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森の中にある一つの屋台
夜に映える「毒」と書かれた赤提灯。
その明かりに照らされた白い掛札、そこには「営業中」と書かれている。




「さてと、今日も開店しますかな。」
そう言い、店のメニューを張り出す1人の萌えもん。
黄色の衣を身に纏い、頭に緑の葉を被り、黄色の短髪を掻き揚げる女性店主。
張り出されたメニューは2つ。
『ようかいえき 一杯200イェン』
『ようかいえき(ノンアルコール) 一杯100イェン』
(※イェン…野生の萌えもん内で流通しているお金の単位)
そう、ここは毒萌えもんの毒萌えもんによる毒萌えもんのための居酒屋、もとい居『毒』屋である。

「こんばんはー」
「おじゃまするぜー」
開店早々、お客がやってきた。
「はいいらっしゃい。あら、今日もデート?」
ニコリと笑う店主の目の先には毒萌えもんが2人。
「え、まぁ・・・そんなところっすかね?」
「ち、ちがうちがうっ!! 別にそんなのじゃないってぇ~!」
苦笑いするニドリーノと、それを否定するニドリーナである。
「あらあら・・・うふふ」
「わ、笑わないでくださいよっ!」
「あら、私はお似合いだと思うけどな~ で、何頼む~?」
「ノンアルコールを。」
「私も、ニーノと同じで。」
「そうだもんねぇ~、まだ幼いもんね~ うふふ…」
ニヤニヤと微笑む店主の前に2人は顔を真っ赤にした。
亭主はグラスと柄杓を手にし、近くにあった大きな樽から二杯、白い液体を汲み上げて2人の前に差し出した。
「はいお待ち。」
「ありがと。」
「ありがとうございます。」
2人は出されたグラスを持つと、グイッと一気に飲み干した。
「…ぷはぁっ! やっぱりうまいなぁ~!」
「流石、ウツボットさん自家製のようかいえきね。元気が出てきたわ。」
ニドリーナが満面の笑みを綻ばせる。
そう。このようかいえきは、店主・ウツボットの体から常に分泌されているようかいえきなのである。これは、毒えもん達にとって貴重なエネルギー源でもあるのだ。
「嬉しい事言ってくれるわね~ もう一杯いかが?」
「「あ、いただきます。」」
「二人とも声合せちゃって~ 結婚しちゃえば?」
クスクスと笑うウツボットの言葉に2人はさらに顔を真っ赤にした。
「そういえば、ウツボットさんのようかいえきって元々アルコール成分入ってるんすよね?」
「そうよ?」
「どうやってノンアルコールにしてるんすか?」
「あぁ、予め煮沸してアルコール飛ばしてるのよ?」
ウツボットはそう言うと、再び汲み上げたようかいえきを2人の前に置き、カウンターに黄色の葉を2枚置いた。
「そうだったんですかぁ」
「そのときに、粘り気成分も飛ぶから、ジュースのように飲みやすくなってるのよね。」
「え、それじゃそのままだと…」
「アルコール入りの、ねちっこいようかいえきよ。 飲んでみる?」
「いえ、いいです…」
「ニーナちゃんは?」
「私も……」
「うふふ、君達にはまだ早いかしらね?」
2人は顔を見合わせ、チビリとようかいえきを口にした。

そうしているうちに、新たな客が来た。
「…空いてる…?」
「あら、いらっしゃい。珍しいわね。」
ニドリーノ、ニドリーナが顔を向けると、そこにはまだ幼いメノクラゲを連れたドククラゲが立っていた。
「あ、席3つしかなかったわね…。」
「あ、じゃぁ俺達お勘定を……」
「…いい。子供、膝の上に乗せるから……」
そう言うとドククラゲは空いた席に座り、メノクラゲを持ち上げて膝の上に乗せた。
「あら、ごめんなさいねぇ… 何にします?」
「生と、ノンアルコールを……」
「あれ…? 水の上に出てきちゃってもいいんすか?」
陸上で水萌えもんを見るのが初めてかのように、ニドリーノが目を丸くして聞いた。
「…水の中に住む人だって…毒成分が薄くなるとここに来る……」
「え、そうなんですか? ウツボットさ……」
ニドリーノがウツボットに視線を向けると、その場で固まった。
「どうしたの、ニーノ?」
ニドリーナも視線を向ける。
「…ん? どうしたの2人とも?」
2人の視線の先には、今まさにウツボットが、柄杓で自らの服の中からようかいえきを取り出そうとしているところだった。
「え……アルコールのようかいえきって…」
「直に…取り出すんですか……?」
「そうよ?『生』ようかいえきよ?」
そういうとウツボットは平然と取り出した白く、ねばりけのあるようかいえきを並々と注いだ。
「お、お勘定しまっす…!!」
「あら、早いわね。1,2,3,4っと…2人で400イェンね?」
ニドリーノ、ニドリーナ両名は慌てて400イェン払うと顔を真っ赤にしてピューッと去ってしまった。
「…? あら、どうしたのかしら…?」
「……もしかして……あの2人、見るの初めて……?」
「そうかもね~… でも、見た? 手繋いで行ったわよ?」
「……カップルなのか…?」
「あなたもそう見える? ふふ、お似合いだと思わない?」
「…結婚するな……あの2人……」
「あの様子だとしそうねぇ~。はい、お待ちどうさま。」
ウツボットは先ほど生で汲み上げたようかいえきと、樽にあるノンアルコールを差し出し、カウンターの前に緑の葉と黄色の葉を一枚ずつ置いた。

それからというもの、屋台に多くの毒萌えもんが集まった。
アーボック、クサイハナ、モルフォン、スピアー、ドガース… 野生の毒萌えもんは皆、こうして屋台に集まり、毒を補給していくのだ。
そして、客の数も峠を過ぎた頃……
「うい~、もう一杯~っ!! ヒック!」
カウンターには1人、全身紫の酔いどれた女性がいた。
「ベト子…もうこれで何杯目よ…」
ウツボットはカウンターの上にある葉を数えた。
「1,2,3………12枚もあるじゃない…!飲みすぎよ。」
「いいじゃない~ ヒック、ウツ子のようかいえきは減るもんじゃないんだしぃ~」
「お金が減るわよ?」
「主人が稼いでくれるから大丈夫~……」
「…にしては、やけに寂しそうじゃない…どうしたの?」
「聞いてよウツ子~!」
突然ベト子・ベトベトンが身を乗り出した。
「ヒック! …最近、新しい仲間を連れてきたのよ……」
「…で?」
「…主人、その子に目が行っちゃって……私に全然構ってくれなくなったのよねぇ…私がいなけりゃロクに戦えないくせにぃ…」
「あらら…」
「…もう家出しちゃおうかしら…ヒック! 私がいなくなって後悔しても知らないんだからっ…! ヒック…!」
「帰るつもりは?」
「ん~…あるっちゃあるけどぉ……今はそんな気分じゃないのよぉ…ウツ子~! もう一杯!」
「おしまいっ! 飲みすぎよもう… 体に悪いわよ!」
「ほらぁ~、飲みすぎは体に毒って言うじゃない?」
「あのねぇ…それは意味が違うでしょ… ほら、こんな所で居座ってても仕方ないじゃない。」
ウツボットはベトベトンの体を起こさせた。
「ウツ子のケチぃ~! こうなったらぁ~…」
「こうなったら…?」
ベトベトンはいきなりウツボットの肩を掴み、襟口をガバッと開けた。
「この中に入っちゃえばぁ、ようかいえき飲めるし~、ここの中でも泊まれるわねぇ?」
「え!? ちょ、ちょっとまってベト子…! それはダメだって言ってr……」
「問答無用~! それぇ~っ!!!」

ベトベトン の とける を つかった ! ▼

「あぁ~っ!!!」



森の中にある一つの屋台
夜に映える「毒」と書かれた赤提灯。
ふとその明かりが消え、薄暗くなった屋台に掛けられている白い掛札、そこには「店主の都合により臨時休業中」と書かれている。




後談

その夜、森でずっと呻き声があがっていたらしい。
それから数日間、店主の体調不良(?)により店が開くことができなかったとか…
ウツボットの身に一体何が起こっていたのか、それは読者の想像にお任せするとしよう。
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