5スレ>>687


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豊かな自然があり多くの種類の萌えもんが生息するシンオウ地方の、どこかの草原。
そこに住む野生の萌えもん達の殆ど全員が一ヶ所に集まっていた。
彼等は興奮と緊張の視線を以てして、二人のトレーナーの戦いを見ている。

一人は長い金髪に黒を基調とした衣装を着た非常に整った美貌の女性トレーナー。
一人は短めの黒髪で同色のフード付きのコートを着た男性トレーナー。
女性トレーナーの前には既にボロボロであって肩で息をついているルカリオ。
男性トレーナーの前には眠たげな虚ろな眼で相手を見据える、ボーマンダ。

「ボーマンダ、大文字」

男性トレーナーの声に呼応するようにボーマンダの咥内が赤に輝き始める。
そしてそこから大気を焦がす猛々しい音と共に大の字に形作られた火炎が放たれた。
女性のものと変わらない口腔からの炎は、ルカリオの肢体を余すところなく焼き払う。
鋼にとって火炎は天敵の一つでありまして竜の炎を耐えきるなど出来る筈も無く、
避ける事も出来なかったルカリオは炎に包まれながらゆっくりと地面に倒れた。

「お疲れ様」

主である女性トレーナーは労いの言葉と共にルカリオをボールへ戻す。
次にはまた別の、最後となるボールを戦いの場へと投げつけた。
中から現れたのは既に場にいるボーマンダとはまた別のドラゴン、ガブリアス。
鮫の鰭のような翼を構えると同様に鋭利な双眸で目の前の二人を睨む。
見た目と違わぬ鮫のようなその眼差しに、見ていた野生萌えもんは喉を鳴らした。

「嬉しいわ。またあんたと戦えるなんてね」
「………」

目の前の強敵にガブリアスは研ぎ澄まされた刃物のように冷たい笑みを見せた。
それにボーマンダは何も答えずただ目の前の強敵に全神経を傾けている。
竜の戦いによる被害を恐れた野生萌えもん達の殆どがその場から離れていった。
沈黙が続き緊張の糸が張られていく中………それを破ったのは女性とガブリアス。

「ガブリアス、瓦割り」

女性トレーナーが口を開き指示を飛ばすのとほぼ同時かそれよりも早く、
ガブリアスは脚を屈めたかと思えば急速に距離を縮め黒い翼を振るう。
襲いかかったきたその一撃をボーマンダは避け、青年は指示を飛ばした。
特徴の一つであるとも言える大きな赤色の羽を広げると天空へと舞い上がる。
陰りをつくるボーマンダを眺めながらガブリアスは身体を折り畳み翼を伸ばすと、
ジェット機のものと変わらない速度で空へと飛びあがってボーマンダを追う。

「ハイドロポンプ!!」

それを撃ち落とさんと火炎ではなく激しい水流がガブリアスへと放たれる。
だが水流は少し身体を捩じっただけで避けられてしまい、翼が再び振るわれる。
最初の一撃は辛くも避けれたが二撃は避けきれず左腕で翼を受け止める。
腕を殴られた痛みボーマンダは顔を歪ませるが攻撃は止む筈がなく、
三撃目、四撃目と翼は踊り辛くも避けていくが何発かは腕や翼で防ぐしかなかった。
八撃目、九撃目、十撃目………そこでボーマンダは翼を避けると同時に前に出た。

「!!」
「?!!」
「ドラゴンクロー!!!」

翼が空を切りガラ空きとなったガブリアスの胴体に竜の爪が突き刺さる。
驚愕の表情のまま爪は振り下ろされ落下していく中で続いて青年の指示が飛び、
追撃にと開いた口から再び水流が放たれガブリアスを叩きつけようとする。が、
標的であるガブリアスとその女性トレーナーも彼等と同等の、遣り手である。

「ガブリアス、ドラゴンダイブ!!!」
「!!うおぉぉぉぉ!!!!」

女性トレーナーの指示に反射的にガブリアスは両手と翼を交叉させ飛びあがる。
そのまま自身を襲いかかってきた水流を弾きつつボーマンダへと、突進。
ボーマンダは水流を打ち切り、突っ込んできたガブリアスをひらりとかわした。
その後でボーマンダはゆっくりと地面に降り立ち、ガブリアスもそれに続く。
数秒の睨み合いの後、ガブリアスは先程のように笑みを見せた。

「今のはびっくりしたわ。まさか、物臭なあんたが物理技も使えるなんてね」
「………」
「でも、それだけじゃないわよね?」
「………うん。見てて」

ここで初めて、ボーマンダはガブリアスのものとは真逆の穏やかな笑みを見せた。
そして彼女は赤い翼を広げ再び空へと舞い上がるとガブリアスもそれを追う。
トレーナー二人は競い合う彼女達を眼で追いつつも戦術を練り続ける。
頭の中で相手のドラゴンを打ち倒す為の戦略が出来上がったのは、ほぼ同時。

「ガブリアス、――――――
「ボーマンダ、――――――

→「B]

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………………………………………………

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「納得いかねぇ」

どこかの草むら、ではなくどこかの萌えもんセンターの一室にて。
流れていた映像を打ち切るとカイロスは苛立たしげにぼやく。
バトルレコーダーに記録されているバトルを眺めながら彼は思った。

「なんであいつが……普段寝てばっかのあいつが、こんなに強いんだよ」
「まぁ彼女は腐ってもドラゴンだからな」
「! うおぉ、ゴルダック?! いつの間に?!」

出し抜けに声を掛けられ驚くカイロスに愉快げな視線を送った後で、
ゴルダックはバトルレコーダーを手に取ると「ふむ」と声を出す。

「研究熱心なのはいいことだが、遅刻は感心しないな」
「あいつは見つかったのかよ」
「あぁ、わざわざ外に出て街外れの草原で眠っていたらしい」
「………寝てばっかだな、あいつ」
「彼女は駄目人間……いや駄目萌えもんの部類だからな………ほら、早く行くぞ」

部屋から出ていくゴルダックにカイロスは慌ててついていく。
ただ一つの呟きを、部屋へと残していって。

「………納得いかねぇ」

あんな、昼夜問わず寝ていて動こうともしない、あの駄目ドラゴンが。
シンオウリーグチャンピオンの切り札であるガブリアスとは親友で
それも彼女と互角の戦いを繰り広げ、あまつさえ勝利を勝ち取る、などと。
今の映像でその事が証明されているのであったが、とても信用できなかった。
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