5スレ>>503-1


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「マスター、暇してんのん?」
「ああ、何も見たいものがないのにテレビをつける程度にはな」

トキワジムのリビング。俺が適当にニュースを眺めていると、エプロン姿のフライゴンが声をかけてきた。

「ほんなら、ちょっとホットプレート出してくれへん?」
「ん、分かった。もう生地できたのか?」
「後は混ぜるだけやな。先に温めといて」
「はいはいっと」

今日は珍しく、フライゴンが夕食を担当している。
彼女の料理の腕前は、フシギバナやシャワーズには敵わないものの、かなり上の部類に入る。
特にジョウトの郷土料理なんかはかなり得意だ。今も、お好み焼きの生地を作り終えたところだった。

「よ…っと。…やっぱ、鉄板がないとイマイチしまらへんな…ま、ええけど」
「さすがに鉄板なんて置けねぇだろ、うちには」
「そりゃそうやけどなぁ…とととっ!」

生地を焼こうとしていると、油が飛んだらしく慌てて顔を引くフライゴン。
…その姿を見ていると、ふと疑問がわきあがった。

「なぁ、フライゴン」
「ん、どしたん?」
「そのサングラス…いや、メガネか?外したとこ見たことねーんだけど」
「え?」

そう。料理の時も、バトル中も、寝ている時も。コイツはあの赤いメガネを外していない。
確か、シャワーズの証言だと入浴中も一度も外していないらしい。

「外したところとか見たいんだけど・・・ダメか?」
「うー…悪いけど、それはちょっと勘弁してほしいなぁ…」
「そっか…なら、いいや」

…ホントはよくはない。だから俺は、フライゴンが布巾を取るためにこちらに背中を向けた瞬間に、
その後ろに立っていた。

「ちょっと、何しとん、マスター…って、ひゃあっ!?」
「なんだ、壁に押し付けたくらいで大げさな」
「だ、だって…」
「…フライゴン…」
「ぅ、あ……」

壁に手をついて逃げ場をなくし、体ごとこちらを向かせて顔を近づける。
フライゴンは顔を真っ赤にして首をあらぬ方向へ動かしていたが…やがて、抵抗をやめて目を閉じた。
…チョロいな。

「それっ」
「あっ!」

目をつぶっているフライゴンから、メガネ(?)を奪うのは至極簡単だった。
即座に体を引いて、数歩分の距離を取る。

「…ふふ、まだまだ甘いな、フライゴン。…メガネないと、なかなか新鮮だな」

普段半端に隠れていた目があらわになると、今までなかった可愛らしさが見えた気がした。
そして、数秒間茫然としていたフライゴンが我に返り、怒って抗議してくる。

「もぉ、何するんですかぁ、御主人様!」
「………ゑ?」

…何いまの。なんか、ジョウト弁じゃない…ってか、それ以前になんかおかしいぞ!?
フライゴンがそのイメージに似合わないぱたぱたという足音を立てて、こちらに走ってくる。

「かえしてくださいよぅ!……うひゃあっ!?」
「うわぉっ!?」

な、何もない所で転びやがった!?
顔面を強打したらしく、両手をついて床から体を離すが、震えて立ち上がらない。

「だ、大丈夫か……?」
「大丈夫、です…い、いたくないもん…ぅ…」

…なんだこのギャップ。…だがそれがいい、とか以前の問題じゃないか!?
なんか可愛らしいけど、でも危ないぞこれ!?

「…………えい」
「あっ…」

とりあえず、顔をあげたフライゴンの顔に、さっきから左手に持っていたメガネを返す。

「……マスター、何すんの…はひゃっ!……う、うぅ、酷いですよぉ…」
「お、おぉー…」

面白い…。
メガネを取り上げ、ポケットにしまって逃げ回る。

「ほら、返してほしかったら捕まえてみな」
「あぅぅ、待って下さい~」





「う…ひっく…ぐす…」
(…やりすぎたな…)

あれからしばらく逃げ回りながらからかって楽しんでいたのだが、
最終的にフライゴンは(メガネなしのまま)うずくまって泣き出してしまった。

そっと近寄り、メガネをフライゴンの顔に返した。

「うぅ…ひぅ…うぇえ…」
「…フライゴン…」

怒って殴りかかってくるかとも思ったが、元に戻っても泣いたまま。

「もう…ぅ…あんなとこ見られたら…はぅ……生きていけへん…ぐすっ…」
「…悪かったよ、フライゴン」

とりあえず俺も膝をつき、抱き締めて軽く背中をぽんぽんと叩いてやる。

「別に、メガネ外したら性格が変わってドジになるくらい気にしないって。
 むしろあっちも可愛くていいじゃないか」
「うぅ…うぇぇぇぇぇ…」
「よしよし…」

泣きながらしがみついてくるフライゴンを受け止める。
…思えば、コイツの泣いてる所を見るのは初めてかもしれないな。

「よし…じゃ、機嫌なおして、夕飯の用意しようぜ」
「ん…せやな」

涙をぬぐって立ち上がると、フライゴンは自分でメガネを押し上げた。

「行きましょう、御主人様♪」
「あ、あぁ…」

ホント、別人だよな…

俺はフライゴンに引っ張られ、リビングへ連れられて行った。


















「ほな、マスター。女を泣かせた責任、とってもらおか?」
「ちょっと待て!何だよそれ、聞いてないぞ!?」
「(すちゃ)…ご主人様の…いじわるぅ…ぐすっ」
「あー、もぉ、分かった!何でもしてやるからそれはやめろ、卑怯だ!」
「(かちゃ)分かればよろしい。ほな、明日は朝から付き合ってもらうで?」
「…全く…まずいものを呼び起こした気がするぜ…」
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