5スレ>>458

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-[[前編>5スレ>>390]] -[[中編>5スレ>>399]] 雨が上がり、次第に雲は霧散し消えてなくなる。 それとは別に、俺の目の前では今もまだ、泣き、嗚咽し、止まない雫を瞳から落とす少女…。 「うぅっ…、うあぁ…っ! ひっ…ひっく…うぅくっ…!!」 少女…ニューラが泣き続ける理由を俺は知ることになる、元のトレーナーから…虐待を受け、 彼女を公園に放置したことによる数々の凶行、それでも彼女は抗い、そこに待ち続けることによって 自身のプライドを守ろうとした。 しかしその行為は時間を伴えば伴うほど周囲からの非難を寄せ付けるようになり、 怒号や憐憫の視線を突きつけられる、それを厭う彼女は苦痛を覚える上に、次第に 捨てられたという事実を受け入れざるを得なくなってしまう、 ニューラの涙の理由の一つはそれだろう。 「……………」 今さっき、俺達は元のトレーナーの所へ行き、彼女の尊厳を守る為の誓いを立てさせた、 彼女の自由…それも、彼女へ与える強制や脅迫や精神的な苦痛からの除外からなる、魂からの自由だ。 …先程からゴル姉がいないのはそのためだ、ソイツに法的な手段でのニューラを逃がす方法を叩き込んでる。 俺はニューラと一緒にぽつりぽつりと歩きながら、無言で彼女が泣き止み、回答を待つ。 〝これから、どうするか〟ということを――――― ……………………………………………………………………………………………… 一旦家に戻る事にする、ニューラは泣き止みはしたが、口を閉ざしたまま黙している。 俺自身も性格上、黙っているということに少しばかり苦痛を感じていたが、 ここで俺から切り出したりしてしまうと彼女は『自分がどうしたいか』という気持ちに迷いが出てしまう。 ここで別れ、彼女が再び野生として暮らしていくのか、それとも…家に来るのか…。 「…ねぇ、その…聞きたいこと、あるんだけど…」 「…ん、なんだ…?」 出来るだけ優しく、話しやすいように口を開いた彼女へ応対する。 「私…これからどうしたらいいのかな…? 私の仲間は一定の周期で住む場所を移動してしまうから もう仲間のところに戻ることはできない…、ここら辺じゃあの公園とあなたの家しか知る所がないの…」 「やめとけよ、あの公園は…、バカの吹き溜まりだぞ? …家でいいだろ」 「で、でも…あなた萌えもんが嫌いって…」 「あぁ、嫌いだ、けど、嫌いと言い続けてる自分の方がもっと嫌いになっちまった…」 「……!!」 「俺には出来ない、お前を護る事なんて到底無理だ、なんて台詞に身を任せていた自分が バカらしくなってな…」 驚愕の視線で俺を見つめるニューラ、それは思いがけない発言…。 そして… 「……いいの? 私…バトルとか…弱くて、役に立たないよ…?」 「…無理すんなよ、もうトレーナーと萌えもんって関係は嫌なんだろ?」 「だ、だって…あなたのお母さん、トレーナー養成校の講師なんでしょ? じゃ、あなたも 少なからず、その知識を持ってるから…その…」 「親不孝者だな、俺には知識なんてゼロだ、 学ぼうともしなかったよ、ハハハハ!(つーか、これの作者も金銀止まりだしな)」 「……なんだか絶対受け入れてもらえない気がしてきた…」 からからと笑いながら話す俺を冷ややかな視線で失笑するニューラ、 笑ってくれたのは嬉しいんだが、何もそんなに気にすることか? 「…んーふーふー…♪ 聞いたで~、ママさんに報告する絶好のタネ」 「ひゃっ?!」 「おわぁっ?! ご、ゴル姉?! なんでここに?! あ、アイツに説明してたんじゃなかったのか?!」 「ん? 終わったで、ママさんと確認取りながら、あのトレーナーとその母親に書類書かせたわ、 母親の恨めしそうな顔ったらなかったわ~、ウチじゃなくてあのトレーナーのこと睨みよるんやからな♪」 「…………」 「……恐…」 改めて認識した、この短時間で法的処置を纏め上げて、相手側に書かせてしまうとは…、 母親から学んだ知識をさも面白おかしくこなしてしまうゴル姉に驚嘆を通り越して恐怖を覚える。 「さてと、しょうもない話はこれくらいにして、早よう家に戻らんとなぁ、ママさんにある程度事情を話したから 家族会議せんと…」 「う……なんとなく恐い…」 「ゴル姉…、さっきのなんだけど…、マジでチクるのか…?」 「さぁてなぁ~? そういえば晩御飯刺身の盛り合わせがええなぁ~♪」 「うぅ…随分と高い口止め料だけど、仕方がないか…」 「あ、ウチが脅迫してるみたいな言い方やめてくれへん? ウチは晩御飯の献立考えてただけや、せやろ?」 にっこり笑いながら不可視の威圧感を携えて、問いかけてくるゴル姉、 駄目だ、勝てる訳がない…。 「し、しかしだな、献立というからには他の人の意見も参考にすべきだ、 にゅ、ニューラは何が食べたい…?」 「……………」 「お、おい?」 「…さ、刺身の盛り合わせ……」 何処か恍惚とした表情と、遠い目で呟く少女、 それはリクエストをしたのでなく、ゴル姉の一言がきっかけで無我の境地へと旅立ってしまったためのようだ。 「………(オイオイ)」 「…で、アンタは晩御飯何がいいんや?」 「……刺身でいいです…」 俺の意見は最初から無に等しく、視線を落としながら財布と相談し始めた、 漱石さんが4人…、これから買う刺身の盛り合わせは少なく見ても人数分で1600円程、 …今月は質素どころの問題じゃ済まない生活を強いられそうだ…。 因みに、人数は4人で俺、ゴル姉、ニューラ、母さんとなる、 父さんは転勤中で、シンオウの方まで行っているから頭数には入らない、つーか入れたらマズイ。 スキップをしながら歩く上機嫌のゴル姉とニューラに視線を向け思う、 (幸せそうな顔してからに…) 彼女の止まなかった雨は消え、雲の合間から一筋の光が差し込んだように見えた、 それは俺自身にも言えることであり、彼女たち萌えもんと真正面から向き合えることだろう、 これからの家族会議などをを考えると問題は山済みで、一筋縄ではいかない現実が待ち構えているかもしれない、 しかし、この時俺は決めた、どんな現実だろうと乗り越えて、互いを理解しあえる間柄となれるように…。 ……………………………………………………………………………………………… あとがき ちょっと盛り込みが浅く、前回作のあらすじ+後日談のようになっているので、全体像を考えたらもしかすると今回は 前編、中編、後編の三つで構成されるストーリーになるかもしれません。 ちなみにこの主人公、この時点では理解し合うということをスタンスにしているので、 恋愛感情を抱いていくのはまだまだ先の話になります。 主人公の想いはどのように変化し、彼女達との関わりはどのようになるのか、 皆さんと一緒に見ていけたらと思います。
雨が上がり、次第に雲は霧散し消えてなくなる。 それとは別に、俺の目の前では今もまだ、泣き、嗚咽し、止まない雫を瞳から落とす少女…。 「うぅっ…、うあぁ…っ! ひっ…ひっく…うぅくっ…!!」 少女…ニューラが泣き続ける理由を俺は知ることになる、元のトレーナーから…虐待を受け、 彼女を公園に放置したことによる数々の凶行、それでも彼女は抗い、そこに待ち続けることによって 自身のプライドを守ろうとした。 しかしその行為は時間を伴えば伴うほど周囲からの非難を寄せ付けるようになり、 怒号や憐憫の視線を突きつけられる、それを厭う彼女は苦痛を覚える上に、次第に 捨てられたという事実を受け入れざるを得なくなってしまう、 ニューラの涙の理由の一つはそれだろう。 「……………」 今さっき、俺達は元のトレーナーの所へ行き、彼女の尊厳を守る為の誓いを立てさせた、 彼女の自由…それも、彼女へ与える強制や脅迫や精神的な苦痛からの除外からなる、魂からの自由だ。 …先程からゴル姉がいないのはそのためだ、ソイツに法的な手段でのニューラを逃がす方法を叩き込んでる。 俺はニューラと一緒にぽつりぽつりと歩きながら、無言で彼女が泣き止み、回答を待つ。 〝これから、どうするか〟ということを――――― ……………………………………………………………………………………………… 一旦家に戻る事にする、ニューラは泣き止みはしたが、口を閉ざしたまま黙している。 俺自身も性格上、黙っているということに少しばかり苦痛を感じていたが、 ここで俺から切り出したりしてしまうと彼女は『自分がどうしたいか』という気持ちに迷いが出てしまう。 ここで別れ、彼女が再び野生として暮らしていくのか、それとも…家に来るのか…。 「…ねぇ、その…聞きたいこと、あるんだけど…」 「…ん、なんだ…?」 出来るだけ優しく、話しやすいように口を開いた彼女へ応対する。 「私…これからどうしたらいいのかな…? 私の仲間は一定の周期で住む場所を移動してしまうから もう仲間のところに戻ることはできない…、ここら辺じゃあの公園とあなたの家しか知る所がないの…」 「やめとけよ、あの公園は…、バカの吹き溜まりだぞ? …家でいいだろ」 「で、でも…あなた萌えもんが嫌いって…」 「あぁ、嫌いだ、けど、嫌いと言い続けてる自分の方がもっと嫌いになっちまった…」 「……!!」 「俺には出来ない、お前を護る事なんて到底無理だ、なんて台詞に身を任せていた自分が バカらしくなってな…」 驚愕の視線で俺を見つめるニューラ、それは思いがけない発言…。 そして… 「……いいの? 私…バトルとか…弱くて、役に立たないよ…?」 「…無理すんなよ、もうトレーナーと萌えもんって関係は嫌なんだろ?」 「だ、だって…あなたのお母さん、トレーナー養成校の講師なんでしょ? じゃ、あなたも 少なからず、その知識を持ってるから…その…」 「親不孝者だな、俺には知識なんてゼロだ、 学ぼうともしなかったよ、ハハハハ!(つーか、これの作者も金銀止まりだしな)」 「……なんだか絶対受け入れてもらえない気がしてきた…」 からからと笑いながら話す俺を冷ややかな視線で失笑するニューラ、 笑ってくれたのは嬉しいんだが、何もそんなに気にすることか? 「…んーふーふー…♪ 聞いたで~、ママさんに報告する絶好のタネ」 「ひゃっ?!」 「おわぁっ?! ご、ゴル姉?! なんでここに?! あ、アイツに説明してたんじゃなかったのか?!」 「ん? 終わったで、ママさんと確認取りながら、あのトレーナーとその母親に書類書かせたわ、 母親の恨めしそうな顔ったらなかったわ~、ウチじゃなくてあのトレーナーのこと睨みよるんやからな♪」 「…………」 「……恐…」 改めて認識した、この短時間で法的処置を纏め上げて、相手側に書かせてしまうとは…、 母親から学んだ知識をさも面白おかしくこなしてしまうゴル姉に驚嘆を通り越して恐怖を覚える。 「さてと、しょうもない話はこれくらいにして、早よう家に戻らんとなぁ、ママさんにある程度事情を話したから 家族会議せんと…」 「う……なんとなく恐い…」 「ゴル姉…、さっきのなんだけど…、マジでチクるのか…?」 「さぁてなぁ~? そういえば晩御飯刺身の盛り合わせがええなぁ~♪」 「うぅ…随分と高い口止め料だけど、仕方がないか…」 「あ、ウチが脅迫してるみたいな言い方やめてくれへん? ウチは晩御飯の献立考えてただけや、せやろ?」 にっこり笑いながら不可視の威圧感を携えて、問いかけてくるゴル姉、 駄目だ、勝てる訳がない…。 「し、しかしだな、献立というからには他の人の意見も参考にすべきだ、 にゅ、ニューラは何が食べたい…?」 「……………」 「お、おい?」 「…さ、刺身の盛り合わせ……」 何処か恍惚とした表情と、遠い目で呟く少女、 それはリクエストをしたのでなく、ゴル姉の一言がきっかけで無我の境地へと旅立ってしまったためのようだ。 「………(オイオイ)」 「…で、アンタは晩御飯何がいいんや?」 「……刺身でいいです…」 俺の意見は最初から無に等しく、視線を落としながら財布と相談し始めた、 漱石さんが4人…、これから買う刺身の盛り合わせは少なく見ても人数分で1600円程、 …今月は質素どころの問題じゃ済まない生活を強いられそうだ…。 因みに、人数は4人で俺、ゴル姉、ニューラ、母さんとなる、 父さんは転勤中で、シンオウの方まで行っているから頭数には入らない、つーか入れたらマズイ。 スキップをしながら歩く上機嫌のゴル姉とニューラに視線を向け思う、 (幸せそうな顔してからに…) 彼女の止まなかった雨は消え、雲の合間から一筋の光が差し込んだように見えた、 それは俺自身にも言えることであり、彼女たち萌えもんと真正面から向き合えることだろう、 これからの家族会議などをを考えると問題は山済みで、一筋縄ではいかない現実が待ち構えているかもしれない、 しかし、この時俺は決めた、どんな現実だろうと乗り越えて、互いを理解しあえる間柄となれるように…。 ……………………………………………………………………………………………… あとがき ちょっと盛り込みが浅く、前回作のあらすじ+後日談のようになっているので、全体像を考えたらもしかすると今回は 前編、中編、後編の三つで構成されるストーリーになるかもしれません。 ちなみにこの主人公、この時点では理解し合うということをスタンスにしているので、 恋愛感情を抱いていくのはまだまだ先の話になります。 主人公の想いはどのように変化し、彼女達との関わりはどのようになるのか、 皆さんと一緒に見ていけたらと思います。

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