5スレ>>609-1


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僕らがロケット団に入ってから数週間が過ぎた。
これまでにあった仕事といえば…

・マンションの間取り調査(初任務)
・ヤマブキシティ入り口の警備員
・畑からイモを盗んでくる
・畑から大根を盗んでくる
・畑から人参を(以下略)
・畑からナス(ry
・田んぼ(ry
・畑(ry

ただのコソドロ集団かぁぁぁぁッ!!


この間「今回の任務は大物だぞ」とか言われたからドキドキしてたら、
……牧場から牛を盗んでこいとか。
いやまぁ、確かに大物ですけどね……





ムウマも団にすっかり馴染んだようだ。
暇なときは大抵他の団員さんとモンハンをやっているし、
ゲーセンに行く行かないで僕と言い争う姿もおなじみのものとなった。
……うるさいとよく司令に怒られている。


そんな毎日を過ごしていたある日、団員全員に召集がかかった。
入ってからの数週間で初めてのことである。
僕は期待半分諦め半分な気持ちで会議室へ向かった…





…予想外にも、大変なことになった。
大掛かりな作戦、といったどころの問題ではない。
街一つを占拠しようだなんて大規模にもほどがある。
そんなことが可能なのか…?

なんでも今までの任務は全て、この作戦の下準備だったらしい。
まずヤマブキシティを封鎖し、情報が外に漏れないようにする。
それと同時に畑泥棒を繰り返すことで、占領後の食料を確保。
なるほど、言われてみれば今までの仕事は全てそれに関わっている。

そしてタマムシジムに放火、おそらくボヤ程度になるだろう――
それに人の目が向いているうちに、一気にヤマブキシティへと突入。
まずはジム、そして格闘道場。それから街全体を制圧する。

それと並行して、タマムシマンションにいるイーブイ強奪作戦を実行するらしい。
決行日、住人は管理人のおばあさん以外いなくなるそうなので、
表口から突入したAチームが管理人を殺害する。
そしてBチームが裏口から突入し、屋上に匿われているイーブイを奪取。
その後はヤマブキシティに向かい皆と合流する。

これが聞かされた作戦の全容だ。
裏でこんな作戦が進んでいたとは、正直予想だにしていなかった。
他の団員たちも、幹部を除いて一様に驚いた表情をしている。




「何か質問があるものは?」
司令がそう言ったとき、一人の手が高く掲げられた。
あのハブネークを連れた団員さんだ。

「お言葉ですが…マンションの管理人を殺す必要はないのでは?」
「警察を呼ばれるおそれがあるからだ。」
「それにしても、拘束するとか他に手は…」
「この作戦は、団の存亡すらかかった重要なものだ。万全を期する必要がある」
「…………」
「折角ハブネークなどという暗殺向きの萌えもんを持っているのだ、役に立ってもらわねばな?」
「しかし!」
「これ以上の話は聞かんぞ。 他に質問は?」

……………………





作戦決行当日。
僕たちはヤマブキ突入組に編入された。
あと30分ほど…別働隊から連絡が入り次第、作戦が開始される。

「うぅ。緊張しますね、マスター!」
「そうだね、ムウマ」
「…というわけで緊張をほぐすために上のゲーセンへ」
「却下。」




「本部、ジムに火を放ちました! いい感じに人が集まってきましたぜ!」
「よし…総員、これより作戦を開始する!」

号令とともに、僕たちはヤマブキシティへ向かう。
第一目標はヤマブキジムリーダー、ナツメの制圧。





一方イーブイ強奪組。
こちらにはあのハブネークを連れた団員が配属されていた。

「Bチーム、配置についた!」
「…Aチーム、配置につきました」
「よし、Aチーム突入せよ!」

管理人の口封じが役割のAチーム。
しかしチームとは名ばかりで、実際のところは彼とハブネークの二人だけである。

「Aチーム…了解。突入します」



表口から入りすぐ横、そこが管理人室。
相手に何もさせぬよう、一気に突入する。
そして……

「ハブネーク……くッ、やめろ! おばあさん、動かないでください!」
「マスター!? それじゃ指示に…命令違反ですよ!?」
「抵抗しなければ危害は加えません!」
「マスター!」
「……僕は君に人殺しをさせたくない。」



直後、イーブイ奪取のためにBチームが突入する。
しかし……

「警察だ! 貴様らは完全に包囲されている、おとなしく投降せよ!」

管理人室に備え付けてある通報スイッチ。
気づかぬうちにそれが押されていたようだ。

「ちっ。総員、各自の判断で脱出しろ!!」

こうして強奪作戦は失敗に終わった。





ヤマブキ突入組は予定通りヤマブキシティへ潜入、ジムと道場を包囲していた。

「司令、ジムと道場の包囲完了しました!」
「…まずはジムだ。制圧しろ!」

突入する。
もはやトレーナー戦ではなく、まるで戦争のような状態だ。
全員が手持ち全ての萌えもんを出し、多数対多数の戦闘が繰り広げられている。

僕たちもその中にいた。
他の団員さんの萌えもんに気を取られている相手を、ガラガラさんが後ろから殴り倒す。
戦闘要員の少ない僕たちはそうした戦法をとっていた。
まさに外道?はははは、褒め言葉だね!!



戦いは数に勝るロケット団が徐々に優勢になり、ついに残るトレーナーはナツメ一人になった。
しかしさすがはジムリーダー、囲まれても一歩も引かずに戦い続けている。

「ガラガラさん、ここは例によって背後からで…お願いします。」
「わかったわぁ。…貴方も悪よねぇ」

どこぞの悪代官のような台詞を言い、フーディンの背後に忍び寄る。

「フーディン、後ろだ!」

しかしナツメに気づかれ、サイコキネシスの直撃を喰らってしまった。
相手のうち誰からも見えない、死角から接近していたはずなのに!

「けほ… あの人がエスパーってのは…、本当…みたいねぇ?」
「ガラガラさん、大丈夫ですか!?」
「ごめんなさい… ちょっと休ませて…ね…」

そう言って姿を消す。
まさか一撃でやられるなんて…こんな化け物、ロケット団全員でかかっても勝てるのか?



そんな考えが頭をよぎったその時、大規模な地割れがナツメのフーディンを飲み込んだ。

「フーディン!」

咄嗟に腕を掴み、落ちることだけは免れる。
しかしその隙は決定的なものだった。
地面に倒れたその背中を、サイホーンが踏みつける。

「チェックメイトだな。ヤマブキのジムリーダー、ナツメ」

そう言って向こうから歩いてくるのは…

『サカキ様!!』


まさかサカキ様が来ていたとは。
僕らロケット団の首領にして最強のジムリーダー…
援軍としてはこれ以上無い存在だ。

「総員、サカキ様に続け! ヤマブキジムを制圧せよ!」

司令の声が響き渡り、団員たちが突撃する。
それから街全体を制圧するまで、さほど時間はかからなかった。





そして今、シルフカンパニーの会議室で本作戦の報告が行われている。

「制圧時の被害はどの程度だ?」
「負傷した団員が数名だけです、やられた萌えもんの回復は既に終わりました。」
「ふむ。イーブイ奪取のほうはどうなった?」
「作戦失敗、Bチームのうち4名が逮捕されました。帰還したのは3名」
「ふむ。……失敗? 失敗だと? どうしたことかな、これは」

司令の視線が一人の団員をとらえる。

「原因は明らかだ。 ……なぜ管理人を殺さなかった?」
「…………」
「君が殺さないように指示したんだろう。違うか?」
「…………」
「まったく、ここまで甘いとは私の見込み違いだったね。」

ぱん。

乾いた音が響き、彼――ハブネークを連れていた団員が倒れ伏した。
何が起きたか理解するには、数秒を要した。


「…君たちもこうならないよう、団のためにいっそうの努力をしてくれたまえ。」

銃を手にした司令は淡々と言う。
ただ淡々と。

「話は以上だ。これにて報告を終了する。 解散!」





「マスター! 司令のお話はどうでした? …………マスター?」

ムウマが明るく話しかけてくるが、とても返事をする気にはなれない。

「マスタ~、なんで無視するんですかぁ~…… 泣いちゃいますよ?」

そのまま歩いていると、後ろから悲鳴が聞こえてきた。続いて泣き声。
殺された団員が連れていたハブネークのものだろう。

「……!? な、何があったんですか、マスター! 答えてくださいよぅ…!!」

ごめんムウマ。でも答える気にはなれない。
今は一刻も早くここを離れたい…!
後ろからすすり泣く声が追ってくる。まるで僕を責め立てるかのように……
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