5スレ>>744


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「『シオンへこい』」
 アルが悪霊に取りつかれた。


「悪霊☆退散☆悪霊☆退散♪」
「呪い呪われ困ったー時は♪」
「「どーまん☆せーまん☆どーまん☆せーまん☆
  すぐに呼びましょ陰陽師♪」」
「Wのネタふりに絶望した!」
 エド、レン、リンの順に発言している。前者2名は合唱までしている。
 とりあえずあのあと、入会手続きをしてエリカ嬢へ偽証報告し、じゃあセンターに戻ろうかというタイミングでの出来事。
「痛いぞ。わざわざ木小太刀を使って叩くな。もっと軽いダメージで元に戻ることは知ってるだろう」
 どうやらアルは昔からよくこうなっていたようだ。
 しかしそいつらに何言っても無駄だ、アル。あきらメロン。
「しかしシオンねぇ。たしかにここには長居しすぎたし、そろそろ別の場所に行ってもいいと思うけど…」
 なぜシオンなのか? と疑問が浮かぶ。あの町に行くのは若干の抵抗があるのだ。
「……カラカラに、どんな顔してあえばいいってのさ」
 なにも、必ず出会うわけでもないのだが、さほど広い街でもない。確率は決して低くないのだ。
「ああ、もう、ボクらに暗い顔は似合わないって! みんながそんな顔じゃ、会ったときに余計まずいって!
 マスターの言うとおり早く別の場所に行くべきだし、リンも気にしすぎ!
 いつもみたくマスターと漫才してればいいの! そうやって笑わせてあげる、それがボクたちにできることじゃないかな?」
 チーム最大のムードメイカー・レン。バッドなムードを作ることも多いが、けっしてそれだけではない。
 どこぞのマスターと違って。
「……そうだね。まずはシオンに向かおうか。そのままセンターで一泊って時間だけど」
 こうして、シオン行きは決定した。


 舌をねじ込む。少女の肩が跳ねる。
 それが面白くて、そのまま力をこめてなめまわす。
 弱々しい、ともすれば吐息と間違えそうな、けれど確実に頭のネジを緩めていく声が、形ばかりの拒否を示す。
 ならば、とそのまま舌を引きずり出す。髪をつかむ手が震えるのが伝わる。
 そうしてしばらく放置する。
 そのうちに、ためらいがちながらも明らかに続きを促す声色で、名を呼ばれる。
 待ってました。
 ここぞとばかり、一気に吸いつく。
 ちょっとした不意打ちだ。また、肩が跳ねる。
 だが、まだ不意打ちは終わっていない。
 頬を膨らませ、一気に吹き込む。
 今度は、完全に声ではなかった。
 ……さすがに、やりすぎただろうか?


「……お、今日は吸ってないね。ようやく僕の意見が通ったのかな?」
「いや、昨夜ちょっとやり過ぎたみたいで、ジニーが起きてこないんだ」
「吸血で? 血が足りないなら吸い返せばいいのに……それができないほどって、危険なんじゃ……!?」
「そうじゃなくて……なんて言うかな、過剰摂取で休眠中ってかんじ」
「なんだ……心配させないでよ」
 説明しよう。先ほどの文は件の”昨夜のできごと”であり、吸血である。
 血を吸うためにあけた穴に舌をねじ込まれるだの、一度吸われた血をそこから返されるだの、
 未知の感覚に耐えきれず、ヴァージニアはこうして泥のように眠るほど疲労したのである。
「……レンを1人にしていいのか?」
「だから、ディーがついてるってば」
 ここで部屋割の話をしよう。この部屋は毎度恒例、エドジニ2人部屋。
 そして隣と向かいもとってあり、向かいから来たのがリンで、やはりレンと2人部屋だ。
「まぁ、すぐにみんな集まってくるだろう。それまでに起こせばいいんだ」
 基本的に気楽なマスター。その姿勢に救われることが果たしてこれからあるのだろうか?
 そんなことを考えずにはいられないリンであった。


 一方そのころ、もう一つの部屋では。
「……すぅ……」
「……(可愛い)」
 ベットの上のこれじゃマッスグマじゃなくてマルスグマな状態の言ノ葉さんに見惚れてたアルが、
「(どうしよう、起こすのがもったいない)」
 なんて苦悩してました。同じ部屋になると決定した時は迷わず床で寝ることにしたのにね。


「よーし、みんな集まったね。……来てみたはいいんだけど、どうすればいいんだろうね?」
「僕に聞くな」
 全くマスターにはつれないカメックスである。
「『全員、デッキの切り札を召喚しろ。それで道が開ける』」
「お、でたな悪霊。まぁ今回は君の言う通りにしてあげよう。
 みんな、デッキは持ってきているな?」
 なぜ全員が持っているのか? マスターが強制で持たせているのである。
「よし、じゃあディスク2つで……僕から行こうか。”Dragoon(ドラグーン) D-END(ディーエンド)”!」
 カードをセットするとともに、胸部と左腕に竜頭をもったモンスターが現れる。
「あいあい! 次はボクの、”双頭の雷竜(サンダードラゴン)”!」
 対し、雷が落ちてきたかと思えばそこには竜がいる。
「双頭なのに頭が1つとはこれいかに」
「さぁ~?」
「はいはい、ネタふりコンビは少し自重してね。”サイバーエンドドラゴン”!」
 今度はそこらから機械のパーツらしきものが大量に集合し、三つ首の翼竜が……しかし足がない。
「つぎは私が行こうかしら。”闇より出でし絶望”!」
 続いては地面から、ああ、魔王ってこんな感じだなって感じの影が現れる。
「わたしは、ユベル-Das Extremer Traurig Drachen(ダス・エクストレーム・トラウリヒ・ドラッヘ)」
 やたら長いドイツ語という中二病全開の名称のそのモンスターは文章で表現するなら、
 ドラゴンに人型の頭が付き、竜の頭は両肩から首が生えており、胸部にも顔があり、
 やたらと目玉の多い怪物。そんな感じである。
「『アルの切り札は間違いない、こいつだ。”ゴッドネオス”!』」
 悪霊さんが選んだのはマグナモン……にはあまり似てないか、とにかく金色の鎧をまとったすごそうなの。
 とにかく、”それ”が現れた瞬間、『それ』は起こった。
「っ!? 目が、目がああぁぁ!!」
「ええい、こんな時までムスカしてんじゃない!」
 とにかく、激しい光があたりを包み込んだ。そして────

 ────世界が/反転/する。

「……みんな、大丈夫かい?」
「僕は無事だ」
「ミーツー!」
「朝からの不調を除けば、ね」
「……どさくさにまぎれてなにをしている」
「あ、えと、あ、あててるんです!」
「うん、無事みたいだね」
「いや、言ノ葉さんの行動に突っ込みなし!?」 
「1つだけ言うなら、それはこのメンツでは恋歌以外がすることじゃない」
「ほー、そーかそーかよほど命が要らないと見える」
「凛悟? なんだ、目が据わってるぞ」
「リン? アルにとりついた悪霊は案外しぶといから、ひんしぎりぎりまで追い込んじゃって」
「エド、お前も一体何を」
「”運命の悪戯(ディスティニー・ゲーム)”!」
「!? 言ノ葉、離れろ!」
「え、あ、はい!」
「いい度胸だ……これで心おきなく全力全壊でぶっ飛ばせるのによお!」
「しまっ」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄あああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
「デュクシ!」
 最後のセリフだけ誰のものか言おう、エドである。
 ちなみにリンは通常攻撃のみでぼこってる。死など一瞬の苦しみでしかない。
「……特に何も変わってるようには見えないな。どういうことなんだい、悪霊?」
 その問いかけに、一通りぼこられ終えたアルの口が動く。
「『並行世界だ。ここでは今日、祭りが開催される』」
「なるほど、そこに僕らを参加させようというわけだ、不服だ。リン、もう一回フルボッコしといて?」
「『こ、この鬼め!」
「言われずともおぉ!」
「天になり~♪ 突き抜ける~♪」
 ぶっ壊れたリン君、絶賛大暴走中。テンションあがってきたのか、レンもノリノリで歌っている。
 伝説のフルボッコソングを。
「……祭りか。どうせなら、浴衣の方がいいよな」
「作るの?」
「当然だよ、ジニー。僕はこれでも手先の器用さには自信があるんだ」
 とりあえずアルが回復するまでは待つことのなるだろうから、さっさとセンター内に引き返して準備にかかるエドだった。


 ダダダダダダダダダ、ダダダダダダダダダ。
 軽快なミシンの音がリズムよく聞こえる。
 この男、全員分の浴衣と帯を生地から作り始めたのだ。
 それはすでに手先で収まる器用さではない。
 ここに彼を高性能トレーナーとして認定してもいいのではないだろうか。
「…よし、これで言ノ葉の分も完成。あとはジニーの分だけだ」
 リンのものから始まり、自分、アル、レン、そしてこの言ノ葉のものと、最後にヴァージニア。
 少しずつ上達していることから、力の入れ具合がよくわかる。
 誰に力を入れたいのかも、同様に。
「アルバートさん、大丈夫ですか?」
「……オーバーキルは勘弁してほしかった、な」
「知ってるかい? バーサーカーソウルって、相手のライフをゼロにしても効果処理続けなきゃならないんだよ?」
「な、なんd」
「はいストップ、レン。お口にチャック」
「あら、どうせなら口づけてふさげばよかったのに」
「できるか!」
「く、くちづけ……」
「ああほら、オーバーヒートしちゃってるし!」
 相も変わらずエド一行。楽しい一座である。
「よし、完成。んじゃ各自更衣室で着替えてくること。集合はここ(センター内ロビー)。解散!」
 そして完成が速い。もう出来上がっている。その速さに突っ込む暇もなくそれぞれに浴衣を押し付けられ、
 あっという間に更衣室に向かってしまった。
「……いくか」
「はい」
 アルと言ノ葉がいち早く更衣室へ向かう。
「て、お前はあっちだろ」
「……見たくないんですか?」
「見ない。見られたくない」
「(……その言い方だと、見たいことは肯定してるよアル……)」
 思いつつ、自分も同じ状況だと気づいたリン。
 とりあえず、無視することで事なきを得たが。


 さすがにエドの手持ちの生地では柄無のものしか作れなかったが、やはり普段と違うというのは胸キュンポイントが高い。
「ど、どうですか……?」
「…………」(ズキュウウウウン!)
「ちょっと動きずらいな……」
「だからってそんな肌蹴させないで、目のやりどころに困るというか僕以外に見られたくないというか」
 アルって実はポニーテール萌えなんだ、開幕轟沈してる。
 リン君、包帯とスパッツで隠すべきとこは隠してるじゃない。
 そして本命。
「あっ……」
「っ、ジニー!」
 ヴァージニアがバランスを崩す。即座にエドは抱きかかえるようにして支える。
「大丈夫かい?」
「……ごめんなさい、エディ……腕、借りるわ……」
 そう言って、エドの左腕を抱える。そのまま口元を隠すのは反則だ、古今東西あらゆる男が堕ちる。
「……どう?」
 しかも控えめなこの質問である。先ほど堕とされた男で褒め言葉を口にしないやつがいるか。
「うん、似合ってるよ。柄物が用意できればなおよかったんだけどね」
「もう、贅沢言わないの。お金は無駄遣いしちゃいけないわ」
「別に、脱がすつもりで服を送るつもりはないけど?」
「もう、そんなこと言ってないでしょう? ……エディになら、構わないけど……」
「だから、そんなつもりはないって言ってるだろう? そう言うのはもっと時間をかけるべきだよ」
 褒め言葉どころか誑し文句まで出てきたよ。この隠れ恋愛シュミレーション主人公スキル持ちめ。
「…………(いいなあ)。
 ……リン……?」
 中身は結構乙女で初なレン。彼氏に褒め言葉をもらいたくて言葉をかけるの図。
「………(頭痛が痛い)。
 とりあえず、いこうか」
 しかし期待した言葉は返ってこない。代わりに、自然に手をひかれた。
「あ……、うん!」
 当然、握り返す。それだけで幸せなんて、自分も単純だなと思いつつ、笑顔は晴れ渡っていた。
「……馬に蹴られる前に、退散するか」
「どちらかといえば、邪魔者を蹴っ飛ばしてもらえる方になりたいです」
 同じように手をつないで去っていくアルコト。すでに十分、言ノ葉の言うような関係に見える。
 それらを見届けてから、ゆっくりと、エドとヴァージニアは歩き始めた。


「うう……えーい、”でんじは”……!」
「ストーップ! そんなにむきにならないいの!」
 ここは金魚すくいの屋台。どうにもうまくいかず、得意技をお見舞いしようとするレン。
 しかしそれはさすがに反則だし、営業妨害になりかねない。
「ほら、あっちにヨーヨー釣りあるから、あっちなら逃げないからさ、あっちにしよ?」
 要は金魚が皆逃げていくのでいらついていたのである。
「むぅ……まぁ、金魚なんてもらっても困るしね」
 むくれた顔してさらりと金魚すくいを否定する。さすがのリン君も苦笑い。
「よーし、今度こそ!」
 しかしどちらも手先の器用さがものをいう。基本的にぶっぱして終わりな戦闘スタイルの影響か、
 レンはどちらかというと不器用だ。当然、すぐに根を上げる。
「~~あーー! もうやだーー!」
 リンは深いため息をつくと、苦笑一つ、屋台のオヤジと共有すると、
「追加料金な!」
 とコインを弾きつつ、レンの背後に回る。
「ひやああ!?」
「ほら、力抜いて。こういうのは、こうやって……」
 そのまま他人の手を使って器用にひとつ、すくってみせる。
「(かかかっか顔、顔! 顔近い! い、息も、耳に、かか、)」
「ね? 簡単でしょう?」
 あまりにもテンパっていたため、彼女は見逃した。
 彼の顔も、赤かったことに。
「……わかいねぇ、青春だねぇ」
 

「わわわ……」
「…………」
 くいっ。
「あ、ありがとうございま……わわあっ」
「…………(ー_ー#)」
 ぐいっ!
「わわ、わ、わ!?」
「……はぐれるなよ」
「は……はい……」
 アルコト組はやたら人通りが多いところにぶつかってしまった。
 小柄どころかロリコンご用達な幼女型(ようじょがた)なため、道行く人々にパワー負けしまくる言ノ葉。
 そのたびに立ち止まって腕をひくアル。(やっぱりギャグな中国なまりに聞こえる。かわそうなアルバート……)
 そろそろストレスがいい感じになってきたので、思いっきり引いた後、手を絡めなおす。
 いや、腕を、といった方がいい。しかも、しっかり恋人つなぎまでしている。
「……えへへ」
「……(やはり慣れないことはするもんじゃないな、恥ずかしい)」
 青春真っ盛り。2人とも、手のひらから伝わるぬくもりに安らぎを覚えていた。


「おや、みなさんどちらへ?」
「まさかの遭遇。逃げちゃだめだ、逃げたら負け」
 主従漫才、再び。
「あれ、髪飾り変わってる……どしたん?」
「エディが射的でとってくれたの。可愛い、って褒めてくれたから、そのまま……」
「仲がいいですね……わたしも、そんなふうに……」
 女子組は早速盛り上がっている。
 こうなったらもういい雰囲気は出ないだろう。そう思って射的の屋台を見れば、なにやらいい感じのカップルが。
「な!?」
 思わず声が出てしまった。それ以上にカップルの彼が大声出したわけだが。
『……んななななななななぁっ!?』
 とりあえず、こんな声出せば注目の的になるわけで、
 両者の顔を見れば何があったのか一目瞭然なわけで。
「あ……」
 とりあえず見なかったことにしようと、言ノ葉の声に振り向き、その視線を追った先で二度目の驚愕。
「どさくさにまぎれて何してんだあなたらは!?」
 リンの突っ込みに激しく同意。
 同じことしてるってのはだれもが想像つくはずだが、こいつらさらに一歩先言ってやがる。
 ソウディーープ。
 詳しい描写は後に思い出したくない。
『ととと、とりあえず次行くぞ、次!』
 ……逃げる時間を稼いでやったのか、というのは解釈が善意に過ぎるか、さすがに。


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~あとがき~

 曹長殿の世界にジャーンプ!
 というわけで異世界に飛んじゃいました。GXリスペクト!
 さてこのあとジムに突貫する一同! あとは任せましたよ曹長殿!(ぇ
 
 気を取り直して、最初の方の吸血シーン。
 アウト?セーフ?いいえ、デッドボールです。
 前回は”描写次第でデッドボール”でしたが今回は”完全にデッドボール”です。
 でも自重したくないでござる!自重したくないでござる!
 そして後半はいちゃいちゃラブコメタイム。
 この次はまた少しシリアスやって、そのあとみんなでデートだ!編に行きたいと思ってます。
 シリアス中に新しい仲間が入るよ!
 でわでわ吸血記、来週もまたみてね! 自称吸血鬼な730(吸血の人)でした!
ツールボックス

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