと早すぎですよぅ…」 周りの男子からは持て囃され、女子からは恨めしい目で見られている。 「あの…そんな急に言われても…」 「じゃぁいつならいいのさっ!?」「待てる訳ありませんわ!」「……」 ワタッコとポポッコはいつものように文句。 ハネッコはなんだか潤んだ瞳、もう泣きそうな表情を向けてくる。 どうやらこれは逃げ切れる問題ではなさそうだ。 とりあえず今は追い返すしかない。 「うぅ…昼まで、昼まで時間くださいっ…!」 思わず墓穴を掘るようなことを言ってしまったが、なんとか追い返すことが出来た。 昼までに何らかの結果を出さなければならないが…。      ********** その後、特に良案を思いつくわけでもなく、時は過ぎていった。 しかし、そんなことなど関係なく、昼休み、やはり彼女らは僕を訪れてきた。 「……」 「「「さぁ!!」」」 しかし、どうにも出来ない。 「やっぱり全員の――」 「「「ダメッ!!」」」 彼女らは、一度決めたら最後までやり通す子達。 とにかく今は逃げるしかないようだ。 勢い良くイスを引いて立ち上がり、走り出す。 「「「あっ!!」」」 「「「まてー!!」」」 「…!」 三人ともすごい速さで追って来る。 さすが運動部でそれぞれ活躍している子達だ。 なんて考えている場合じゃないが。 なんとかしなければ。 と、そこに、三つ子ではない声がかかる。 「おーい!なにやってんの?」 カイリュー先生だ。 実は先生、三つ子と仲がいいらしい。 「えー?えっとねー」「オドシシにチョコを」「え、選んで貰うの…」 「なるほど、で?なんで追いかけっこになってるの?」 「「「え?」」」 三組六つの目がこちらを向く。 その動きを追うように、先生もこちらに顔を向ける。 「…いや、あの…ひとつに…絞れなくて…」 我ながらなんと情けない説明だ、実際事実なんだけど。 「ふむ、そういうことね」 先生は、得心のいったような顔で溜息をついた。 さすが昔からの仲だけあって、彼女らの行動パターンは把握しきれているのだろう。 先生は三人の方を向く。 「ねぇ、三人?」 「「「へ?」」」 想定外の向けられた矛先に、三人とも驚き、間抜けな声を漏らした。 「どうなの?絶対一つじゃなきゃダメなの?」 「うん!」「あたりまえですわ!」「あ…う…」 「でもオドシシは困ってるよ?」 三人とも僕のほうをちらりと見る。 「三人ともあげればいいじゃない」 「「「でも――」」」 「オドシシに嫌われちゃうよ?」 「「「う…」」」 先生の説得のおかげもあり、三人には、三人全員渡すことを渋々納得してもらった。 そして今は、調理室のテーブルで向かい合って座っている。 「はいオドシシちゃん!」「頑張りましたのよ?」「た、食べて…」 「う、うん…」 三色のリボンが可愛い袋を、それぞれから受け取る。 それぞれの袋を開けると、チョコ、チョコのようだが、チョコとは思えない色。 「……」「……」 その物体を見て、僕と先生、双方とも訝しむ。 「…これは?」 「「「チョコ!!」」」 「なんでこんなすごい色してるの…?」 その色は、濃緑色。 なかなかに威圧感の放った、まるで魔法の薬を連想させるような、緑。 「ふふふ…あのねぇ」「すこし媚薬を」「混ぜたの…」 「「び、媚薬…?」」 「「「うん!!」」」 先生と顔を合わせる。 僕も先生も、開いた口がふさがらない状態だ。 「そんなものどこで…」 「「「内緒♪」」」 なにやら危険を感じる。 と、先生が小さい声で話しかけてきた。 「(私が時間稼ぐから、そのうちに逃げて!)」 「(は、はい…!)」 先生は三人に近づく。 「ねぇ?」 「「「うん?」」」 この隙に、廊下へと駆け抜ける。      ********** その放課後。 あれ以来、あの三人は僕のところに来なかった。 カイリュー先生が説得してくれたのだろうか? そう考えつつ、部活へと向かう。 ちなみに僕は蹴撃部。 少しでも男を磨こうと日々練習に励んでいる。 「こんにちは」 「おお、オドシシ」「やぁ」「あら、いらっしゃい」 練習場には既に、サワムラー先輩、カポエラー先輩、ラプラス先生がいた。 サワムラー先輩とカポエラー先輩は、部活前に少し組み合いをしていたようだ。 僕を見かけて、カポエラー先輩が近づき、話しかけてくる。 「ねぇ、オドシシはどうだった?」 「どう…とは?」 「チョコに決まってるじゃん!」 「ああ…」 思い出すだけで背筋が凍る気がした。 というか、三つ子のチョコ以外も玄関に放置しっぱなしだったな…。 「まぁ…いくつかは…」 「ホント!?やるじゃん!」 「先輩方は?」 サワムラー先輩は少し顔をあらぬ方向へと向ける。 それを見て先生はニヤニヤ顔をしている。 「私は相手がいないよ~」 「まぁ…俺は…あれだ…」「ふふふ」 やはりサワムラー先輩は先生から貰ったのだろう。 一年にも満たないほど短い付き合いだが、二人の関係はよくわかる。 カポエラー先輩からも貰えるのを少し期待してたんだけど、先輩は用意していないようだ。 チョコの話で盛り上がっていると、また、急に、彼女らが来た。 「!?」 扉が開いたと思って見ると、そこには、黒と白二色のエプロンドレスに、ヘッドドレスをつけた少女達。 ここにいる誰もが目を丸くしていた。 「…その…格好は…?」 「エアームドさんにー」「ちょっとお店を」「紹介してもらったの…」 そしてワタッコの手には同じようなメイド服がもう一つ。 「……」 「チョコと!」「この服!」「さぁ…!」 後ろを見ると、先輩達はなにやら輝いた顔――まるで――期待の眼差しを向けられているような――… 「「「あっ!?」」」 廊下に飛び出て、全速力で逃げる。 「「「まてー!!」」」 もう10分は軽く追いかけっこ状態だ。 いい加減体力も限界だ。 というかあの三人はよく走り続けられるな…。 と、もう追いつかれそうという時、急に目の前の光景が変わった。 「…?」 どうやら学校…ではあるようだが、どうやらテレポートしてきたようだ。 とういうことは、 「大丈夫か?」 やはりクレセリア先輩のおかげだ。 どうやら僕と同じ、女な男の境遇にいるようで、なにかと力を貸してくれる。 「あ、ありがとうございます…」 「ああ」 しばし沈黙が流れる。 ここはどこだろう? 周りを見る限り、どこかの教室のようだが、やけに暗い。 そして、先輩が沈黙を破る。 「おい」 「はい?」 「女の子は大事にしろよ」 今の状況を考えれば不可解な台詞。 まさか全部見られていたのだろうか…。 「お前も男なんだろ?」 「…はぁ」 「じゃぁ」 「え?」 またもや急に、光景が変化する。 目の前には、三つ子の三人。 「……」 「「「いたっ!!」」」 三つ子はメイド服とチョコを差し出す。 「「「さぁ!!」」」 あれを言うためだけにテレポートさせたのだろうか? なにかが吹っ切れたような気がした。 ――…      ********** その後、オドシシと三つ子は、メイド服伝説を残したとか。 ~~あとがき~~ まぁいろいろあって相当のロスがありましたが、書いてやりました。 最後のオチがなかなか上手くいかなくて内心orzですが;; 前作品ともあわせて読んでいただけたらなと思います;; 次回は幽霊巫女編! この物語は、ぺる氏、BF氏、Capri氏からも、キャラをお借りしています。 上記の方々と、この企画に携わった全ての方々に、深く感謝いたします。 最後に、こんなものに付き合っていただき、本当にありがとうございました。m(__)m 第三弾、できあがったらまた見てもらえると嬉しい限りです。では。

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