5スレ>>422

「5スレ>>422」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

5スレ>>422」(2008/05/24 (土) 21:35:13) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

ある旅人達の話。 「…まったく、マスターの方向音痴にはいつも困っちゃうわね。」 「おかしいなぁ…。ちゃんと地図を見て歩いたのに…。」 「ま、マスター。あの…地図が逆さまだよ?」 「…仕方ない。ここで一晩野宿だな。ホエルオー、寝袋出してくれ。」 「あうぅ、私を無視しないでくださいぃ…。」 ご主人様の一言で、私達は足を止め、一晩の暖を取ることになった。 私の右隣にご主人様が、左隣には命より大事な相方―ライボルトがごろんと横になる。 私達は今、旅の途中。長い長い、海沿いの道を歩いていた。 私のご主人様と、私のとても大事なライボルトとね。 でも、道に迷っちゃって、気がつけばどこだかわからない林の中。 あげくに目印もつけてなくて、出口もわからず…。仕方なく野宿をする羽目になった、というわけ。 …本当は野宿とか嫌いなんだけどね。マスター、あとでお仕置きしておかないと。 …………… マスターが寝付いちゃった後、私とライボルトは草むらにねっころがって、木々の間から見える夜空を眺めて、ただぼーっとしていた。 「ねぇ、ライボルト。」 「ん、何?」 私が呼びかければ、彼はすぐに答える。本当に素直で、かわいい子…。 私達萌えもんは、みんな女の子みたいな見た目をしている。でも、中身まで全員女の子なわけじゃない。 ライボルトは、見た目や仕草は女の子だけど、中身は立派な男の子なんだ。 「…疲れたね。」 「…うん。」 二人で意味のない会話を交わす。でも、そんな言葉でも飽きることはない。 彼の仕草、言葉、表情、何を見ても、聞いても、飽きないんだから不思議よね。 これが俗に言う「恋」ってやつ…?って、何考えてるんだろう、私…。 「…あれ?…なんだろ。何かくるよ。」 ライボルトがねっころがったまま、空を指差した。 小さい光の玉が、だんだんと大きくなって、近づいてきている? 「…萌えもんかな?」 「さぁ…?光の玉みたいな萌えもんなんていたっけ?」 野生の萌えもんだったら、私達は戦わないといけない。だから、普通は警戒をしなくちゃいけない。 でも、私はなぜか危機感なんて感じなかった。たぶんライボルトもそうなんだろう。 …不思議な光の玉は、私達の目の前まで降りてきた。どこからか、声が聞こえる。 「…うふふ、仲むつまじいこと…。あなた達みたいな、両想いの組を見るのはとても気分がいいわ。  そんなあなた達にお似合いの、素晴らしい贈り物をあげる。大事にしてあげてね…。」 そんな言葉が聞こえたかと思うと、ふっと光の玉は消えてしまった。 「…ねぇ、…今の、何?」 「…うーん?…わかんないや。」 私達は起き上がって、辺りを見回す。光の玉がやってきた痕跡もなければ、飛び去った痕跡もなかった。 「…ねぇ、ホエルオー。何持ってるの?」 「え…?あ。」 私の両手の中には、いつの間にか小さな卵が抱かれていた。 …………… 「うん?どうしたんだい、それ。」 マスターが不思議そうに声をかける。そりゃそうよね。昨日はこんなものなかったもの。 「うふふ、私でもよくわかんない。」 「何だよそれ。勝手にどこかで拾ってきたのか?」 「そうじゃないけどね、うふふ。」 思わず笑いがこぼれる。…今の私、絶対に変な人ね。 でもうれしいんだもの。仕方ないよね。だってこの中には…。 「ねっ、ライボルト?」 「うん、だね。」 「何なんだいったい?」 私達の、大事な大事な、子供がいるんだもの。それこそ、天から授かった…ね。 卵が、少し、ほんの少し、動いた気がした。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ※端書 萌えもんが卵を産むところが目撃されていないのは、誰かが卵を与えているからである。 …はい、私論ですね。でもいいじゃないですか、ロマンチックで。 小ネタなのであまり煮詰めていません。勢いで書いたので、拙い部分があっても許してください。 と、言い訳を残しつつ。 駄文ながら最後までお付き合いくださってありがとうございます。 書いた人:蛾

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。