5スレ>>363

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船の上で、ボクは手持ちの4人を解放する。ミカルゲは最初から僕の肩の上だ。 「ふわー…みぃ様、わたし海って初めてですー」 「そうなの?…はしゃぐのはいいけど、落ちないようにね?  …ドンファン、大丈夫?」 「も、申し訳ない、主…酔ってしまったようで…ボールの中にいてもよろしいでしょうか」 「ボールの中で大丈夫なの?」 「ええ、あの中ならだいぶ楽ですから。お願いします」 「う、うん」 「みみゃー」 「フライゴン…それに、ミカルゲもクロバットも気をつけて……って、大丈夫そうだね」 「私たちは浮いていますから、船の揺れなど関係ありませんわ」 「まぁ…ドンファンに関してはしゃあないな…船酔いは体質の問題もあるやろし」 確かに、3人とも空に浮いているから問題なさそう…というか… これって、3人とも船と同じ速度で飛んでるって事だよね? フライゴンやクロはともかく、ミカルゲってこの体でこの速度、何気に凄いんじゃ… 「とりあえず、船内に一度入りませんこと?潮風がきつくて邪魔ですわ」 「(…やっぱ飛んでたんだ…)うん、そうだね。ピンプク、行くよー」 「ま、待ってください~!」        *  *  * 「た~い~く~つ~なの~」 どこか、遠くの世界。いや、果たして“そこ”は世界なのだろうか。 黒と赤と青と緑の、極彩色の世界、それは―― 空間の挟間 ――。 天も地も存在せず、ただ何もないそこに、一人の萌えもんがいた。 真珠色の衣装を纏い、杖を傍らに浮かべているまだ幼げな少女に見える。 しかし、本来何もあってはならないはずの空間の挟間に存在するそのことだけで、 彼女がただの萌えもんでないことは充分に理解できるだろう。 世界を見つめる彼女は、ふと思いつく。 「んー…折角だし、前みたいに誰か、別世界に送り込んじゃおうかな?  みんな今まではほとんど帰ってこれなかったケド……人間の一人や二人くらいいいよね。  送り先はー…ギラティナが最近言ってたあの世界がいいかなあ?  …うん、楽しくなりそう♪ 誰を送っちゃおうかなー…」 言うが早いか彼女は、体の周りにいくつもの世界への窓を生み出し、物色を始める。 彼女の眼にとまったのは、船に乗っている帽子やジャケット…旅装の少年。 …彼なら、多少は骨がありそうだ。何より、少女と見まがうその外見。 「すっごい好みなのー…この子なら、楽しそう…うん、この子にしよっと♪」 ふわり、と。音のない世界で、彼女は体を回転させた。 彼に、白羽の矢を突きたてるべく。世界への窓をこじあけ、扉へと変える。     彼女の名はパルキア。空間を創造せし、神にもひとしき存在なり。        *  *  * 「ん、ここ開いてるね」 船内のフードコートの一席に腰掛ける。昼食にはちょうどいい時間で、席はほとんど埋まっていた。 みんなをボールから出そうとしたとき、誰かの声が聞こえた。 「見つけたのー♪」 「…?」 見上げれば、宙に浮いている少女がボクの目の前にいた。…しかし、何かがおかしい。 (…気づいてない?) そう、周囲の乗客たちは少女に気づいていない。真珠色の、魔法少女を彷彿とさせる衣装で宙に浮いている存在に。 その特異さに。こちらを見ている人も、彼女には気づいていないようだ…ボク以外に見えていない? 「幻覚…じゃないよね」 「ちがうのー。私はパルキアなのー」 「パルキア…萌えもんの名前…?」 確かガイドブックに名前が載っていた記憶がある。鞄から取り出そうとして――― (…体が、動かな…!声も!?) 今初めて、指一本動かせない事に気づいた。いつの間にか声も出なくなっている。 けれど、船内は先ほどと全く変わらない。…まるで、ボクとパルキアだけが別の空間にいるように。 パルキアはボクのその姿に満足そうに笑うと、それはそれは楽しそうに説明を始めた。 「これからあなたには別の世界に飛んでもらうの」 (…別の、世界!?) 「そこはこの世界と同じようで違う世界。あなたを知ってる人は誰もいない世界。  …言っておくけど、あなたに拒否権なんてないの。せいぜい私を楽しませて欲しいの」 (どういう事…?一体何が!?) 「それじゃあ…また会えるのを楽しみにしてるの。頑張って私を見つけてね?」 (まって……て…) パルキアの姿が消え、次の瞬間、ボクの意識は暗闇の底へと堕ちて行った…        *  *  * 「ん…?」 目が覚めると、そこは建物の中だった。…落ち着いたイエローの壁…どこかの会社なのだろうか、 部屋の中にデスクや情報端末などが配されている。…自分は…尻餅をついているのか。 …周囲を確認…目の前に、黒服の人間がいて、こっちに手を伸ばし―――!? 「うわぁあぁっ!?」 「お、お、大人しくしろ、侵入者ー!」 「えええっ!?」 なんか知らないところにいると思ったら侵入者扱いですか!? というか目がおかしいですよ黒服のお兄さん!? 「う、動くなよ?ボディチェックをするからな…ハァハァ…」 (うわぁ何か明らかにおかしいだろこの人ー!?) ずりずりと後ろに後退すると、すぐに壁に突き当たった。男も這うようにこちらに迫ってくる。 と、腰に当たる感触。モンスターボール…これしかない! 「誰か分かんないけど、お願いっ!」 中身も確認せずに咄嗟に手元で解放し、中の萌えもんを呼び出す。でてきたのは―― 「うみみゃー!!」 「ミカルゲ!?」 飛びだしたゴーストの萌えもんは即座に黒服男にまとわりつき、その動きを妨害する。 …本来人間を直接攻撃するのは萌えもんバトルでは反則だけど…そんな事も言ってられない! 「ミカ、催眠術!」 「ふしゃー!」 「ぐぁっ…zzz…」 ミカルゲの催眠術で男を眠らせて、なんとか立ち上がる。再度周囲を確認するが、人影はない。 どうやらここは建物の中の一室らしい。オフィスのような配置の机の上にあったパソコンに触れてみる。 起動させながら、腰のボールを確かめていく。 「クロバット、ピンプク、ドンファン、フライゴン…みんないるね」 「みゃ?」 「うん、ミカルゲも。見張りしてくれるかな」 「うなな」 ミカルゲが部屋の入口あたりまで飛んで行って見張りについたのを見て、ボクは端末から情報を呼び出す。 エンブレムらしきものが、画面に表示された。 「シルフカンパニー?あのシルフ社だよね?」 『ちょっとみぃ、いいかげん出してもらえませんこと?』 「あぁ、うん。…ピンプクはボールの中にいてね」 「は、はいです」 ボールを順番に開放、クロバット、ドンファン、フライゴンを呼び出す。 フライゴンが、倒れた男に近寄って服を調べる。 「ん…みー坊、この服、見覚えないか?」 「え?」 フライゴンが持ち上げた男の服。黒字に大きく赤でプリントされた「R」の文字。 というかどこを持ってるのさフライゴン。頭に血が昇って死んじゃうよそれ。 「その服装に、シルフカンパニー…でも、『あの事件』は3年以上前のはずじゃ…」 「やな。マスターも鎮圧戦に参加しとったはずや。…あのパルキアとかいうのが言うてた事は…  間違いや気のせいではないっつーことやね」 「…3年前の、世界なのかな」 「みぃ、こっちに電話がありましたわよ。外線でお義父さまの家にかけてみては…」 「わかった、やってみる」 クロバットの言うとおりに、卓上の電話の番号を打ち込む。 もし父さんや母さんに連絡が取れれば、なんとかなるはずなんだけど…。 『――おかけになった電話番号は、現在使われておりません――』 「……駄目だ、繋がらない」 つぶやいた後、パルキアの言葉を思い出す。   『あなたを知ってる人は誰もいない世界』 「…………」 からだから血の気が引いて行くのが分かる。僕の家族や仲間は誰も、この世界にはいない。 つまり、頼れる人間は誰もいない――― 「みぃ、しっかりしなさい!ここでじっとしててもしょうがないでしょう!」 「う、うん」 クロバットの声でなんとか意識を立て直し、思考を始める。まずは現状の整理だ。 今の自分の姿を確認。今回は、ジャケットやGパンという旅用の装備。最低限の着替えや食料も、 薬やボールと一緒にリュックに入っている。 ボクが現在いるのは、本来の世界と同じだけど、何らかの差異がある世界。 元の世界では消えていたロケット団がここにいるのが何よりの証拠だ。 そして、ボクを知っている人間はこの世界に全くいない。 ついでにいうと、ロケット団相手に投降などすれば、手持ちのみんながどうなるか分かったもんじゃない。 「…とにかく、今この状況をなんとかしないと…!」 「みー!」 「ミカルゲ、どうしたの?」 飛んできたミカルゲ。…部屋の扉の向こうから、小さく足音が聞こえてきた。 「どうしよう、どこかに隠れないと…!とりあえず皆、ボールに!」 4人をボールに戻して、部屋の隅に置いてあったものに目をとめた。…これなら…! 「…おい、起きろ!何をしてるんだお前は!」 「あれ、美少女は?俺の男装美少女はー!?」 「…何を言ってるんだお前は…ほら、行くぞ!侵入者が二人、こっちに来てるらしい!  全く、下の奴らは何をしてたんだ…」 ロケット団が出て行った後で、ボクはかぶっていた物を脱ぐ。 『…みぃ、なんでそんなものを被るの?』 「昔ね、巨大組織の軍事要塞に潜入した伝説の傭兵が、ダンボールで敵の目を欺いたって言う話があるんだよ。  だからボクもやってみたんだ。折角だし、このまま移動しよう。  侵入者の人たちは…ひょっとしたら、ロケット団と戦うつもりかも知れない。  うまくいけば助けてくれるかも」 『…それを被ったまま移動するんですの?』 「うん。みんな、行くよ…」 再度ダンボールを被り、ボクは部屋を出た。 …まずは、侵入した人を探さないと…
船の上で、ボクは手持ちの4人を解放する。ミカルゲは最初から僕の肩の上だ。 「海…綺麗だな……ドンファン、大丈夫?」 「も、申し訳ない、主…酔ってしまったようで…ボールの中にいてもよろしいでしょうか」 「ボールの中で大丈夫なの?」 「ええ、あの中ならだいぶ楽ですから。お願いします」 「う、うん」 「みみゃー」 「フライゴン…それに、ミカルゲもクロバットも気をつけて……って、大丈夫そうだね」 「私たちは浮いていますから、船の揺れなど関係ありませんわ」 「まぁ…ドンファンに関してはしゃあないな…船酔いは体質の問題もあるやろし」 確かに、3人とも空に浮いているから問題なさそう…というか… これって、3人とも船と同じ速度で飛んでるって事だよね? フライゴンやクロはともかく、ミカルゲってこの体でこの速度、何気に凄いんじゃ… 「とりあえず、船内に一度入りませんこと?潮風がきつくて邪魔ですわ」 「(…やっぱ飛んでたんだ…)うん、そうだね」 潮風を避け、船の中へ入る。まだ日は高い。        *  *  * 「た~い~く~つ~なの~」 どこか、遠くの世界。いや、果たして“そこ”は世界なのだろうか。 黒と赤と青と緑の、極彩色の世界、それは―― 空間の挟間 ――。 天も地も存在せず、ただ何もないそこに、一人の萌えもんがいた。 真珠色の衣装を纏い、杖を傍らに浮かべているまだ幼げな少女に見える。 しかし、本来何もあってはならないはずの空間の挟間に存在するそのことだけで、 彼女がただの萌えもんでないことは充分に理解できるだろう。 世界を見つめる彼女は、ふと思いつく。 「んー…折角だし、前みたいに誰か、別世界に送り込んじゃおうかな?  みんな今まではほとんど帰ってこれなかったケド……人間の一人や二人くらいいいよね。  送り先はー…ギラティナが最近言ってたあの世界がいいかなあ?  …うん、楽しくなりそう♪ 誰を送っちゃおうかなー…」 言うが早いか彼女は、体の周りにいくつもの世界への窓を生み出し、物色を始める。 彼女の眼にとまったのは、船に乗っている帽子やジャケット…旅装の少年。 …彼なら、多少は骨がありそうだ。何より、少女と見まがうその外見。 「すっごい好みなのー…この子なら、楽しそう…うん、この子にしよっと♪」 ふわり、と。音のない世界で、彼女は体を回転させた。 彼に、白羽の矢を突きたてるべく。世界への窓をこじあけ、扉へと変える。     彼女の名はパルキア。空間を創造せし、神にもひとしき存在なり。        *  *  * 「ん、ここ開いてるね」 船内のフードコートの一席に腰掛ける。昼食にはちょうどいい時間で、席はほとんど埋まっていた。 みんなをボールから出そうとしたとき、誰かの声が聞こえた。 「見つけたのー♪」 「…?」 見上げれば、宙に浮いている少女がボクの目の前にいた。…しかし、何かがおかしい。 (…気づいてない?) そう、周囲の乗客たちは少女に気づいていない。真珠色の、魔法少女を彷彿とさせる衣装で宙に浮いている存在に。 その特異さに。こちらを見ている人も、彼女には気づいていないようだ…ボク以外に見えていない? 「幻覚…じゃないよね」 「ちがうのー。私はパルキアなのー」 「パルキア…萌えもんの名前…?」 確かガイドブックに名前が載っていた記憶がある。鞄から取り出そうとして――― (…体が、動かな…!声も!?) 今初めて、指一本動かせない事に気づいた。いつの間にか声も出なくなっている。 けれど、船内は先ほどと全く変わらない。…まるで、ボクとパルキアだけが別の空間にいるように。 パルキアはボクのその姿に満足そうに笑うと、それはそれは楽しそうに説明を始めた。 「これからあなたには別の世界に飛んでもらうの」 (…別の、世界!?) 「そこはこの世界と同じようで違う世界。あなたを知ってる人は誰もいない世界。  …言っておくけど、あなたに拒否権なんてないの。せいぜい私を楽しませて欲しいの」 (どういう事…?一体何が!?) 「それじゃあ…また会えるのを楽しみにしてるの。頑張って私を見つけてね?」 (まって……て…) パルキアの姿が消え、次の瞬間、ボクの意識は暗闇の底へと堕ちて行った…        *  *  * 「ん…?」 目が覚めると、そこは建物の中だった。…落ち着いたイエローの壁…どこかの会社なのだろうか、 部屋の中にデスクや情報端末などが配されている。…自分は…尻餅をついているのか。 …周囲を確認…目の前に、黒服の人間がいて、こっちに手を伸ばし―――!? 「うわぁあぁっ!?」 「お、お、大人しくしろ、侵入者ー!」 「えええっ!?」 なんか知らないところにいると思ったら侵入者扱いですか!? というか目がおかしいですよ黒服のお兄さん!? 「う、動くなよ?ボディチェックをするからな…ハァハァ…」 (うわぁ何か明らかにおかしいだろこの人ー!?) ずりずりと後ろに後退すると、すぐに壁に突き当たった。男も這うようにこちらに迫ってくる。 と、腰に当たる感触。モンスターボール…これしかない! 「誰か分かんないけど、お願いっ!」 中身も確認せずに咄嗟に手元で解放し、中の萌えもんを呼び出す。でてきたのは―― 「うみみゃー!!」 「ミカルゲ!?」 飛びだしたゴーストの萌えもんは即座に黒服男にまとわりつき、その動きを妨害する。 …本来人間を直接攻撃するのは萌えもんバトルでは反則だけど…そんな事も言ってられない! 「ミカ、催眠術!」 「ふしゃー!」 「ぐぁっ…zzz…」 ミカルゲの催眠術で男を眠らせて、なんとか立ち上がる。再度周囲を確認するが、人影はない。 どうやらここは建物の中の一室らしい。オフィスのような配置の机の上にあったパソコンに触れてみる。 起動させながら、腰のボールを確かめていく。 「クロバット、ドンファン、フライゴン…みんないるね」 「みゃ?」 「うん、ミカルゲも。見張りしてくれるかな」 「うなな」 ミカルゲが部屋の入口あたりまで飛んで行って見張りについたのを見て、ボクは端末から情報を呼び出す。 エンブレムらしきものが、画面に表示された。 「シルフカンパニー?あのシルフ社だよね?」 『ちょっとみぃ、いいかげん出してもらえませんこと?』 「あぁ、ごめん」 ボールを順番に開放、クロバット、ドンファン、フライゴンを呼び出す。 フライゴンが、倒れた男に近寄って服を調べる。 「ん…みー坊、この服、見覚えないか?」 「え?」 フライゴンが持ち上げた男の服。黒字に大きく赤でプリントされた「R」の文字。 というかどこを持ってるのさフライゴン。頭に血が昇って死んじゃうよそれ。 「その服装に、シルフカンパニー…でも、『あの事件』は3年以上前のはずじゃ…」 「やな。マスターも鎮圧戦に参加しとったはずや。…あのパルキアとかいうのが言うてた事は…  間違いや気のせいではないっつーことやね」 「…3年前の、世界なのかな」 「みぃ、こっちに電話がありましたわよ。外線でお義父さまの家にかけてみては…」 「わかった、やってみる」 クロバットの言うとおりに、卓上の電話の番号を打ち込む。 もし父さんや母さんに連絡が取れれば、なんとかなるはずなんだけど…。 『――おかけになった電話番号は、現在使われておりません――』 「……駄目だ、繋がらない」 つぶやいた後、パルキアの言葉を思い出す。   『あなたを知ってる人は誰もいない世界』 「…………」 からだから血の気が引いて行くのが分かる。僕の家族や仲間は誰も、この世界にはいない。 つまり、頼れる人間は誰もいない――― 「みぃ、しっかりしなさい!ここでじっとしててもしょうがないでしょう!」 「う、うん」 クロバットの声でなんとか意識を立て直し、思考を始める。まずは現状の整理だ。 今の自分の姿を確認。今回は、ジャケットやGパンという旅用の装備。最低限の着替えや食料も、 薬やボールと一緒にリュックに入っている。 ボクが現在いるのは、本来の世界と同じだけど、何らかの差異がある世界。 元の世界では消えていたロケット団がここにいるのが何よりの証拠だ。 そして、ボクを知っている人間はこの世界に全くいない。 ついでにいうと、ロケット団相手に投降などすれば、手持ちのみんながどうなるか分かったもんじゃない。 「…とにかく、今この状況をなんとかしないと…!」 「みー!」 「ミカルゲ、どうしたの?」 飛んできたミカルゲ。…部屋の扉の向こうから、小さく足音が聞こえてきた。 「どうしよう、どこかに隠れないと…!とりあえず皆、ボールに!」 4人をボールに戻して、部屋の隅に置いてあったものに目をとめた。…これなら…! 「…おい、起きろ!何をしてるんだお前は!」 「あれ、美少女は?俺の男装美少女はー!?」 「…何を言ってるんだお前は…ほら、行くぞ!侵入者が二人、こっちに来てるらしい!  全く、下の奴らは何をしてたんだ…」 ロケット団が出て行った後で、ボクはかぶっていた物を脱ぐ。 『…みぃ、なんでそんなものを被るの?』 「昔ね、巨大組織の軍事要塞に潜入した伝説の傭兵が、ダンボールで敵の目を欺いたって言う話があるんだよ。  だからボクもやってみたんだ。折角だし、このまま移動しよう。  侵入者の人たちは…ひょっとしたら、ロケット団と戦うつもりかも知れない。  うまくいけば助けてくれるかも」 『…それを被ったまま移動するんですの?』 「うん。みんな、行くよ…」 再度ダンボールを被り、ボクは部屋を出た。 …まずは、侵入した人を探さないと…

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