僕は一介の下っ端ロケット団員!
今日もムウマと一緒に悪さを… あれ、ムウマー?
……朝っぱらからゲーセン入り浸るんじゃねぇぇぇぇぇ!!!
~今日の指令~
畑からサツマイモパクッてこーい。
「…下っ端ってこんな任務ばかりなのかなぁ」
「食料調達も大事な仕事ですよ、マスター!」
そんなわけで、面倒だけど畑の下見に来た。
監視カメラの有無、逃走経路のシミュレートなどなど…
畑ドロ一つでもやることはいっぱいだ。
「あ、マスター! コレ見てください~」
ムウマが壁の貼り紙を指差す。
……『おいも掘り体験』……お一人様300円?
あぁ、もうこれでいいや。
「はぶ姉ぇ一緒に行きましょうよー。ズバットちゃんも~」
早速他の萌えもんたちを誘っている。
チラシを数枚もらってきたのは正解だったようだ。
そしてそのままゲーセンへ……
「行かせるかぁぁぁぁぁッ!!」
参加費300円×2はムウマのゲーセン代を削って出すんだからね!!
「そんなぁ、ひどいですマスタぁ~」
酷いのは君だよ! ほっとくと全額使い切るんだから…
そして当日。
天気にも恵まれ、ムウマと一緒に楽しくおいも掘りを満喫しているところだ。
「うわ、ミミズがいましたよぉ」
「見てくださいマスター! こんなにたくさん繋がってます~!!」
見つけたものを逐一報告してくるムウマがとても可愛い。
カメラの一つも持ってくればよかったかもしれない。
ちなみに他の団員さんと連れの萌えもんもいくらか来ている。
この様子を司令が見たらぶちキレそうだなぁ……
でもまぁ楽しいからいいか。一応任務だし。
そして。
「見てください司令! こんなに採ってきましたぁ~!」
ムウマが楽しそうに報告する。
「うむ、よくやった!」
多分司令の考えているのとは漢字が違うだろうけどね。
「盗った」じゃなく「採った」だし。
「…しかし随分ドロだらけだな。」
「えぇ、逃げるとき盛大に転んでしまって…」
すかさず僕がフォローを入れる。
楽しくイモ掘りしてましたとかバレたらさすがに怒られそうだし。
「それじゃあゲームしてきますっ」
「「その前に風呂入れよ」」
司令と意見が一致した。完璧なタイミングで。
風呂から上がると、既にムウマはテレビの前に座り込んでいた。
「あっ、マスター出てきた! 対戦しましょう対戦!」
ムウマと対戦しても勝ち目ないんだけどなぁ……しょうがない。
「……あぁ~っ! ザンギにガイルはひどいですぅぅぅ」
「だってコレくらいやらないと勝てないし……」
「いいですよぅ、サマソがJKに化けるマスターなんかスーパーウリアッ上でフルボッコです!」
たまにはムウマと、心ゆくまでゲームに付き合ってあげようか…
と思ったが運のつき。
翌朝、そこにはズタズタにされた愚かな僕がいた。
一体何のゲームならムウマに勝てるんだ…
いやまぁ、こんな廃人に勝つ必要はないんだけど。でもマスターとして、ねぇ?
協力プレイでも足を引っ張ってしまう始末。
「マスター、大丈夫ですよ! 多少ヘタでも私がフォローしますからっ!」
ついげきの気の利いた一言でさらにダメージは加速した。
うん、これからはもう少しゲームも練習しよう……
長い一日の終わりに、強くそう思った。
最終更新:2008年08月29日 23:49