5スレ>>622


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「トキワの森」

トキワシティとニビシティの間に存在するとても深い森。
森の中は、木々によって光が遮られ昼でも暗い。
また、深い霧にも覆われていてほとんど視界が利かない。
さらに飛び降りることは出来ても登るには辛い高さの段差もあり、まさに天然の迷路である。

別名「トキワの樹海」

その樹海に木とは違う影が2つ、1つは背中にリュックを背負い帽子をかぶった男。
そして、もう1つは茶色い髪に茶色い服、手にはネギのような形の植物のクキを持った女の子。
2人はどこかぐったりした様子で黙々と歩いて行く。
しばらくして女の子が口を開く。

「マスター」
「どうした?カモネギ」
カモネギと呼ばれた女の子の声にも、マスターと呼ばれた男の声にも、隠しきれない疲労の色がにじみ出ている。
「今降りた段差、さっき通ったとこに似てませんか?」
「ああ、俺も今そう思っていたところだ…」

彼らはこの森で随分長いこと迷っていた。
どれくらいかというと…
「今回は食糧何日分持って来ましたっけ?」
「6日分くらいかな。」
「森に入ってから何日経ちましたか?」
「時計だと3日経ってることになってるな。」
という具合である。
ちなみに、「今回」というのは、以前にも一度突破を試みたが薬も食糧もなくなりトキワシティに引き返したのである。
「今日の夜までに新しい道が見つからなかったらまた出直すか。」
「すみません。私が『いあいぎり』を使えたらトキワの森を通らずに済んだかも知れないのに…」
「そう言うな。それに、『いあいぎり』が使えても隣の道は先月の地震で池や滝が出来ていて進めないらしいぞ。」
『いあいぎり』とは秘伝技の1つで道にある細い木を切ることができる。
ちなみに『いあいぎり』で切ることができる木は生命力が強く1時間もしないうちに元通りに再生してしまうため、
他の人が切った後を通るということは、まず、できない。
「そうですか。でも、私がマスターを乗せて『そらをとぶ』が使えたら…」
「それこそ無理だ。俺とお前では体格差が有りすぎるだろう。」
ちなみに男は約170cm、カモネギは約120cmといったところか。
「気にするな。別に急いでいるわけでもないし、こんなのただのちょっと長い散歩だよ。」
そして2人はまた口をつぐむ。

結局、夕方までに2人は入口近くまで戻ってきた。
「今回も駄目だったか…」
「正しい道を知っていれば1日で抜けられる森らしいんですけどね。」
「この森はトレーナーへの試練としても使われていて町の人は道を教えてくれないんだよな。」
ちなみに、本当に遭難した場合はトキワとニビのセンターで貸し出している救助信号発信装置を使えば救助に来てくれることになっている。

さて、帰ろう。と歩き出そうとしたその時、

 グゥゥウウー

カモネギが顔を真っ赤にしている。
どうやらお腹が空いてしまったようだ。
「すみません。お腹空いちゃいました。」
「もうすぐ街だから飯はセンターで食おう。今は…ほら、これでも食べて我慢してくれ。」
と、リュックから『オレンのみ』を取り出す。
「ありがとうございます。」
カモネギはそれを受取ろうとして…落した。
カモネギは慌てて拾おうとするが勢いあまって蹴ってしまう。
『オレンのみ』はコロコロと転がっていく。
「待ってー」
カモネギは『オレンのみ』を追って消えてしまった。
「やれやれ、ドジだなぁ。」
マスターは笑みを浮かべてカモネギの消えていったほうを見る。
そのとき、

「マスター。マスター。来てください。」
カモネギの慌てた声がする。
何か大変なことでも起きたのかと急いで駆け付けるとそこには…
「マスター。ここって新しい道じゃないですか。」

そこには入口からでは大きな木の陰になっていて見えない道があった。

「カモネギ。よくやったぞ。この道は当たりかも知れん。」
マスターはカモネギの頭をなでてそう言った。
その道は他よりやや踏み固められている感じがした。
地元の人がよく使う道の可能性が高いと思われる。
「じゃあマスター。すぐに行きましょう。」
カモネギは何だかさっきまでより元気な声でそう促す。
「まぁ待て。トキワシティも近いし今日はセンターに泊って、また明日来よう。
 今日はご褒美にご馳走だぞ。」
「でもマスターここが正しい道だと決まったわけではないですよ。」
「良いんだ。カモネギが見つけてくれたんだから、きっとここが正しい道だよ。」

翌日、2人は無事にニビシティに辿りついた。


ニビジムに挑んで当然のごとく返り討ちにされるのはまた別のお話。
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