「今日は7月7日……七夕の日だ」
そう言うとタイチは後ろに隠し持っていた手作りの短冊をみんなに渡した。
「まぁ、折角の行事だからって事で、短冊を用意してみたよ」
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「……マスターが進んでこういう事をやるとは珍しいな」
「私も同じ事を言おうとしていました……」
ユンゲラーとリザードが率直な反応をすると、タイチは二人に近づき
「正直、最初はやらないだろうと思ってたけど……」
そう言って遠くの方にいる他の二人の方を見る。
「へえ! そんな日があったんだ!」
「私も知らなかったです。そんな日が会ったなんて」
ピカチュウ、シャワーズが短冊を物珍しそうに見つめながらそう言っていた。
「片や野生だったから、片やR団に捕まっていたとはいえ……行事自体を知らないのが二人もいるのはどうかなと思ってさ……」
「「なるほど……」」
そう言って七夕を知っている二人は手をポンと叩いた。
「じゃあ、俺は短冊を掛ける笹を取りに行くから、みんなは先に短冊に願い事を書いておいてね」
そう言うとタイチは笹を取りに出掛けていった。
「さて……マスターも行っちゃったことだし……」
そう言うとユンゲラーはリザードの隣に座り、小声で話しかけた。
「……あれ以降はマスターとはどうなの?」
「ん……何のことですか?」
きょとんとしているリザードに、ユンゲラーは言葉を続けた。
「隠さなくもいいさ……タマムシでの二人きりの夜の散歩の事だよ」
「え……な、なんでその事を……?!」
「……その様子だと、何もなさそうだな。そのちょっと後の雨の日のことといい……何でそこまで進んでいるのに、リザードは奥手なのか……?」
「ちょ、ちょっと待って?! 何でそっちも知っているの?!」
「散歩の件は私しか知らないが……雨の日のことはみんな知ってるよ?」
その言葉を聞いて、リザードは恥ずかしさのあまりに顔を突っ伏してしまった。
「あぅ……は、恥ずかしい……」
「見聞きしてるこっちの方が恥ずかしかったがな」
「そこまで言わなくても……」
そんなリザードを見て、ユンゲラーはくすりと笑う。
「ま、私には見守ることしかできないけどね……二人のこれからは」
「? 何か言いました……?」
「ううん、何も言ってないよ」
そう言うとユンゲラーはふと思い出したような表情浮かべた。
「それより……短冊の御願いは書いたの? 私は一応書いたけど……」
「あ……はい、もう書きましたよ」
「どんなの書いたの? 見せて欲しいな」
「イヤです、これはさすがに……!」
そういうリザードが短冊に託した願いは
「いつまでも御主人様と一緒にいられますように……」
おまけ
ピカチュウの短冊
「これからも楽しい日々をすごせますように」
シャワーズの短冊
「体を壊さずに過ごせますように」
ユンゲラーの短冊
「みんなの笑顔が絶えることがありませんように」
コラッタの短冊
「早くしんかできますように。あと出番がふえますように」
最終更新:2009年07月10日 22:56